【試合後コメント】霜田 正浩監督 第36節 YS横浜戦 ※無料配信

――まずは試合の総括をお願いします。

サポーターの皆さんもアウェイのサポーターの皆さんもメディアの皆さんも、寒い中応援してもらって本当に感謝しています。それに対して結果で応えるのが僕らの仕事なので、応えられなかったのは全て僕らに力がないということです。

こういう大事な試合を勝ち切れない。今年はそういう試合がたくさんありました。こういう時にやっぱり「良い試合」ではなく「勝つ試合」をやらなければいけないと思います。強いクラブ、強いチームを作るというのは簡単ではないというのは僕は分かっていますが、それでもうちの選手たちは本来、こんなチームではないと思っています。先のことは分かりませんが、残りの2試合は「松本山雅のサッカー選手である」というプライドに懸けて、残りの2試合、結果を出しにいきたいと思っています。

――勝ち負けはもちろん前提ですが、自分たちがやろうとしたことをどれだけやろうとして、それを出せたかどうかというのは毎試合大きなウエートを占めると思います。そういう意味では今日の90分間はそれが薄かった印象がありますが、どのように振り返りますか?

「YS(横浜)さんが頑張った」というより、僕らが今まで積み上げてきた自分たちのサッカーがなぜできなかったのか。その理由は分かりませんが、できなかったというのが正直なところです。それは選手が試合をしながら感じていたかもしれないし、何か一つの原因でそうなってしまったとは思っていないので、準備なのかメンタルなのか。今日のゲームに気持ちが入っていない選手は誰もいなかったと思いますが、それでも僕たちが今まで積み上げてきたこと、ボールをちゃんと動かしていく、前からプレッシャーをかけていく、そういうサッカーがなかなか現実的にできなかったと思います。

――終盤にかけてそういう積み重ねが出せず、勝利が転がってこなかったゲームが続きました。1年をトータルで見たときに今は収穫を刈り取る時期でもあると思うんですけど、今季スタート時点から委ねられたチーム作りと残り少なくなった現状を整理しての思いはいかがですか?

まだ2試合残っているのであまり総括はしたくないので、今日のゲームだけに関して言わせていただければ、今までずっとやってきたこと、今まで僕らがボールを動かしながら得点やチャンスを量産してきたことが、こないだのゲームも今日のゲームもなかなかできなかったと思っています。それが相手の守り方なのか自分たちの力なのかは色々な原因がありますけど、こういう大事な試合の最後の最後で、良い試合ができなくても最後で勝てばOKなんですけど、勝点も内容も手に入れられなかったことがとても悔しいです。

――YS横浜はプレスの強度があって、そこで後手に回ってしまって全体に影響が及んだ…という原因は考えられますか?

今日のYSさんよりももっとプレッシャーが厳しいチームは過去にはあったと思います。ベンチで見ている僕らとしてはそういうプレッシャーを感じてるようには思っていなかったので、その中でもミスが起きてしまうとか、一つ持ちすぎてしまうとか、シンプルに使えばいいのにもっといいことをやろうとしすぎたりとか。そういうところで相手にボールが転がってしまって、なかなか自分たちのリズムが作れなかったと思います。

――逆に自分たちがプレスをかけて行く中で、当然相手はGKを使いながらビルドアップしてくることは織り込み済みだったと思います。最初はボランチが縦関係になってアンカー(小島秀仁)にアプローチしながら、ハマればショートカウンターになっていたと思います。それが徐々にズルズル行ってしまった要因はどこにありますか?

取ったボールをすぐ渡してしまう。プレスをかけて相手にアバウトなボールを蹴らせて、それをセンターバックがしっかりインターセプトする。でもそのインターセプトしたボールを相手に渡してしまって、きれいに繋がれたわけではないのに、前向きにボールを拾われてしまう。そうやってセカンドボールを向こうに渡してしまうシーンが今日は目立ってしまいました。いつもであればちゃんと味方に繋ぐ、あるいはうちもアバウトでも構わないけどもちゃんと跳ね返す。僕らがちゃんとプレッシャーをかけることからいい循環になっていたんですけど、今日は前からプレスをかけた人間の後ろで、うちが跳ね返したボールを拾われてしまうことが多かったので、そこは反省です。

――明日ゲームを残しているチームがありますが、まだ今日の段階で(昇格の)可能性は数字上で言えばまだ消滅していません。「優勝」の次の「昇格」という2つ目の目標を追っていたということに関して、現状の受け止め方はいかがですか?

それは明日の結果次第だと思います。自力で上がって行くしか僕らにはなかったので、負けてはいけないと思っていました。この間の引き分けも痛かったですけど今日の負けはもっと痛い。勝ち負けは本当にありますけど、どうやって負けるかが大事だし、もうどんな内容であっても負けてはいけない時期でもあります。そういう意味では痛い敗戦ですけども、それでもまだ2試合残っているので最後の最後までちゃんと戦いたいと思っています。

――試合が終わってからロッカールームで選手たちにどんな話をしてきましたか?

選手たちが奮起することを期待し、そのように話をしました。

――ラスト2試合、今まで勝ち負けプラス積み上げてきたことを見てもらうという意味では大切な試合です。どのようなモチベーションで臨んでいきますか?

(信州)ダービーの時からずっと言っているように、サッカーなので当然勝ち負けはありますが、松本の人たちを感動させたいと思っています。いいゲームができても負け続けていたら皆さんの期待に応えられないし、松本山雅というクラブはやっぱり勝ち負けだけではなく、松本の人たちを元気にしなくてはいけない。感動させなきゃいけない。彼らの誇りであり続けなければいけない。

そういうクラブだと思っているので、ブーイングされるのは当然ですけども、それでも山雅が好きだと言ってくれるサポーターもいるし、まだまだ僕らに期待してくれているサポーターもいます。どういう順位、ポイントで終わるか分かりませんが、僕らのミッションはちゃんと松本の人たちに感動を届けること。それは残りの2試合でどうやって勝つか、どうやって点を取るか、どうやってボールを奪うか。僕らが今まで積み上げてきたものをちゃんと出しながら、勝点6を取ってシーズンを締めくくりたいと思います。