【試合後コメント】霜田 正浩監督 第36節 岩手戦 ※無料配信
――試合の総括をお願いします。
かなり移動に時間がかかったのですが、多くのサポーターが来てくれて勇気づけられたし、感謝の気持ちを伝えるのは勝点3しかないと思っていたので、勝って勝点3を取れたことは非常にうれしく思います。
ただ、点差ほど楽なゲームではなかったと思います。やられたシーンもたくさんあったし、守備のところで反省しなければいけない点がたくさんあったし、もっと点を取れました。攻撃も守備も勝ちながら反省していくというスタンスで、決して満足することなくおごることなく、僕らの目標に向かって一歩ずつ目の前の試合を戦っていきます。
いろんな選手がいろんな形で点を取ってくれました。ポジティブな点はたくさんありますが、先がありますので、引き締めて次の準備をしたいと思います。
――後ろの3枚もオリジナルポジションから前に奪いにいくシーンが多く、ハマる時もピンチになるシーンもありました。リスクとの向き合い方などはどう考えていますか?
今日は「前から取りに行け」という話をしました。もちろん相手の能力がありますけど、行くことによって取れたシーンもあります。行かないと自由に前を向かれて、個人技のある選手に運ばれるという方が嫌でした。
例えば宮部にしても野々村にしても、一発で取りに行ってクルッと前を向かれてしまうシーンがあったのですが、それでシュートを打たれたわけではないです。あとは1人がチャレンジすれば周りがどれだけカバーリングできるか。3枚あるいは5枚、ボランチの選手も含めて熟成させながら試合を戦っている最中です。
ただもうシーズンも大詰めです。結果が全てですから、リスクをどうやって考えるか。そこは毎試合変えているところです。
――3バックで90分間、イレギュラーではないシチュエーションで戦って、改めて見えた課題などはありますか?
(岩手は)能力の高い選手がたくさんいるので、簡単にボールを取れない、あるいは勢いのまま取りに行っているだけでは、はがされてしまうシーンがありました。気持ち的に前掛かりになっているところがあるので、前に行けば取れるシーンもたくさんありました。「前に行くな」とは言っていないし、後ろに5枚いるので前は躊躇なく取りに行けという話をしています。
そこで僕らの躍動感が出ればいいと思っていますが、それの裏返しで外されてシュートを打たれたシーンもありました。そこはもう一回反省をして、守備の組織を作ってからプレッシングに行きたいと思っています。
――配置上は1対1の局面が多く、球際のデュエルでも強さを見せたゲームとなりました。
デュエルのところは僕らの大前提です。ミラーゲームになれば、いろんなところでマッチアップが起き、自分の対面の選手と1対1で負けないことが大前提です。
そこで負けているとはがされてカバーリングでずらされて…ということが出てきます。何回かクルッといかれたこともありましたけど、粘り強く戦ってくれたと思います。
あとはスプリントバックが僕らの持ち味です。後ろの選手が時間を作り、前の選手がスプリントで帰ってくる。それさえできれば複数失点はしないと思っています。
失点もミスでやられましたが、逆に言うと(大内)一生は決定的なシーンを防いでくれてもいます。誰かのミスを誰かがカバーしながら勝点3を取ることが一番大事。もちろん無失点で終わりたかったですが、それでも勝点3を取れて、得失点差をだいぶカバーできたのは大きかったと思います。
――初の3連勝で、ここからリーグ戦は残り2試合となります。どんなマネジメント、どんな声掛けをしていきますか?
連勝をするというのは、「終わってみると3つ勝ったとわかる」というのが一番良いと思っています。次は「連勝を続ける」とか「4連勝」とかは全く考えていません。目の前の試合が2つしかないですし、次はホーム最終戦で、勝てばまた僕らの目標に一つずつ近づいていきます。
目標があるチームが一番強いと思っているので、僕らは絶対に目標をぶらさず、昇格に向かって一歩ずつ足元を固めながらやりたいと思っています。勝ちながら反省し、次の琉球戦に全力を尽くす。それだけです。
――浅川選手に久しぶりの点が入っただけでなく、安永選手、高橋選手も加入後初ゴールがありました。個人としても大詰めに向けて乗っていける部分もあるのではないでしょうか?
いいプレーをしたら単純に褒めたいと思っています。今日の安永は本当に得点だけではなく、素晴らしいアプローチと、彼の一番のストロングポイントであるボールを奪い切るところが出ました。人からボールを奪えるし、あとはボランチで運べる推進力。そこが彼が米原の代わりに出て、今日はすごくいいプレーをしてくれたと思います。
その延長線上で初ゴールを決めてくれました。先週、先々週ぐらいの練習試合からすごく調子がよかったので、気持ちを切らさず、こういうチャンスをモノにしてくれたと思っています。
高橋祥平にも浅川にもゴールが生まれたし、(安藤)翼も(村越)凱光もキク(菊井)も、前線の選手がみんなそれぞれ点を取ってくれました。誰か一人に頼らないサッカーをやってきていますので、いろんな選手がいろんな形で点を取れることが僕らの強みになると信じて、おごらずに、勢いをつけたいと思っています。