【試合後コメント】霜田 正浩監督 第13節 大宮戦 ※無料配信

――本日の試合の総括をお願いします。

今日勝ったのは間違いなく、2,000人を超えるサポーターの力が僕らの背中を本当に押してくれたと思います。準備期間は本当に全くなかったんですけれども、大宮さんがやりたいことを分析して、彼らが本当にそれを愚直に95分間やり続けてくれました。複数得点を取れてゼロで抑えられて、首位のチームから勝点3を取れました。内容も結果も今日は本当に、選手たちがサポーターとともに戦ってくれたおかげだと思ってます。どんな内容でも今日は2,000人のサポーターと一緒に勝って帰ること。それだけをテーマにしていたので、それができて本当にうれしいです。

――プレスをかけて蹴らせて回収し、その後の攻撃も縦方向への意識が強く推進力を出せた部分もあると思います。

もちろん後ろからしっかり繋いでいきたいチームなんですけども、大宮さんは前からプレッシャーをかけてくるだろうと思っていたので、その矢印をどうひっくり返すか。ひっくり返し方とひっくり返した後。練習はほとんどできませんでしたけど、そこはミーティングで確認しました。それぞれの選手たちがただ足元で繋ぐだけではなく、あまり(身長の)大きな選手ではなくてもしっかり身体を競ってくれて、こぼれ球を拾ってから僕らのサッカーをやることを本当に徹底してくれました。相手のやりたいことと僕らのやりたいことを天秤にかけ、相手のやりたいことをやらせず僕らがやりたいことを少しでもできるようになればいいと思っていました。

――今日のサイドバックは右に藤谷選手、左に馬渡選手でした。特に右で高い位置を取って推進力を出していましたし、藤谷選手は1ゴール1アシストとなりました。狙いと評価はいかがでしょうか?

相手の戦力分析をすると、どちらがストロングサイドになるか。突破するサイド、あるいはボールを落ち着かせるサイド。あの2人がそこにいるからできると思いましたし、「自分たちのいいところを出そう」というだけではなくて相手のストロングを消しながら自分たちの良いところを出せるシステムとメンバー構成でした。

(1ゴール1アシストの藤谷は)素晴らしかったです。彼のストロングポイントをチームとしてどう生かすか。中2日で時間のない中でもみんなで共有していました。彼が数字、結果を出してくれたのは本当に今日の一番の収穫です。

――無敗だった大宮に勝利できましたが、一方で前節は敗れてもいます。課題と収穫に両方向き合いながら、これから勝利を続けていくにはどのような部分が大切になると考えていますか?

内容のない勝利は続かないと思っています。どんなチームと対戦する時も内容にこだわりたいし、それが勝つための再現性が高まる一つの絶対条件だと思っています。前節のように内容も伴わなくて負けてしまったゲームがあるので、まだまだチームとしては成熟できていないけれども、先発を入れ替えても今日のようなゲームが十分できるチーム力があると思っています。先週はメンバー外だった藤谷が今日は先発して、活躍してくれました。こうしてチームの層を少しずつ厚くしながら、誰が出ても同じサッカーをやり、誰が出ても僕らのやりたいことをやる。それでしっかり戦うことができれば、この先も勝点を積み上げていけると思っています。

――前半かなり冷や汗をかくシーンを作られながらも、0ー0で折り返せたことが一つ大きいと思います。大宮は非常にリスタートも早くてアクチュアルプレーイングタイムも長いタイトなゲームだったと思うんですけど、その中でも集中力を切らさず、逆にあの時間帯で(得点を)取れました。ゲーム運びも含めて非常に大きな収穫だったのではないでしょうか?

いつもいつも点が取れるわけではないんですが、点を取る形はずっと積み上げてきたものがあって、その瞬間を1試合の中で何回出せるか。今日はたくさん出せないだろうと思っていたので、しっかりガマン比べをして「前半は0-0でOKだ」と全員に言っていました。チームで意思統一してガマン比べをしながら、相手が出てきたところを逆にうちがカウンターに行く、あるいはスペースを突く。そこで先に点を取る。0-0の時間が長くなればなるほど、焦ってくるのは向こうだと思っていました。逆に言うと0-0の時間を長くして、ボールを繋ぐところをしっかり繋いで時間を作れれば僕らにもチャンスはある。浅川も藤谷の素晴らしいゴールも、きちんと崩して取ってくれたのでとても良かったと思います。

――ゲームの締め方についても伺います。「やり切る」という部分で、先発した浅川選手など、中2日でも最終盤にスプリントバックすることを徹底して集中を切らさずにゼロで終えられました。(失点)1ではなくゼロで終えられたとこほに非常に意義があるのではないでしょうか?

今首位の大宮さんですから、簡単なゲームにはなりません。前線にタレントがたくさんいます。そういう相手にどうやって勝つか。今日は選手に「ハードワークは才能に勝る」という、ザルツブルクのロッカールームに貼ってある言葉を選手に伝えました。彼らが大宮さんの才能を上回るハードワークを本当にやってくれたと思っています。やはり僕らの原点は戦うところだと、改めて感じています。