【試合後コメント】霜田 正浩監督 第15節 岩手戦 ※無料配信

――まずは試合の総括をお願いします。

とても大勢のサポーターに来ていただいたので、すごく力になりましたし、すごく勇気をもらいましたし、選手たちも頑張って戦ってくれたと思います。ただこうやって先に点を取られて、時間を稼がれて、時間との勝負でだんだん焦ってくる。こうやって相手のゴールをこじ開けられないという試合は、年間に1〜2試合はあると思います。ただそれでも、きょうみたいな試合が一番悔しいです。

もっと僕らはボールを動かして、しっかりとはがして、きょうはクロスがほとんど味方に繋がりませんでしたが、そこから点を取るとか、相手の裏を取るとか、そういうことをずっと準備してやってきました。それができる試合が多かったので、点を取れてきましたが、きょうはそういう意味では自分たちのクオリティが足りなかった。相手の守備をこじ開けるだけのクオリティが足りなかったと思います。

本当に強いチームはこういう試合をひっくり返せるので、本当に強いチームになりたいと思っています。また練習するしかないと思っているので、練習をして、一人ひとりがもっともっとうまくなって、チームの仕組み+個人の力で相手のゴールをこじ開けられる。例えばそれで引かれたとしても、守られたとしても、蹴られたとしても、それでもしっかりと点を取って、勝ち点を取れるようなチームにしていきたいと思っています。

――前半は攻撃そのものが少なかった印象があります。そもそものチームの狙いと、何ができていなかったのを教えてください。

予想通り相手は前からプレッシャーをかけるのではなくて、ディフェンスラインと中盤のラインをコンパクトにして、8枚でブロックを作ってきました。うちの最終ラインはボールを回せますけれど、その8枚の間がなかなか開かない。そこが開かなければ横から裏を取るということをずっと言ってきましたが、なかなか縦に入らなかった。サイドは変えますが、相手の8枚のブロックの中に入れなかった。あるいは相手を後ろ向きに走らせられなかった。

そういう揺さぶりができてこそ、ブロックがだんだん開いてきて中に刺すタイミングが出てくるんですが、狭いところを最初から狙いにいってしまったので、それをするにはクオリティが足りませんでした。もっともっと揺さぶって動かして、相手の8枚のブロックを広げて、ロングボールもうまく使いながら相手を下げさせる。45分の中でそれができるようになるまでに、やはり30分以上かかってしまう。そういうことはまだまだ僕らが学ばなければいけない、成長しなければいけないところだと思っています。

――後半はボールを持たされる形になりましたが、相手のブロックの外側でボールを回していました。もっと勇気を持って縦に刺したかったところでしょうか?

やりながら選手たちも十分感じていたと思います。どこが空いてくるか、どこにスペースがあるのか、誰からのクロスが一番有効なのか。ただ、せっかくクロスを上げられるようなチャンスになっても、そのクロスが手前で引っかかってしまうというところが、非常にもったいなかったと思います。それが味方の頭に繋がっていれば、渡邉千真も小松蓮も鈴木国友も榎本樹も、十分それを決めきるだけの力があると思っていますが、なかなかクロスが味方にしっかり届けられなかった。上げるほうだけの問題ではないですが、引かれた相手を崩す一番有効なサイドアタックがきょうはなかなか機能しなかったというところが、非常に悔しいです。僕らがいつもできていたことが、きょうはできなかった。また練習して、次の試合ではそれができるようになりたいなと思っています。

――失点シーンにつながる右サイドのプレーも含めて、足を取られる場面が多かったように思います。そこへの見立てと、失点に対する見立てはどうだったでしょうか?

失い方がまず悪かったです。前の人間も(榎本)樹も間に合わなくて、数的優位を作られてしまいました。確かに足を取られるシーンはうちの選手の方が多かったので、それはウォーミングアップだけでしっかり順応できたかどうかということを考えると、試合の中で足を滑らせて倒れて、相手にボールが転がってしまう。それでもマイボールになれば全然問題ないですが、いろんな意味できょうは岩手さんの方に転がってしまったなと思います。

――1点取られても取り返せるという成功体験をこれまでの試合では得てきました。きょうに関してはそれもうまく作用せずに時間が過ぎてしまったように感じます。その要因はどう考えていますか?

特に後半は岩手さんが専守防衛に割り切ってやってきました。それはそれで彼らの戦術なので、僕らはそれを上回なければいけない状況になってしまいました。彼らのその割り切りを僕らの技術が生まれなかった。それだけです。

――先発起用した榎本選手の評価と、ハーフタイムの3枚替えの意図を聞かせてください。

榎本に関してはだいぶコンディションが上がってきていて、先日の練習試合でもとてもいい動きをしていました。彼の高さも運動量も、こういうロースコアのゲームになりそうな、拮抗したゲームになりそうなときには、彼がセットプレーで点を決めるとか、そういうところをすごく期待をして送り込みました。

後半に3枚替えをしたのは、状況的に先に動かないと、ずっと守っている相手にどう僕らが崩すかという45分になりそうだと思ったからです。先に動いて、先に仕掛けて、先にシステムを変えて、メンバーを入れる。いろんな形で流れをこちらに引き戻したくて、ハーフコートゲームにはできましたが、なかなかシュートまでいかなかった。それがきょう点を取れなかった一つの原因かなと思っています。僕らはまだまだそういう意味では、いろんなクオリティを上げていかないといけないと思っています。