【試合後コメント】名波 浩監督 第20節 鹿児島戦 ※無料配信

――まずは試合の総括をお願いします。

2試合連続で首位に立つチャンスがあったのを我々は逃してしまい、その間にコロナ陽性者が多数出て、主力が移籍する。激震の3週間だったので、払拭するには勝利こそが良薬だという話をして選手を送り出しました。4バックでスタートしましたが、ピン留めされるであろう両ワイドを抑えること。それからダイナミックに湧き出す両サイドバックに対してサイドハーフが自分の見えるところからしっかりとついてこようという中で、1点目のセットプレー崩れ、それから2点目のポストプレーの強さ。早々に2失点してしまって、ゲームプランが崩れました。

3バックになって攻撃の時はバックが上がっていけるので、十分チャンスはあると思っていた中で、(前半)終了間際に1点返したことがチームに前体重というアドバンテージを生み出したと思います。山雅に来てから何度もケガをしていたルカオが2年ぶりくらいにゴールを決めてくれて、チームの上昇気流という意味では相手を上回らないといけない残り時間だったと思います。

ただ乗り切れなかったという意味では、ミドルシュート以外でチャンスらしいチャンスが生まれなかったこと。それから相手が出にくくなって、攻撃のパワーがそこまで怖くなかったので、3バックやウイングバックがもう少し高い位置を取りたかったですが、リスク管理や暑さを含めて単発というか淡白というか。打てるタイミングや回数が少なく、最終的には個の力で決勝点を奪われてしまったという展開だったと思います。

3ポイントを与えないことが大事だったので、2-2も考えましたが、やられてしまったことは仕方ないですし、このアウェイ3連戦はもともと難しいゲームというのは選手たちに伝えていました。次のアウェイ北九州戦は温度も湿度も鹿児島と大して変わらないような環境でやらないといけません。勝って自分たちに良いパワーを持てるように、来週以降もやっていきたいと思います。

――失点シーンはボールホルダーに対するアプローチが緩かった印象があります。そこに対する評価はいかがですか?

ワンアクションを起こされた後のアプローチだったら難しいところはあったと思いますが、1対1ではがされるシーンとか、クロッサーやサイドをドリブルで突破する選手に対してであれば、まずは予測がなかったこと。それと相手に主導権を握られてしまったという体で対応してしまったのが誤算というか、不必要な対応だったと思います。

――同点に追いついた後のゲームプランはどう考えていましたか?

相手の怖さがだいぶ薄れてきていて、特に中原(秀人)と木村(祐志)のダブルボランチがさばく前パスへのケアと、ロメロフランクの動き出しに対しては注意しておくように伝えました。82、3分まで怖いシーンはありましたが、十分に自分たちが間に合っているシーンもあったり、シュートを打たれてもコースを限定しているシーンがあったと思います。そこの時間帯での反省としては、攻撃のパワーを持たないといけなかったこと。3-2にひっくり返すようなゲームではなかったですが、ひっくり返すようなメンタリティが欲しかったと思います。

――今季初の3試合勝ちなしですが、もう一度上向いていくために必要なことは?

3試合続けて先に点を取れていないというのは非常に大きなポイントだと思います。やはり先制するということと、ここ2試合取れていなかった複数得点が取れたというのをポジティブに捉えること。去年をフラッシュバックしてしまうような失点シーンもあったので、もう一回球際の部分とコース限定の部分と、暑い中でのコミュニケーションの部分を自問自答しながら変えてくれればいいと思います。

――山田選手が久々に出場しました。彼への期待と評価はいかがでしたか?

システム変更も含めて、全て交代は攻撃的に送り出しました。(山田)真夏斗が前選択を持ってやってくれることと、キワのところでターンして縦パスを入れてくれることを期待して、本人にも伝えながら送り出しました。ボックス脇で2回くらいボールを受けた時に、自分で前を向いて仕掛けたり、違うアイデアを持ったりしてポケットを取りに行ってほしかったというのはありますが、それ以外の攻撃のところは悪くなかったと思います。ボールへのアプローチのところでは、もっと連続的に行かないといけないですし、スピードを上げて相手に圧力をかけないといけないシーンは何度かありました。

――次に生かせる部分は何かありましたか?

システムを変えた後の相手の対応を見たら、後手に回っていた感があったと思いますが、裏腹にシーズンダブルを食らったという意味では反省しないといけないと思います。この環境の中でのこのゲームという難しさは選手たちは十分に感じてくれていましたし、サポーターが声出し応援ができて300人くらいが背中を押してくれた中で、3ポイントをしっかりと持って帰ってもらうことができませんでした。次節までこの課題を宿題として鍛えられると思います。

――ルカオ選手に対する評価はいかがですか?

立ち上がりはボールが収まらないですし、空間認知も悪かったですし、守備も足を出すタイングやスピードの迫力がかけていたと思います。1回左サイドで収まって、右サイドでも収まってというところで、少し落ち着き出した時だったと思うので、そこからポストなり突破なり、歩夢が1点を返したシーンもそうでしたが、彼の良さが出るシーンが何回かありました。後半も行けると思って継続的に使いましたが、良いゴールを決めてくれたと思います。