【キャンプレポート】J3のFC大阪と練習試合 2-1勝利も道半ば ※一部無料
第1次串本キャンプ第4日は25日、J3のFC大阪とのトレーニングマッチを和歌山県串本町の串本総合運動公園サン・ナンタンランドで行った。45分×3本とし、0-1、1-0、1-0の合計2-1。ミスが重なって先制を許したものの、セットプレーとクロスから奪い返した。
「同カテゴリーであるFC大阪(が相手)なので、勝敗は大事にしていきたい。勝てないと自分たちの評価が上がらないのは大前提に持っておきたいし、勝つことの重要性を説かないと」
前日、この日のトレーニングマッチの狙いを聞かれた早川監督は、まず勝敗へのこだわりを口にした。その次に、キャンプ中のコンディション下でどれだけ戦えるか。そして個々の特性とクオリティの見定めをポイントに挙げた。
その観点からすると、まず勝利を収めはした。2本目の3分、山口の左CKに高橋が合わせて今季チーム初ゴールをゲット。3本目の4分には山本龍平の左クロスをファーサイドの佐相がきっちり押し込んで逆転に成功した。
勝敗に関してはまず及第点。しかし早川監督は取材に対し、「攻撃守備ともに課題の部分が出た。チャンスはだいぶあったものの、それを決め切れなかった。 正直、勝った気にもならないぐらい」と苦笑いする。勝った実感は薄かった。
その中でも、見るべきポイントはあった。指揮官が抽出したのは、2本目のワンシーン。高橋のロングフィードに対して小川が裏を取って抜け出し、相手GKと1対1になった場面だ。シュートは防がれたものの、「相手の最終ラインをどう越えていくかが一番大事。シンプルだけれど、クオリティの高い抜け出しができた」と評価する。
加えて、この直後のシーンが今季目指す姿の一端と言えるだろう。ボールが相手にわたって切り替えのフェーズになると、早川監督が「休むな!」と声を張り上げる。これがスイッチとなって即時奪回に成功し、山口、樋口らが絡んで厚みのある攻撃を生み出した。
「いかに自分たちが止まらずにプレーするか。僕の合図でやっていたが、やはりまだまだ足が止まっているのがもったいない」と指揮官。これを習慣化してシームレスなスタイルを構築するのが、今季の道のりでもあるのだろう。
1〜3本目ともメンバーはシャッフル。1本目は大橋ら中盤の選手がボールを出し入れしながら相手陣内でゲームを進める。失点はビルドアップのミスから。自陣右サイドを素早く攻略され、さらにゴール前でのミスが重なってゴールを許した。
2本目は高橋、小川らがゲームをコントロール。3本目はゴールを決めた佐相のほか、田中の巧みな落としも冴えた。このほか安永、山口、村越、山本康裕ら昨季の主力は引き続き一定のパフォーマンスを示した。
この日の内容などについて、早川監督と選手2人(大橋、國分)のコメントをお届けする。
早川 知伸監督
――今日はFC大阪との練習試合でした。振り返っていかがですか?
攻撃、守備ともに課題が多いと思っています。勝ちは勝ちですが、だいぶあったチャンスを決め切れなかったので、勝った気にもなれない感じではあります。
守備は自分たちがやっていたものを出せた部分と、出せなかった部分。分量で言えば少し出せなかった部分があるので、もう少しできると思いました。
――1本目はチームとしてスプリントや切り替えを意識しつつ、2本目はベテランが入った中で、どっしりと落ち着いたサッカーをしている印象がありました。
選手によってゲーム展開は変わるものでもあります。もちろん相手にもよりますが、攻守ともに切れ目なく続けていきたいと思っています。
行ったり来たりばかりではなく、自分たちが意図的に攻撃して、意図的にボールを奪う。「意図的に」ということができていたか、できていないかを評価したいです。
そういう意味では、2本目は主体的にやっていた部分は評価できます。
――キャンプはあと4日間続きます。どんなところに磨きをかけていきたいですか?
まだまだチームとして大枠の部分しかできていないと思っているので、もう少し細部にこだわっていきたいです。攻撃、守備ともに緻密さが必要だと思うので、大枠だけではなくて細かな部分にも目を配って、ここからのキャンプでやっていきたいと思っています。
――手応えのあるプレーを挙げるとすればいかがでしょうか?
最後は外してしまったんですけど、高橋から斜めにボールを入れて小川が抜け出したシーンは一番よかったと思います。
自分たちが攻撃をしていく中でゴールを奪うには、やはり相手の最終ラインをどう越えていくかが一番大事。それをシンプルにクオリティの高い抜け出しができたのは、すごく評価できます。2人のクオリティも含めてあったと思います。
結果的に得点できなかったのはもう一個求めていきたいけれど、今日の中では一番よかったプレーだと思っています。