【イベントレポート】新加入選手発表記者会見@ザ・ブライトガーデン ※無料配信
取材日:2020年1月11日
2020年シーズンの新加入選手記者会見が11日、松本市のザ・ブライトガーデンで開かれた。発表済みの新戦力9人が一堂に会し、抽選で選ばれたサポーター180人と報道陣の前で決意などを表明。それに先立ち、新たに就任したコーチ陣3人の紹介やあいさつなども行われた。
現時点では29人の体制。平均年齢は26.03歳で、昨季の26.38歳から若返った。背番号も併せて発表され、在籍4年目となるセルジーニョが10番。11番が阪野、8番に杉本、7番にはイズマ、14番が中美となった。このほかキャンプから新たなブラジル人MF2人が合流する予定という。
会見では一人ひとりが挨拶をし、その後報道陣やサポーターからの質疑に答えた。GK圍謙太朗は「強い覚悟を持って入団したので、絶対にチームも個人も成長しながら優勝して昇格して、J1でも定着できるように毎日を全力で頑張っていきたい」と力を込めた。
センターバックは3人が加入。乾大知は「しっかりリーダーシップを取れるように頑張る」と話し、「松本は守備が堅いというイメージが強い。そこに自分が入ったということはもっとしっかりしないといけない」。森下怜哉は「僕自身は去年苦しいシーズンを送った。(今年は)山雅をJ1に上げられるよう精いっぱい頑張る」と決意を述べ、昨季も特別指定選手としてチームに加わっていた三ッ田啓希は「(昨年は)ポジショニングが自分の中ですごく課題で、そこを水本選手や橋内選手や飯田選手に話を聞いた。その経験を生かしていきたい」と語った。
右サイドには鈴木雄斗と吉田将也の2人。さまざまなポジションをこなす鈴木は「特に苦手としているプレーはない。新しい監督のもとでどういうサッカーになるかをしっかり学んでそれを自分の特徴と噛み合わせていければいいと思う」と話した。昨季、布監督率いる群馬でJ2昇格に貢献した吉田は「布さんがやりたいサッカーは自分が一番よく把握している。自分の若さやプレースタイル、生き生きとしたプレーで今までにない松本山雅の右サイドバック像を自分がつくっていくくらいの気持ちで挑戦したい」と決意をにじませた。
FW登録では唯一の新加入となるのが髙木彰人。年代別日本代表の常連でもある22歳は「しっかり結果を出してJ1に復帰できるよう頑張っていきたい。自分としては2桁得点を目指したいし、それ以外でもFWとしてしっかり点を取ることを一番に考えるが、点に繋がるプレーなども含めてチームの得点源になっていきたい」と意気盛んだった。
高卒ルーキーの2人も野心をのぞかせる。ボランチの山田真夏斗は「1年でJ1に復帰して、ずっとJ1にいられるようなチームにしたい。両足から精度のあるパスが持ち味で、自分のようなタイプは(山雅に)いないので変化を与えられると思う」。ドリブルを武器とする村越凱光は「新卒と思わせない圧倒的なプレーでJ1復帰に向けて頑張っていきたい。J2のことは全然知らないが、どこと戦っても『全部倒すぞ』という気持ちで頑張っていく」と覇気をみなぎらせた。
先立って行われた新任コーチの会見では村主博正、羽田憲司の両コーチと涌井秀人テクニカルコーチが列席。岐阜と町田で8年間ヘッドコーチなどを務めてきた村主氏は「(J2は)優勝できる可能性があるチーム10以上あり、その中で勝ち残っていかなければいけない。何か新しく特効薬があるわけではない。最後まで走り切ることとか、日々積み上げてきた小さなものが勝敗を左右する」と見通した。
鹿島から来た羽田コーチは市立船橋高で布監督に師事。恩師の求めを受けたことについて「非常に光栄。Jリーグで布さんが監督でOBがコーチということはおそらくなかった。いろんな意味で責任があるし、精いっぱいサポートしていきたい。(自らの)持ち味はパワー。日々の練習から声を出して盛り上げて、あとはセンターバック陣をしっかり鍛えたい」と話した。
涌井テクニカルコーチは主に分析を担当する役割。「26歳と若いのでエネルギッシュにチームを支えたい。布監督を含めスタッフがいる中でも手が回らないところを意識しつつ、選手とも年齢が近いのでサポートできれば」と抱負を語った。
布監督率いるチームは12日に初練習。13日には新体制発表会をまつもと市民芸術館で行い、15日からキャンプに突入する。山雅プレミアムでは例年通りキャンプに完全密着し、新たに生まれ変わったチームの現状や新戦力の特徴などを詳しく伝えていく。
編集長 大枝 令 (フリーライター)
1978年、東京都出身。早大卒後の2005年に長野日報社に入社し、08年からスポーツ専属担当。松本山雅FCの取材を09年から継続的に行ってきたほか、並行して県内アマチュアスポーツも幅広くカバーしてきた。15年6月に退職してフリーランスのスポーツライターに。以降は中信地方に拠点を置き、松本山雅FCを中心に取材活動を続けている。