
【キャンプレポート】いく、寄せる、ボールに、切り替えて ※一部無料
御殿場キャンプ2日目の30日、チームは時之栖スポーツセンター裾野グラウンドで午後3時から約2時間の練習に臨んだ。守備戦術の構築を重視する石﨑信弘監督は、この日も守備の原則や約束事などをグループで共有し、選手の意識に染み込ませれるためのトレーニングに多くの時間を割いた。そのスタイルは、J2・J3百年構想リーグから一貫して不変だが、多くの新戦力を迎えたこともあり、キーワードを強調しながらチームへの浸透を図っている。

この日は当初、午前と午後の2部練習が予定されていた。しかし、日本代表がブラジル代表と対戦するワールドカップ北中米大会の大一番が午前2時開始の日程となったため、キャンプの午前練習を取りやめた。


選手たちは宿舎でライブ観戦したり、早朝に録画放送を見たり。FW田中想来は「ここ(松本山雅)にもいた前田大然選手は、松本山雅のスピリットでもある泥くささや走り切ることを体現していた」と、ブラジル戦に先発出場したクラブOBの姿に刺激を受けた様子。石﨑監督は練習前の円陣で「日本は負けてしまったけれど、自分たちは頑張ろう」と呼びかけ、前日より蒸し暑くなったグラウンドに選手たちを送り出した。


練習の前半はフィジカルパート。箱型の器具を取り囲むように4人組みのグループとなり、器具に手や足を掛けながら腹筋や背筋などにじっくりと負荷をかけて体幹を鍛えた。



小刻みなステップを踏んでからのスプリントで体に刺激を加え、2人1組となって恒例の“フィジテク”も実施。



後半は狭いエリアの中で5対3や4対4の形で守備戦術を確かめ、最後はハーフコートを使った7対7にGKを加えた実戦形式のメニューで1日の練習を仕上げた。


印象的だったのは、どのメニューでも石﨑監督やコーチ陣が短い言葉で要求を繰り返し伝えていることだ。「ボールに」は保持者をフリーにさせない要求で、同じ意味で「いく」「寄せる」という言葉が飛び交う。



構えるのではなく、まずはボールに寄せる。考えるのではなく、無意識にプレスをかけられるようにする。
9人の新戦力はもちろん、百年構想リーグを通して戦い方を落とし込んできた既存選手にも改めてチームの原理原則を伝えることで、第1ボタンを一番上のボタンホールにかけようとしている。



石﨑監督が「ブラジルの2点目は攻守の切り替えから生まれた。ボールを取られた後に素早く切り替えるイメージで」と指示する場面も。選手の記憶が新鮮なシーンを挙げ、自分ごととして意識を高めさせようという狙いだろう。


守備戦術の浸透は進んでいるのか。選手2人(DF二ノ宮慈洋、MF村上陽斗)に受け止めを聞いた。

DF 二ノ宮 慈洋
――キャンプは2日目を迎えました。始動からここまでの感触はいかがですか?
2週間しか休みがなくて、(オフも)しっかりと動いていたので前のシーズンよりは体が動きます。疲労でいっぱいいっぱいではなくて、サッカーに打ち込めています。
――個人としてはどんなテーマを持って取り組んでいますか?
変わらずに守備の基礎だったり、球際、思い切り戦うというところです。ベースの部分で負けないようにやっています。イシさん(石﨑監督)のコンセプトもあるので、それをしっかり体現できるようにやっています。
――昨季は連戦中に先発のチャンスもありましたが、振り返っていかがですか?
イシさんとの初めてのシーズンで、試合に出て結果を残せたところもありました。自分が出てもイシさんのやり方ができるという自信にもなったので、よかったと思います。
ただ、そこで試合に出続けられなくて、まだ信頼されていないことも分かっています。だからこそ今シーズンは信頼されるように、守備の基礎からもう一回やっていきたいと思います。
――開幕まで1カ月間をどのように過ごしていきたいですか?
自分の中でもう一段階ベースを上げたいです。守備の基礎のところでミスをなくすくらい徹底して、レベルを上げられるようにしたいです。
今シーズンは昇降格があります。自分が活躍して(J2に)上げるという気持ちでやっています。


