【キャンプレポート】崩しのクオリティに自信 改めての宿題も ※一部無料

第2次鹿児島キャンプ第8日の7日、JFLミネベアミツミFCとのトレーニングマッチが鹿児島県立サッカー・ラグビー場で行われた。40分×3本で2-2、2-0、2-0の合計6-2。攻撃はさらなる再現性の高まりを感じさせたほか、2〜3本目には新井がハットトリックを達成した。一方で1本目の失点は、失い方や時間帯も含めて課題を残した。

フィールドプレーヤーは10人が1本目の40分で下がり、2〜3本目はほぼ同じメンバーが80分プレーした。もちろん連戦のため疲労が蓄積しており、身体は重い。その中でも1本目はアタッキングサードでのクオリティと再現性を改めて示し、2〜3本目は意地を見せた。

立ち上がりの開始3分にいきなりピンチを迎えるが、GKビクトルのセーブなどで難を逃れた。その後は落ち着きを取り戻し、2ボランチを軸に前進を図る。17分、菊井のスルーパスと浅川の裏抜けがぴたりと合い、中央に入り込んだ滝が合わせて先制。相手GKを挟む形でゴールを陥れた。

さらに38分はショートカウンターから得点を奪った。安藤が敵陣で奪い、浅川を経由して最後は菊井。角度のない位置から巧みにネットを揺らした。浅川は2アシスト。前線4人は目まぐるしくポジションチェンジをしながら流動的に敵陣を侵食していたほか、ボランチが裏に抜けてクロスを供給するシーンも複数回あった。

ただ、失点は開幕までの修正が求められる。1点目は最終ラインでボールを奪われてからのループシュートで、2点目は自陣右CKからファーサイドのヘッド一撃。90分勝負の公式戦と状況は異なるものの、2回とも得点直後の時間帯だった。このほか減少をテーマに掲げる被シュート本数も、1本目の40分だけで最低5本はあった。

ボールを動かしはしたものの、セットされたディフェンスを崩すきっかけ作りにはやや苦戦。2ボランチが下りてサポートするなど模索したが、安永は「ゴールキックからの局面や中盤でハマってしまうことが多かった。背後にも出さないと相手のラインが下がらないので、もう少し状況を見て使い分けられれば」と話した。

2〜3本目は結果的に平均年齢の若い構成となった。2本目は10分すぎに1人が負傷していったん外に出たため、8〜9分ほど10人でのプレー。そこを耐えると、36分に新井が相手GKとの1対1で冷静に先制する。2分後には藤本の左クロスを中で新井が触り、ファーの佐相がゴール。3本目は新井が2得点を挙げてハットトリックとした。

この日のトレーニングマッチは、トレーニングウェアの胸スポンサーである縁がきっかけとなって実現。キックオフ前には両チームの選手・スタッフが集まって集合写真を撮影するなど、友好的なムードの中で行われた。

霜田監督と選手3人(安藤、新井、安永)のコメントは以下の通り。


霜田 正浩監督

――まずは試合全体を振り返っていかがでしょうか?

良いところも課題も出ています。相手のカテゴリーは関係なく、J1とやってもいいプレーができるし、JFLとやっても課題は出る。これがサッカーです。あまり気にしていないですけど、取り組んできているアタッキングサードの崩しの部分は、面白い攻めができるようになってきました。クロス一辺倒ではなくて、いろんな形が点が取れそうだなと。今日の1本目の2点とも、素晴らしい得点でした。

ピルドアップに関しては、相手が前から来たときにどうやってはがしていくか。共通理解は進んでいると思います。つまらないイージーなコントロールミス、パスミスが失点に繋がってしまうのは、本人が一番わかっているはずです。開幕に向けて本人が意識を上げてくれれば、そんなに問題はありません。

2本目、3本目に関しては、なかなか出場時間が増えていない選手が出て、2―0、2―0と点を取ってくれました。まだまだ課題はたくさんありますけど、こうやって実戦をたくさん経験していくのが大事だと思っています。

去年リーグ戦に出場していた2〜3本目の選手たちには、もっとクオリティを上げていってほしいです。いまは先発11人の序列を決める時期ではないのでシャッフルはしていますけど、誰が出ても同じサッカーができるように共通理解を進められればいいです。

――点を取った後にすぐ取られてしまったり、取られ方だったり。90分間の公式戦とはゲームマネジメントが違う部分もありますが、おいおい詰めていきたいところでしょうか?

練習試合と公式戦の一番の違いは、最後のゲームの締め方だったり、入り方だったり――。相手も違いますし、なかなか公式戦と同じようにはいかないところもあります。そういう時間に失点しないようにはどうしたらいいか。そこで失点してしまうのは良いレッスンだと思います。

だんだんグループは分かれてくると思います。本数がたくさんできるのはいましかありません。出ている時間の長さではなくて一緒にプレーして感じるものがあればいいし、そういう選手がたくさん増えればいいと思っています。

有料会員になると
続きをお楽しみいただけます。

有料会員[ 月額550円(税込)]は、この記事だけでなく
ヤマガプレミアムのすべての有料記事をお楽しみいただけます。