【試合後コメント】霜田 正浩監督 YBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦 福岡戦 ※無料配信

――試合の総括をお願いします。

平日のナイトゲームにも関わらず、たくさんのサポーターに来ていただきました。福岡のサポーターも含めて非常に良い雰囲気を作ってくれたので、まず感謝します。

時間が経つにつれて勝つ確率が上がっていくと思っていたので、最後にPK戦で負けてしまったのは非常に悔しいです。前回(山口戦)もPK戦で勝ちましたけれども、やっぱりPK戦は誰しも外すことが考えられるものです。今日は相手が決めてうちが外しただけなので、そこはあまり気にしていませんが、勝ちたかったのが正直な気持ちです。

――今日は3バックを採用して挑みました。その意図について改めて聞かせて下さい。

純粋に福岡さんの個人の能力とうちの戦力を比較したときに、先に点を取られると厳しいと思いました。僕らは今失点がずっと続いているので、まず0-0の時間を長くすること。あるいは良い守備から良い攻撃に行くこと。それをリーグ戦に繋げたいと思って、まずスペースを消す。向こうがウェリントンに蹴ることもある程度スカウティングで分かっていたので、ロングボールとクロスに対応するところに人を使いたいと思って今日はこのシステムにしました。

もちろんシュートも打たれましたが、90分の中ではある程度想定内でした。セットプレー一発で叩かれたのが反省すべき点ではありますが、しっかり組織を崩されたのがそんなになかったとも思います。だんだん疲れてくると少しラインが下がってきて、こぼれ球を拾えなくなって押し込まれるシーンもありましたけど、クロスには中でマークができていたし、フリーでシュートを打たせることもそんなになかったと思っています。

――この試合からくみ取れる意義はどんな部分でしょうか?

PK戦で負けましたけど、90分では1-1だったし120分でも1-1でした。福岡の選手の個人能力を考えればよく戦ってくれたと思います。唯一誤算だったのは、もう少し僕らはボールを持ちたかったのに、持てなかったこと。それが一番の反省点です。

――「持てなかった」理由は、奪った後のファーストボールであったり低い位置でのズレであったりだと思います。相手の強度やスピードとも相関関係があるのではないでしょうか?

まず空中に浮いているロングボールが多かったので、自分たちが狙いとしている形でボールが奪えない。全てカオスになってセカンドボールになり、どちらに転ぶかわからないボールでした。うちが拾ったとしても、そこから技術、相手のプレッシャーの速さ、そういうところでなかなか1本目が繋げない現象が起きてしまいました。それでも自分たちがボールを運ぶときには、立ち位置を取って運ぶこともできたと思いますけれども、なかなかいつも僕らがやってるようなサッカーができなかったと思います。ただ、今日はできないことも含めて想定内。1-0で勝てれば、あるいは1-1でもPKで勝てれば一番良かったんですけど、それだけが悔しいです。

――最初に「時間が経つにつれて勝つ確率が上がっていくと思っていた」という言及がありました。実際には途中から相手が主力の選手たちを投入してきたのもあり、終盤や延長戦にかけては押し込まれて重心が重くなってほぼ守備に追われる現象が発生していました。冒頭のように見立てた根拠はどのような部分にあったのでしょうか?

もちろん向こうも延長戦はやりたくないだろうし、タイスコアで向こうはよりリスクをかけて出てくるだろうと思っていました。その相手の攻撃をしっかり受け止めて跳ね返すことができれば、どこかでカウンターに出ていく状況が出たりセットプレーで取れるのではないかと思っていました。相手の心理を考えると0-0や1-1 のまま90分が経とうする、あるいは延長戦になると、どんどん早くゲームを決めたくなる。途中から主力の選手が出てくるのも予想されていたので、その選手たちの攻撃を受け止めながら、どこかでチャンスがあればセットプレーで点が取れるのではないかと思っていました。

――ディフェンスは3バックだったこともあり、ずっと課題だったクロスに対する中でのマークが非常にタイトに遂行できていました。そこはリーグ戦に繋がっていく要素だったのではないかと思いますがいかがでしょうか?

後ろが3枚の守備になったときはウイングバックがちゃんと下がって守備をして、相手のスペースを消す。中盤の3枚は非常に滝裕太も含めて運動量があって、背中でパスコースを切るディフェンスもうまくいっていました。守備に関しては本当に手応えを掴んでいるというか、今までうちの安い失点を繰り返したリーグ戦から比べれば、相手のレベルが遥かにリーグ戦よりも高い中でも気持ちを込めて魂を込めてしっかりといい守備ができました。

攻撃の回数が少なかったのが想定外だったんですが、それでもこうして個の能力が高い相手に対して120分本当に集中して戦えました。いろいろと殴られましたけど、最後で倒れなかったと思っているので、それはリーグ戦に間違いなく繋がると思っています。

――J1の相手に対してこのような戦いができた意義はどのように感じていますか?

試合が始まればカテゴリーは関係ないと思っていますし、相手に個々の能力が高い選手がいるのはやる前からわかっていたので、その差をどうやって埋めていくかが戦略です。準備期間は1日〜2日しかなかったですけど、選手たちはそれをしっかり遂行してくれたと思っています。僕らがボールを持てなかったところは想定外で反省しなければいけないと思っていますが、それでも最後まで戦う姿勢が見られたので、非常に良いゲームをやってくれたと思います。

――次は中2日でリーグ戦となりますが、そこに向けてどのように持っていきたいですか?

PK戦まで行ったので、プラス30分余計に出場時間が増えました。そこはこの2日間かけてリカバリーをしなければいけないと思っていますが、最初から出る役割の選手も途中から出る役割の選手も、今の僕らは誰がどの役割をしても十分に戦える戦力があると思っています。次に誰を使うかはこれから考えますけれども、でも十分に元気な選手たちが次のリーグ戦で戦ってくれると思うので、あまり心配はしていないです。2日あれば大丈夫です。