【キャンプレポート】串本ラストは練習試合 アタッカー躍動4得点 ※一部無料
第1次串本キャンプ最終第8日は29日、和歌山県串本町の串本総合運動公園サン・ナンタンランドでアルテリーヴォ和歌山(関西1部)とのトレーニングマッチを行った。45分×3本でシャッフルの組み合わせとし、1-1、0-0、3-1の合計4-2で勝利。疲労感の中でも切り替えの意識を見せるなど一定の成長は示した。
4日前のFC大阪戦と同様、「勝負にこだわる」という観点からすると及第点ではあった。1本目の13分、安永がドリブルで深い位置まで持ち運ぶと、混戦から浅川がワンタッチでゴール。昨季チームトップの13点を挙げたストライカーが、まずゴール前で仕事をしてみせた。
残り3点は3本目。19分、本間の右クロスから國分がヘッドでネットを揺らす。國分は3本目、トップ下の位置で攻守に存在感を示していた。さらにPKで同点とされた1分後には、田中がヘッドで勝ち越しに成功した。
勝ち越しゴールの形は巻き戻すと、村越のクロスからすかさず回収して2次攻撃に繋げており、即時奪回に成功した。田中のヘッドも、シュート性のボールに対して素早く頭を出して軌道を変えたもの。ハイアラートな状態が生んだゴールと言える。
最後は42分、山雅U-18出身の高卒ルーキー萩原がダメ押し。相手のミスを逃さずゴール前で奪い、そのままネットを揺らした。
これで串本キャンプの8日間を終了。早川監督は「ある程度の成果は得られたと思う。コンディションをしっかり上げるところまで上げられているし、ベースの部分はだいぶ積み上がった。ここからもう一個全体としても上げられると思うし、良いキャンプになった」と総括した。
一方で指揮官が課題を感じているのは守備面。切り替えからの再奪取は前線4人を中心に機能する場面も頻繁に見られた半面、ビルドアップゾーンでの意図せぬミスに対する反応が遅くピンチを招いた。自陣ゴール前の遂行力に加え、自陣からの前進についても宿題を持ち越した。
早川監督と選手3人(山口、宮部、安永)のコメントをお届けする。
早川 知伸監督
――最終日はアルテリーヴォ和歌山とのトレーニングマッチでした。率直に試合を振り返ってください。
フィニッシュまで行くところ、得点を奪うところを目指してやっていた中で、意図した形でのゴールもありました。そこはよかったと思います。
課題は守備です。2失点した要因の部分で、特にゴール前での個人の対応はまだまだ。ゴール前だけではなくて、まだまだ改善の余地があると思います。
――課題としては、やはり守備にクローズアップしていきたいところでしょうか?
一人一人の守備対応は少し気になります。ピッチの距離が長ければ長くなるほど、相手との距離も遠くなってしまうので、入れ替わるシーンとか対応し切れなかったシーンというのは、コンディションも含めてフォーカスしたい部分です。
――ボールを高い位置に運びさえすれば、奪われた後に切り替えて再び押し込むこともできていました。
エリアごとに言えば、前線でのトランジションはすごく意識的にできたし、意図的にできたところです。前のほうは良い成果が出てきたと思います。
ただ、中盤と自陣のところはまだまだです。エリアによってプレーの選択は変わってくると思うので、そこの判断基準も含めてもう少し明確に伝えていかないといけないと思います。
――ビルドアップの面でも、より効果的な動かし方をしたいところでしょうか?
そこの課題は想定内でもあります。とはいえ選手たちも、こちらの提示を忠実にやろうとしていたと思います。いろんなフィードバックとかテーマを言っている中で、どうしても外回しだけになってしまっていました。
各駅停車でゆっくりのんびり動かしても相手は動かせないし、中に差せないということはありました。そこはこちらの伝え方もあると思います。
3本目は相手が疲れてきたのもありますが、中に差していくことができました。そうすれば、より人をかけているので効果的にできるところはあります。それも想定内の部分なので、もう一個違う形ができるのはイメージしています。