【試合後コメント】霜田 正浩監督 第24節 今治戦 ※無料配信

――まずは試合の総括をお願いします。

今治からもサポーターが来てくれて、いい雰囲気の中でサッカーができる喜びと幸せをかみしめていましたが、最後逆転できず非常に悔しい思いです。「勝点1でOK、いいゲームができた」。もうそういうのは僕はいらなくて、これをひっくり返せる強い選手、強いチーム、強い監督になりたいと思っています。以上です。

――山雅にも相手にもチャンスがある展開でした。狙い通りできた部分と、相手が上回っていた部分についてはどうご覧になりましたか?

冷静に見ると、向こうのチャンスはこちらのパスミス。失い方が悪くて、それを拾われて…という感じでした。けれども僕らのチャンスはちゃんと自分たちで崩して作ったチャンスなので、自分たちのやりたいことがちゃんとできていたと思います。もちろんサッカーですから入るときも入らないときもあるし、ポストに救われるときもあります。ポストにシュートを打たれたらもうそれで何か守備が崩壊しているとは全く思っていないし、前線からのプレスも効いてましたし相手のFWに対するリスク管理もちゃんとできていました。ほぼ自分たちの狙いとした試合はちゃんとできていたと思っています。

――村越選手が復帰しました。このピッチで退場して、その後にケガをして間が空きましたけれども戻ってきました。決して彼らしい得点ではなかったかもしれませんけど、ゴール前に詰めた結果を出したということについての受け止めはいかがでしょうか?

理屈では割り切れないプレーがサッカーの魅力だと思ってます。(村越)凱光も万全ではないですけれども、戻ってきて試合に出たい、点を取りたい、チームの勝利に貢献したい。そういう気持ちがあのゴールに乗り移ったと思います。やっぱり「最後は気持ち」と簡単には言いたくないんですけれども、やっぱり点を取るところにいる。そこにボールが転がってくる。その理屈ではないところが、どうしても点を取りたいチームに貢献したいという気持ちの強さでボールを引き寄せるものだと思っています。なので、シュートを決められなかった選手たちはもう一度、「どうしても自分が決めたい」という気持ちを込めてシュートを打ってほしいなと思います。

――相手は初めてマルクスヴィニシウス選手がベンチスタートになりました。その相手を想定した対応のトレーニングもかなり入念にやっていたと思いますが、阪野(豊史)選手と千葉(寛汰)選手の2トップに対しても起点を作らせずに対応していました。阪野選手に点を取られてはしまいましたが、想定とは異なった場合の対応力についてはどう評価しますか?

「先発で来る」と思っていた選手が途中からだということは、やっぱり後半勝負をかけてくるんだというのがすぐにわかります。機動力のある2トップが前からプレッシャーをかけることで前半は0-0でOK、後半にヴィニシウス選手を入れて勝負に来る。それはもう、メンバー表を見た時点ですぐにわかります。その時点で僕らは前半0-0であれば、途中から入る選手たちの機動力や18人の総合力では絶対に負けていないと思ったので、途中から入ってくるヴィニシウス選手に関しては最初から出てきたとしても途中から出てきたとしても同じ対応をしようと。もちろん阪野選手も千葉選手もとてもいい選手なので、ヴィニシウス選手がいないからといって少しでも油断をするとやられてしまうと思っていました。そういう意味では誰が出ようが、どんな準備もちゃんとしてきたつもりなので、そういう意味ではシュートを決められたことだけがが心残りです。

――選手交代についてうかがいます。61分のタイミングで左右のサイドアタッカーを交代しました。鈴木選手にしても野澤選手にしても、まだ足が止まる時間帯ではなかったように感じましたが、狙いはどこにありましたか?

まだ彼らも全然できたと思います。疲れ切ってから替える交代と、まだ余力があるけれども新しい若くて元気な選手が入るメリットと、どちらを選択するか。時間との勝負、得点差の中で後者を選びました。滝裕太も(村越)凱光もずっとずっと先発で出ていた選手ですが、そういう選手が今はサブに回っているという部分で、チームの層も厚くなってきたと思います。あのポジションは本当に攻守にわたってハードワークを求めているので、守備面での貢献が攻撃のちょっとしたクオリティの足りない部分に影響しているのではないか――ということもあり、フレッシュな選手を入れました。

――この勝点1についての受け止めを聞かせてください。

僕らは「残り試合は全部負けない、勝点を全部取り続ける」と言っています。そうしないと当初の目標に届かないと思っているので、もちろん勝点3が最高でしたしその可能性もあったゲームだったので非常に悔しいです。けれど内容自体は下を向く内容ではないし、多くのチャンスを作り、システムを変えても機能することがわかり、誰を出しても僕らのやりたいサッカーがちゃんとやれた。まだまだちょっとした部分で点を取られてしまったり点を取れなかったりということもありますけれども、確実に僕らは強くなっていると思っているので、この勝点1をポジティブに考えて、次また勝点3を取りにいきたいと思っています。