【キャンプレポート】高強度のラントレーニング ツヨクナルために ※一部無料

第1次串本キャンプ第3日の17日、和歌山県串本町のサン・ナンタンランドで午前と午後の2部練習をした。午前のラストにはキャンプ2回目のラントレーニング。2日前よりも距離こそ短いものの、シビアな設定タイムとして追い込んだ。霜田監督は「走らないといけないときに走らない、走れないのは絶対に避けたい。そのための素走りであって、これはキャンプでしかできないこと」と話した。

午前中の最終セッション、選手たちは再びスパイクからランシューズに履き替えた。國保塁フィジカルコーチは「有酸素運動と無酸素運動が切り替わる、一番つらい(設定タイム)。しっかりハムストリングスで蹴らないと間に合わない」と選手たちに説明。250m×3本を2セットと総走行距離は控えめだが、40〜44秒とタイトな設定タイムとした。

風を切りながら、クレーの外周を走る。本数を重ねるごとに額に汗がにじみ、表情はゆがんでいく。インターバルの間に、選手たちは「ギリギリ心拍が落ちない…」「絶妙だな…」とぽつり。菊井は「見ている人が思うより100倍はキツい」と苦笑交じりにこぼしていた。

橋内らベテランのムードメーカーだけでなく、住田や樋口なども「さあ行こう」「走ろう」と声を出して鼓舞。最後まで走り切ると、その場に倒れ込んだまま動けない選手もいた。霜田監督は「松本山雅の選手たちはみんな走れる。止まっている、歩いている選手はいない。そうしていきたい」と話した。

このほか午前中はアタッキングサードの崩し、午後にはプレッシングの原理原則などをリマインド。大きく手法が変わったわけではなく、その分だけ習熟度は昨季の同時期より高い。崩しはよりワンタッチとパススピードを意識しながらハイテンポに。スピード感に慣れることや味方のスピードを殺さないことなどの指示が飛んだほか、スイッチとなるパスの共有も図られた。

プレッシングも出足鋭くはめ込んでいく。とりわけプレッシングの引き金となる相手側のプレーを共有し、一斉に距離を詰めていく。それでもかいくぐられたら、ユニットの距離感などに留意しながら奪取を図る。ボールの位置によって複数のモードを用意しながら失点減に取り組んでいく。

3日目でセットプレーも含め、ボール保持と非保持のほぼ全てのフェーズにおける復習をひとまず終えた。今後もピッチ内外を通じてコミュニケーションを深めながら連係をすり合わせ、精度と強度の向上などを図っていく。

霜田監督と選手2人のコメントは以下の通り(一部無料)。


霜田 正浩監督

――ボール保持/非保持の局面について、この3日間で一通りの要素は消化したイメージでしょうか?

駆け足ですけどね(笑)。やってみて何が起こるか、誰がどのくらいできるか。午前中にかなり走っているので、疲労困憊の中で頭だけは切らさせないようにしたいと思っていました。体力がついていけなくてできないのであれば、全然問題ありません。まだまだ頭の整理ができていない選手もいるので、「頭の復習」のようなところです。

――ボールトレーニングを通じて心拍数と走行距離を上げていきつつ、素走りも交えるようなイメージでしょうか?

複合的なトレーニングをするのがいまの世の中です。単なる素走りではなくて、その素走りの中に何を求めるか。「これをやりたいからこの素走りをやる」という裏付けがあって、フィジカルコーチが考えてくれています。「走らないといけないときに走らない、走れない」というのは絶対に避けたいと思っています。そのための素走りであって、これはキャンプでしかできないことです。

――運動量については、昨季と同水準で考えていますか?

松本山雅の選手たちはみんな走れる。止まっている、歩いている選手はいない。そうしていきたいです。とはいえ、もう少しメリハリをつけたいと思っています。いつ、どこに向かって、どのくらい走るのか。走ったほうがいいとき、走らないほうがいいとき。両方あります。とにかく走って頑張るのではなくて、サッカーIQも含めてのことです。ベテランはベテランなりの味もあるだろうし、声で周りを動かすこともあると思います。でも、いざ走るとなったときに走れないのは困ります。エンジンを大きくしておいて、アクセルをいつ、どのくらい踏むか。ゲーム展開だったり、選手のサッカーIQによっても変わってくると思います。

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