【イベントレポート】新加入選手発表記者会見 ※無料配信

2022シーズンの新加入選手発表記者会見が9日、松本市内で開かれた。新加入6人のうち、外国籍選手2人を除く新卒の4人が出席し、プロとしての第一歩を踏みしめる決意などを表明。このほか発表された新任コーチ3人も参加し、異口同音にJ2復帰への意気込みを口にした。

冒頭、神田文之社長があいさつ。「クラブ全体として今年は勝負の年。必要な収入が見えてきた段階で3月までしっかりトップチームに投資する。8月の夏の補強までにしっかり収入を確保し、チームに投資できる形に持っていければ」とJ2復帰への決意を改めて強調。現場に対しては「厳しいキャンプの中で選手やスタッフでいろんなことをあぶり出しながら最後まで1年間臨んでほしい」と期待した。

今季現段階での新加入選手は外国籍選手2人に加え、大卒ルーキー3人と高卒ルーキー1人。期限付き移籍から復帰した小松蓮、吉田将也、三ツ田啓希、山本龍平の4人も含めた既存戦力と合わせた平均年齢は25.41歳。パウリーニョは2016〜19年に在籍した当時と同じ背番号14、クラブ初のスペイン人選手となるGKビクトルは背番号21となった。

FW菊井悠介

ルーキーたちはそれぞれ、プロ1年目に向けた決意を口にした。流通経済大のFW菊井悠介は「ゴール前でのプレーが特徴なので、パスやドリブル、シュートで高い技術を発揮できれば。松本山雅の印象はファンサポーターが熱くてチームに一体感があり、松本山雅でプレーできればいいと思った」「ゴールやアシストの数字にこだわりたい。プロは大学とは違うが、そこをこじ開けられるくらいゴール前のプレー精度を上げていきたい」と話した。

GK薄井覇斗

同じく流通経済大のGK薄井覇斗は昨年の練習参加に際し、チーム全員の顔と名前をあらかじめ覚えてきた逸話を持つ選手。「パワフルなプレーとコーチングに自信を持っている。松本山雅FCに加入を決めた理由としては、最初の練習参加。(一般公開練習で)コロナ禍の中でもたくさんきてくれて、こんなにも愛されているというのを感じたから、ここでプレーしたいと強く思った」と意気込みを話した。

MF住田将

東京学芸大から加入したMF住田将は、181センチの長身で左利きのボランチ。昨季は特別指定選手として一定期間、山雅で練習に加わっていた。「チームが苦しい状況で全く力になることができず、降格になってしまった。個人としても結果に対しても悔しかった」と明かし、同じ左利きのボランチだった名波監督に対して「練習参加した際もFKを教えてもらった。尊敬する方なので多くを学んで吸収していきたい」と語った。

DF二ノ宮慈洋

唯一の高卒ルーキーは、高崎経済大附属高から加入したDF二ノ宮慈洋。190センチのサイズを生かした空中戦が武器のセンターバックで、足元も得意とする期待株だ。「他の人は自分より年上だけど、サッカーにおいてそれは関係ない。自分の持ち味をしっかり出して、自分が成長するために何が必要かを考えて取り組んでいきたい」「身長はあるがまだまだ細い。しっかりプロで戦っていけるフィジカルを作っていきたい」と決意を語った。

未合流の外国籍選手2人については、鐡戸裕史フットボール部長が説明。ビクトルについては「セービング能力に長けており、日本でのプレーが長いのでコーチングも日本語でできる」と話し、3年ぶり復帰のパウリーニョには「ボール奪取能力に優れ、リーダーシップを発揮できる選手」と紹介。「『山雅のためになんとか力になりたい』とずっと伝えてくれていて、今回また戻って上を目指すことになった」と明かした。

中森大介コーチ

新任のコーチ陣もそれぞれにあいさつ。中森大介コーチは「監督と選手を全力でサポートし、チームが掲げている目標を必ず達成できるよう120%の熱量を持って挑んでいきたいと覚悟を持ってきた」と熱弁。2015〜19年は磐田のコーチとして名波監督をサポートしており、鐡戸フットボール部長は「名波監督の考えていることを浸透させてもらう役割も期待している」と話した。

宮原裕司コーチ

宮原裕司コーチは福岡のアカデミーで長く指導し、その後G大阪U-23とG大阪でコーチを歴任。U-23でJ3も経験しており、J3を勝ち抜くために必要な要素について「J3はやりたいサッカーを簡単にはやらせてくれない。ハードワークやフィジカル的に強い選手が多いイメージがあり、その中でハードワークを植え付けていくことが大事になってくる」と話した。

シュナイダー潤之介GKコーチ

GKコーチはシュナイダー潤之介氏。奈良クラブ、群馬、栃木シティでGKコーチ(選手兼任も含む)を務めており、群馬ではJ2昇格を経験した。「(昇格には)一体感をチームで持つこと。選手全員もそうだし会社の人間も、サポーターの皆さんと一緒に戦えることが大事になってくる。松本山雅には最強のサポーターがついており、かなりのアドバンテージになる。厳しい戦いもあると思うがサポーターが勝たせる試合もある」と後押しに期待した。

このほか鐡戸フットボール部長が編成の進捗などについて説明。圍、外山、浜崎、戸島の去就未発表4人については「現在進行形で今シーズンに向けて色々と話し合いをしているという理解でいてもらえたら。契約ごとなのでクラブだけの事情ではないという部分をご理解いただいて、互いが前向きな話し合いを進めている段階」と話した。

フィジカルコーチが現状で不在である点についても、「数人と面談して交渉したが合意に結びついていない。候補はいるが、合意に至っていない」と交渉中であることを明かした。ただ、キャンプでのフィジカルの土台づくりは昨季の反省点でもあるため、「フィジカルの強化という部分では非常に重要なポスト。チーム始動日までにはしっかりとスタートしたい」と力を込めた。