【キャンプレポート】攻撃の「仕上げ」を担う ストライカーの信条は ※一部無料
第2次鹿児島キャンプ第10日の9日、午前練習を鹿児島県立サッカー・ラグビー場で行った。この日も負荷は低めのメニューとし、セットプレーなどを確認。終了後には新加入FWの浅川が取材に応じ、これまでの手応えやストライカーとして大切にしていることなどを語った。
インテンシティは抑えながらも、身体はしっかりと起こしていく。短い距離のスプリントとターンを含めたフィジカルパートで刺激を与える。ボールトレーニングはただ動かすだけではなく、前方への配球を意識付け。プログレッション(前進)の原理原則を改めて強調した。
最後はセットプレーの攻守を確認。左右のCKとFKを入念に繰り返した。1時間余の全体練習が終わった後は、各自が自主トレーニング。コミュニケーションを取って細かなすり合わせをしたり、シュートの感触を確かめたり。コンディションを上げてきた浅川は左右から正確なシュートを放っていた。
浅川は3ゴール3アシスト。串本キャンプの最終日に待望の初ゴールを挙げて以降、鹿児島での3試合はいずれも得点に絡んでいる。相手DFの視界から消えてワンタッチで仕留める一連の動きが洗練されており、公式戦でもゴール量産の期待がかかる。開幕に向けて牙を研ぐ浅川と、ハイレベルなポジション争いに身を投じる住田に話を聞いた。
FW 浅川 隼人
――トレーニングマッチで結果を残し続けています。手応えはいかがですか?
チームメイトの助けもありますけど、自分のコンディションを含めて良い仕上がりになっています。ただチーム全体で言うと、点を取った後や終わり間際に失点してしまうところもあるので、まだまだやらないといけないことはたくさんあります。開幕までまだ時間があるので、公式戦の90分でのプランも含めてどうゲームをコントロールしていくか、チームとして共通理解を持てると良いと思います。
――霜田監督のスタイルの中で、フィニッシャーとしてピタリとハマっているイメージがあります。
去年お話をいただいて「行けそうだ」とすごく感じていました。実際に松本に来てから選手の特徴だったりチームスタイルを改めて落とし込んだときに「点を取れるんじゃないか、ゴール前にこれだけいられるんじゃないか」というところが見えてきました。和歌山キャンプの最後に点を取れて、ある程度の感覚をつかめたところで鹿児島に来ました。その中で格上相手だとしても点を取れることだったり、連係が取れるところは2次キャンプで手応えを感じています。開幕に向けて良い準備ができています。
チームの土台に僕の特徴がハマっていると思います。だからこそ点を取れると思うし、前回は2アシストしたように、アシストでも生きるようにしたいし、今年は結果で示せる一年にできると思っています。
――もともとワンタッチゴールを得意としていますが、抜け出しや合わせのクオリティが高く見えます。
サッカーは「オフサイド」はありますけど「フライング」がないスポーツなので、いかに予測して動くかが重要です。常にゴールから逆算して、ワンタッチという最短距離でゴールが取れるポイントを意識しながらプレーしています。すごく速い選手ではなくても、抜け出したり、誰よりも速くボールに触ったり。そこは常日頃の逆算、意識づけを今までやってきたからこそだと思います。
前回の練習試合の(滝が決めた)1点目は自分で点を取ることも可能でしたが、最後は横パスを選択しました。後ろにキク(菊井)がいることも前から把握していましたし、奥に出してくれるアイコンタクトをして出してくれました。DFの目線がボールを追っている間に、僕はもう裏に抜け出していました。
――残りのキャンプはどんなテーマを持って臨みたいですか?
まずはケガをしないことが第一優先です。その中でフィニッシャーとしてもそうだし、ゴールに関わるところが求められています。そこをやっていきながら、チームとしてやらなければいけない守備だったり、起点になることだったり。もう少しクオリティを高くやっていければ、開幕からスタメンで使ってもらえるようなアピールができると思います。まだ松本の皆さんには結果で示せていないので、公式戦で点を取って、ピッチ内外で松本の方々に認められるような選手にならないといけません。開幕戦でゴールを取れるように準備していきたいです。