【キャンプレポート】待ち焦がれた天然芝 まずクロス対応に力 ※一部無料

明治安田Jリーグ百年構想リーグに向けた鹿児島キャンプが27日、始まった。25日には栃木市でトレーニングマッチを行ってから鹿児島へ移動。翌26日はミーティングを行い、この日が鹿児島県立サッカー・ラグビー場で本格始動となった。朝までに降っていた雨は上がり、待望の天然芝が出す爽やかな香りが選手たちを迎えた。曇天で最高気温は9℃とやや低めだったものの、強度の高いトレーニングに汗を流した。

午前中はフィジカルパート。台を使用した筋力トレーニングから始まり、天然芝を使ってスプリントに取り組んだ。5m間隔に並べられたマーカーを利用し、合図とともに10〜50mで指定された距離をダッシュ。最後は連続ジャンプからのスプリントで午前中を締めくくった。

午前の練習が終わると、ホテルに戻るまでの間に全員がボールを使った自主トレーニングに励んだ。1月5日の始動から3週間にわたって松本でトレーニングを重ねてきた選手たちにとって、待望の天然芝。1時間強のフィジカルトレーニングの後でもあちこちで笑顔が見られた。

大卒1年目の渋谷も「景色が変わるし、天然芝でボールを蹴るのは気持ちが良い」と笑う。

午後の練習はパス&コントロールからフィジテクを挟み、攻撃方向のあるボール回しと4対4を行った。その狙いはチャレンジする守備の徹底とカバーリング。石﨑監督はトレーニングマッチを振り返り、「かわされた時のカバーの意識がまだまだ足りていない」と指摘。じっくりと守備の構築を図る。

その後はグループを2つに分け、DF陣はクロス対応の守備、他はコンビネーションからのシュート練習を行った。昨シーズン一番多かったクロスからの失点を減らすべく、身体の向き方から丁寧に手ほどきした。

まずは守備の考え方を浸透させる。前日のミーティングでは「20分の映像で1時間半ぐらい話していた」と石﨑監督は笑うが、それだけ細部にこだわって突き詰めていく方針だ。

午後練習は1時間30分で終了したが、その後もクロス対応とシュート練習を選手たちで確認しながら続けていた。

鹿児島でのトレーニングキャンプは2月6日まで行われる。31日にJFLミネベアミツミFCと行うトレーニングマッチを挟んでそのまま開幕週に入る予定のため日程的猶予は少ないが、強度を上げて鍛えていく。

このほか午前練習の前には歓迎セレモニーを実施。鹿児島県からは黒牛とカンパチ、鹿児島市からは黒牛とみかんジュース、鹿児島市議会からは黒豚が寄贈された。

トレーニングマッチを踏まえてキャンプ初日の手応えはどうか。石﨑監督と選手2人(松村、渋谷)のコメントをお届けする。


石﨑 信弘監督

――トレーニングマッチを改めて振り返っていかがですか?

「ボールに対して積極的にアプローチをかけていこう」というのはかなり出ていたと思います。

ただ、失点のシーンを見ているとかわされた時のカバーの意識がまだまだ足りていません。セットプレーも改善していかなければいけませんが、思った以上にやってくれていたとは思います。

――午後のトレーニングでもカバーリングや前向きな守備を意識されていましたか?

まずは行くところと、行った時のカバーの意識です。単純なワンツーで突破されることが多く、その対応の仕方があまりにも未熟です。

多分2対2をやっていなくて、チャレンジとカバー、そういう基本的なことができていない人が多いです。そこは改善していかなければいけません。

――トレーニングマッチでは守備の課題が多いという言葉もありましたが、キャンプでもしっかりと守備に向き合っていく形ですか?

簡単に改善できる部分とできない部分があります。

例えば今までのクロス対応は映像を見ているとゾーンでやっていたと思いますが、(人と人の)間でやられていて、クロスからの失点が一番多いです。ワシがいつも言うのは「まず人を見なさい」という話です。

クロスを上げさせないのが一番良いですが、この間の試合でもクロスを上げる時に間合いが広く、簡単に上げられていました。最後に身体を張ったシーンも1シーンしかなかったです。その1シーンはスライディングをした時に相手にプレッシャーがかかってゴールラインを割りました。やはり最後の最後で身体を張っていないから、簡単にクロスを上げられています。

その映像を昨日見せてから、まず上げさせないのと、上げられても良い対応。今日初めて「人を見なさい」というクロストレーニングをやりました。それを続けていこうと思います。

人への対応で、クロスボールが上がってくる時の身体の向きがものすごく悪いです。来たボールに対してバックペダルに対応しなければいけないシーンが多くて、そうするとジャンプができません。平行に見てしまうとバックペダルしか選択肢がなくなってしまいます。クロスボールに対してゴールを背に、良い身体の向きだとクロスステップで行けることを若い選手たちに教えています。

あとはどうしても前でやられるのが嫌だから、前にポジションを取ってしまいます。そうすると自分のマークを見なければいけないのと、クロスを上げられる時にボールを見なければいけないので一生懸命に首を振っています。

そうではなく、クロスを上げられる時はボールを見ておかなければいけない。その時に間接視野で自分のマークを見て、身体の向きを変えることを若い選手に教えていました。

――ゾーンではなくマンツーマンで人を捕まえに行く考え方で対応しますか?

ワシのチームはずっとそういうクロス対応です。

結局はマンツーマンで付いていくのではなく、「マークの受け渡しはあり」という話はしています。あとは「しっかりとコミュニケーションを取りなさい」と言っています。そうすると責任がはっきりします。

去年の失点シーンを全部見ましたが、(人と人の)間でやられていることが多かったです。トレーニングマッチでも間は空いていて、ボールがたまたま来ていなかっただけです。良いボールが来たら間に合わないのでやられます。

色々なクロス対応のやり方はあると思いますが、「ワシはこうだよ」というところです。

――フィードバックでは守備の対応が多かったですか?

守備の対応と、攻撃でも裏へのアクションが少ないのと、アクションを起こしていてもそこにボールが出ていないシーンが多かったです。

栃木Cはかなり背後を狙ってきていて、それに対して簡単にオフサイドトラップをかけています。そこは「オフサイドを取るのではなく、しっかりとついていきなさい」という話をしました。

――まだまだ守備の考えを浸透させるのは時間がかかる印象ですか?

かなりね。かなり。

オフサイドで守ろうとすればそれでいいかもしれませんが、「オフサイドで守るのではなくしっかりと対応しなさい」、「カバーの意識をしっかりとつけていこう」と話をしました。昨日20分のビデオを1時間半ぐらい話していて(笑)。どうしても最初だから細かいことも言っていかないといけません。そうしないと簡単に失点してしまいます。

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