【キャンプレポート】FCソウルに3-4 「ミス」にどう向き合うか ※一部無料
第2次鹿児島キャンプ第9日は16日、韓国Kリーグ1部・FCソウルとのトレーニングマッチを鹿児島県立鴨池補助競技場で行った。45分×2本と35分×2本で0-2、1-1、0-0、2-1の合計3-4。ルーカスヒアンが2試合連続ゴールを奪ったほか、新井と村越にも得点が生まれた。ただ、依然として失点を喫しているのも事実。ミスとの向き合い方がカギになりそうだ。
今回は前線からプレスに来る相手。しかも、新旧の韓国代表も所属する強豪チームだ。ピッチをワイドに使ってボールを動かし、ゴールに迫ってくる。そうした相手に対し、勇気を持ってボールを前進させられるか。あるいは前線から獰猛にプレスをかけられるか。勝利を目指すなかで、それらが大きなファクターだと目された。
1本目。立ち上がりは理想的だった。高い位置でルーカスヒアンが引っ掛けて奪い、渡邉を経由して最後は菊井がシュート。さらにボランチとセンターバックを起点としてビルドアップし、下川から裏に流し込んで渡邉がシュートを放つ。しかしGKに防がれるなどし、先制点を奪えない。
すると12分に失点。中央からの縦パスが通らず相手に渡り、そこから自陣右サイドを経由してゴールを割られた。20分にも横幅を広く使った攻撃を受けて0-2とされる。前線からのプレスを改めて確認した2本目、序盤は自分たちの時間帯。渡邉、滝らがシュートまで持ち込んでいく。
しかし追い上げる1点を奪えずにいると、11分に失点。大きくサイドチェンジされてから中央への侵入を許し、3点目を失う。13分、滝が裏に流し込んで菊井が折り返し、最後はルーカスヒアンが左足で決めて1点を返す。途中からメンバーを大きく入れ替え。狙い通りの形でチャンスを作るなどしたが、ゴールは奪えずに終了した。
失点はやはり、チャレンジの代償として発生したミスが絡む。霜田監督は「ミスはカバーすればミスにならない」という主旨で前向きなトライを止めない。以前から発言しているように、求められるのは「トライアンドカバー」の精神。リスクに怯んでセーフティなプレーを選択し続けることは、このチームにおいて推奨されていない。
実際に失点には至らず、カバーに成功したシーンも少なくはない。ロスト後にすぐ切り替え、素早く奪い返したり相手の自由を奪ってプレーの精度を落とさせたり。その回数を増やして「ミスをしても大丈夫」という信頼関係を定着させることもポイントかもしれない。そこにはやはり、ベースとなる「一体感」が欠かせない。
3本目以降も、構図は基本的に変わらず。流れの中から2ゴールが生まれた。4本目の21分、中央からサイドに展開して藤谷がクロス。質の高いボールに対し、飛び込んだ新井が足先で合わせてネットを揺らした。31分には村越。高い位置で素早く奪回に成功し、そこから時間をかけず決めた。
おおむねコンパクトさは保ち、なおかつカウンターでの失点もなかった。ゴールは一定の狙いを具現化した形で、実力のある相手からも奪えた。ただ、相手より多く取って勝つには、チャンスの数を増やして決定率も上げる必要はある。ミスをミスでなくすためのカバーもさらに意識を高めたいし、ミスが技術由来なら磨くしかない。取り組みは続く。
霜田監督と選手3人のコメントを紹介する。