【キャンプレポート】得点増&失点減を目指し セットプレーに注力 ※一部無料

第1次串本キャンプ第5日の19日、和歌山県串本町のサン・ナンタンランドで午前練習が行われた。奈良クラブとのトレーニングマッチを翌日に控えており、コンディション面を考慮して1部練習のみ。セットプレーの確認をメインとした。セットプレーの練習はここまで5日間で4回目。試合を左右する大きなファクターとして重要視していることが改めて浮き彫りとなった。

昨季は村越と菊井の直接FK弾を含め、セットプレーでの得点が16(PKを除く)だった。総得点51のうち占める割合は31.37%で、リーグの中では長野の20、FC大阪の17、鹿児島の16に次ぐ数字。霜田監督は「セットプレーでの得点は間違いなく武器だと思っている。去年手に入れた武器は、今年も手放したくない」と強調し、相手がゾーンの場合とマンツーマンの場合を分けて落とし込みを図る。

常田、野々村など空中戦の強さを持つ面々は今季も健在。常田は「自分の力でチームを勝たせたい、という思いは相当強く持っている」と話しており、セットプレーでもさらに存在感を出していきたい考えでいる。キッカーも菊井や山口だけでなく、安永、安藤、米原、住田、山本など球質の異なる左右の選択肢が豊富。セットプレーの攻撃は昨季同様、武石康平テクニカルコーチが担当する。

セットプレーでの失点は12(PKを除く)で、総失点47のうち25.53%の割合。少なさではFC大阪の6、福島の7、岐阜と今治の8が際立つ形となった。ゾーンを組んだ中でピンポイントの高精度なボールを入れられると対応が難しいケースも発生したが、可能な限り減らしていきたいのは確か。霜田監督は「失点は個人の力と仕組みの両方でさらに減らせる」と話す。

昨季はCKや深い位置でのFKに関しては、小松蓮がニアサイドのストーンとして大きな役割を果たしていた。しかし今季は身長180cm台のFW登録選手がいない陣容。ニアの頭上を越えられた際に、ゴールエリア付近でより確実に防いでいくにはどうするのが得策か。セットプレーの守備を受け持つ吉本哲朗GKコーチを中心に、システムの浸透を急いでいる。

トレーニングマッチでパフォーマンスを発揮することを優先し、この日は午前練習のみ。相手の奈良クラブは昨季最終節で苦い思いをさせられた相手でもある。既存の選手スタッフも新加入選手も、それぞれに抱える「悔しさ」が大きな原動力となっているシーズン。まずそれを感じさせられた相手を下し、成功体験の第一歩としていきたい考えだ。

霜田監督と選手2人のコメントは以下の通り。


霜田 正浩監督

――今日はセットプレーの練習でした。かなりコマを費やしていますが、改めてその重要性をどう捉えていますか?

日本代表が先日のアジアカップでベトナムにやられたように、力の差を埋める一つの手段としてもセットプレーは非常に大事だと思っています。今までも重要視してきましたが、あえて時間を取ってコマを使って、まるまるセットプレーをする。それだけ選手に意識を付けたいと思っています。やったからと言って点が取れるか取れないかはわからないし、全然やらなくても点を取ったりやられないチームもあります。直接の因果関係というよりは、僕らの姿勢として「練習でやらないと試合でできない」というのがあるので、そこは続けていきたいと思います。

――明日からトレーニングマッチが始まります。まず奈良戦で選手に体現してほしいことはありますか?

キャンプ中の練習試合なので、「その日の全力を出す」というのが一番です。練習試合は何のためにやるかと言うと、いろんな準備の一環です。公式戦で勝つための準備ですし、その中で勝ち負けにこだわってほしいと思います。どんな練習試合でも、何十分、何本でも、勝つためにやっています。勝つことに執念を燃やして、どうやったら勝つ確率が上がるのかを考えてほしいです。

――その最初となる奈良クラブは、昨季の最終節で対戦した相手でもあります。

マッチメイクは相手のあることなので結果的にそうなりましたが、去年の最終節の借りを返すところからスタートしたいです。ポジティブに捉えています。ただ相手も一発目でしょうから、いろいろ差し引いて考えないといけません。何が起きてもどういう結果になっても、まず両チームにケガ人が出ないことが一番。気持ちを込めて戦ってくれればいいです。

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