【試合展望】明治安田生命J2リーグ 第1節 ロアッソ熊本戦 ※無料配信
Point.1/熊本 新指揮官でリスタート
昨季のロアッソ熊本は13勝14分15敗(勝点53)の13位でシーズンを終えた。前半戦は一時最下位に沈むなど低迷。被シュート数は496本(1試合平均11.8)とリーグ最多ながらも総失点数は45(同1.07)と中位にとどめ、後半戦にかけて巻き返した格好だ。
そして迎える今季は、2010年からヘッドコーチを務めてきた清川浩行氏が新監督に昇格。「2016Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ宮崎ラウンド」などで採用したシステムはボランチ2人を置く4—4—2で、前線からの積極的なプレスを志向する。ただ昨季12ゴールでチーム得点王だった齊藤和樹がJ1ジュビロ磐田に移籍したほか、育成型期限付移籍で途中加入していたシュミットダニエルが山雅に移ったことなどから、攻守両面で新たな軸となる選手の台頭が求められている。
Point.2/背番号10 清武に存在感
そんな中で新チームの中核を担うことになりそうなのは、J1サガン鳥栖からの期限付き加入ながら背番号10を託された清武功暉か。1歳上の兄・弘嗣(ドイツ・ハノーファー)は日本代表で、自身も途中加入した昨季にチーム2番目となる7ゴール(19試合)を記録。ロングスローも持つなどセットプレーでも存在感を発揮してきそうだ。このほか攻撃陣は元日本代表・巻誠一郎やプロ10年目の平繁龍一ら経験豊富な選手が所属している。
チームはこれまでにニューイヤーカップとトレーニングマッチで計9試合を消化。すでに一定水準の試合勘を備えているとみられる。13日にJ2横浜FCと対戦した際は45分3本で7—0と圧勝したほか、鹿島アントラーズやサンフレッチェ広島などJ1勢と対戦して経験を蓄積してきた。
Point.3/山雅 過去の対戦成績は上々
アウェーに乗り込む山雅は、熊本との通算戦績が4勝1分1敗。特にアウェー熊本戦に限れば3戦3勝と好成績を収めている。J2初年度の12年は地元出身・鐡戸の1ゴール1アシストなどで0—3と快勝し、参入後8試合目で初のアウェー白星。鐡戸は14年も70分に左クロスでサビアの決勝ヘッドをアシストしている。今季は1年でのJ1「復活」を期す山雅。大事な開幕戦を内容の伴った白星で飾り、勢いに乗りたいところだ。
編集長 大枝 令 (フリーライター)
1978年、東京都出身。早大卒後の2005年に長野日報社に入社し、08年からスポーツ専属担当。松本山雅FCの取材を09年から継続的に行ってきたほか、並行して県内アマチュアスポーツも幅広くカバーしてきた。15年6月に退職してフリーランスのスポーツライターに。以降は中信地方に拠点を置き、松本山雅FCを中心に取材活動を続けている。