【試合後コメント】霜田 正浩監督 第9節 FC大阪戦 ※無料配信

――まずは試合の総括をお願いします。

1万人を超えるサポーターの力が、きょうの我々のゴールをしっかり守ってくれたと思います。サポーターを背にして戦っている選手たちも、後ろでのサポーターの応援をしっかりと力に変えてくれたと思いますし、最後の最後まで集中を切らさず、身体を張り、気持ちのこもった守備を見せてくれたので、この1-0の勝ちはとても大きいと思っています。内容的には全然納得も満足のできる試合ではありませんでした。風下、風上といろいろな風の影響を受けたりして、なかなか自分たちのサッカーはできませんでしたが、それでもいまの我々はこうやってホームで勝つ、勝ち点3を取るということが本当に大事です。次の天皇杯予選も含めて、ホームではこういう気持ちのこもったゲームをやっていきたいと思います。

――きょうは終始、相手の土俵に立ってプレーせざるを得ない試合でもあったと思います。相手のやり方を踏まえた上でのプランニングや、試合が始まってからの進め方はいかがでしたか?

こういう戦い方になると思っていましたが、風だけが想定外でした。グラウンドもいいのでもっとボールを繋ぎたかったですが、予想以上に彼ら(FC大阪)が裏に蹴ってきて、こぼれ球を拾ってきました。こぼれ球をしっかり競っていますが、相手に取られることがきょうは多かったので、そういう意味では少し受けて立ってしまったところがあります。しっかり跳ね返してカウンターで点を取ろうという中で、前半は(失点)ゼロで抑えてくれました。そういう意味では1点を取って、2点目を取るチャンスもあったので、できれば2-0にしたかったですが、きょうは途中から出た選手たちが気持ちのこもったプレーを見せてくれました。18人、あるいはチーム全員、あるいはきょうのサポーターも含めた山雅のファミリーでの勝利だと思っています。

――最後のカードでは喜山選手、橋内選手を入れました。ゲームコントロールや引き締めを図る狙いもあったかと思いますが、意図を聞かせてください。

もちろん2点目を取りにいく、カウンターの矢を残しておくという意味で、専守防衛になるつもりは全くありませんでした。それでも橋内を入れるとチーム全体にスイッチが入って、「絶対にやられないぞ」という雰囲気が出ますし、それは練習試合でもやっていました。ハシ(橋内)が入ったときには、これがメッセージだという話を選手にしてあったので、きょうは何がなんでも点を取られたくない。2点目を取るよりも点を取られたくないという気持ちをハシと(喜山)康平に込めました。

――内容面ではハイプレスに苦しんで、ビルドアップでなかなかゴール前まで進めませんでした。本来であればしっかりと立ち位置を取りながらはがしていきたかったところだと思いますが、そのあたりはいかがですか?

綺麗なビルドアップをすることが目的ではなくて、勝つことが目的です。相手が我々のダブルボランチに6枚でプレッシャーをかけてきて、なかなかフリーの菊井を見つけられませんでした。後半は少し修正をして、相手も間延びしてくる、プレスも少し弱まってくる中で、そのときにしっかりと繋げればいいと思っていました。なかなか自分たちのペースで時間を進めることができなかったんですが、それならそれでプレッシングからカウンターとか、ショートカウンター、ロングカウンターで点が取れればいいと思っていました。

きょうは相手のカウンターをケアする、カウンターを食らわないというのが一つのテーマでしたが、逆に我々がカウンターで点が取れました。菊井の個人の力ではありますが、こういうときにしっかりと点を取ってくれるのは10番(タイプ)だなと思っています。その1点をみんなで守り抜く。それもべったり引くだけではなくて、2点目も取りに行きながらゴールを守ることができたのでよかったです。

――負傷明けの安東選手を先発起用しましたが、彼がピッチに戻ってきた意義と期待を聞かせてください。

身体のコンディションが戻ってきた後にどのタイミングでいこうかと考えていました。チームが連敗をしている、ホームでどうしても勝ちたいという中で、きょうが彼にとってもチームにとっても絶好の復帰試合になるタイミングだと思っていたので、躊躇なく頭からいきました。十分に彼らしさを出してくれたと思いますし、60分頑張って走ってくれたので、予定通りの交代です。

――GKにビクトル選手を起用した狙いと評価はいかがですか?

ビクトルも村山もストロングポイントが違うので、きょうはどちらかと言うと縦に蹴られる、こぼれ球を拾われる、クロスをどんどん入れられる。そうすると高さとかシュートストップとか、そういうところにストロングポイントがあるのがいいだろうということで、ビクトルにしました。彼でなければ止められないようなシュートストップもありましたし、彼の高さは野々村、常田の安心感にもつながっています。本当によくやってくれたと思います。

――タイムアップの笛が鳴った際に大きなアクションがありました。久々にホームで勝てたことについてはいかがですか?

試合前からこのサポーターを見ていると、少しエモーショナルになるところがあって、どうしてもこのサポーターを喜ばせたいという気持ちがありました。あとは私が見ていて感動するくらい選手たちが戦ってくれたので、勝手にああいうアクションになりました。

――富山戦から中3日と限られた中で、チームに対してどんな修正をかけましたか?

きょう(國保塁)フィジカルコーチがみんなに言いました。「我々はしっかりとフィジカルコンディションを準備できているので、中3日でも絶対に走れる」と。その通りだと思います。3日あれば回復できるし、準備もできるし、これが当たり前で戦えるようにならないといけないと思っています。

――ご自身は「ホームで勝たないとシーズンが始まらない」と話していました。改めてシーズンインの宣言をお願いできますか?

やっと開幕です。ここから本当に我々の2023年がスタートすると思っています。やはりここでは負けたくないし、ここでは勝ち点を取りたいし、ここでは勝ってこれだけのサポーターを喜ばせたい。一番最後に一番上にいたいと思いますが、勝ったり負けたりしながら、チームがしっかり右肩上がりで成長すること。それから選手たちが本当にうまくなること。それとチームの結果を求めていきたいと思います。

――天皇杯県予選も含めて次から信州ダービー2連戦が始まりますが、意気込みを聞かせてください。

向こうも勝っているので、そういう意味では勝った者同士、お互いのプライドを懸けて戦うダービーです。私もいろんなところでいろんなダービーをやってきましたが、天皇杯予選とかJリーグとか関係なく、対長野のバトルだと思っています。向こうもそうやって思ってくると思うので、白熱した試合になると思います。

――試合後にサポーターがダービーのチャントを歌っていましたが、ダービーのどんな部分を楽しみにしていますか?

一つのサッカーの文化だと思います。ただ地名が違う者同士が戦う1試合ではなくて、歴史もあるし、去年の悔しさもあるし、いろんな意味でただの結果以上の試合になると思います。長野だけには負けられません。