【試合後コメント】霜田 正浩監督 第31節 長野戦 ※無料配信

――試合の総括をお願いします。

最高の雰囲気を作ってくれた両チームのサポーターにまず感謝をしたいと思います。そして松本のサポーターに勝利を勝点3を届けられなかったことだけが本当に悔しいです。

その勝点3を取るためにほんの少し、わずかなところが足りなかった。その足りなかったことを悲観するのではなく、次の試合に勝点3を取る、あるいは残り試合全部で勝点3を取り続けるためにどうすればいいのか。そういう思考に切り替えて松本に帰りたいと思います。

とてもピッチコンディションが難しかったにもかかわらず、両チームとも本当に素晴らしいサッカーをしてくれたと思います。僕らも自分たちがやりたいサッカーをきちんとできたと思います。

ただボールがゴールに入らなかった、2点目が取れなかった。それはもうずっと言い続けてることですけれど、1点取られてしまうこと、あるいは2点目を取れなかったこと。それがずっと同じ言い訳になってしまうので、僕が何とかしなければいけないと思っています。

本当に選手は頑張ってくれています。気持ちを込めて戦ってくれています。今日の選手たちを責めることは全くできないと思います。勝点3が必要な状況なのはわかっているし、この間ケガと体調不良で出られなかった3人も今日は良いプレーをして戻ってきてくれました。キャプテン(の菊井)がいなくなってもみんな代わりに出た選手が頑張る。そういう意味では本当に気持ちのこもった試合をやってくれました。

勝点3に届かなかった技術的なところと戦術的なところ、それを僕が反省をして選手たちに伝えますが、本当に良い試合ができたので、これを次の試合に絶対に繋げなければいけない。そう思って次の準備をしたいと思います。

――戦術面で4-3-3を採用しました。その狙いなどについてお話しいただけますか?

ずっと3バックのチームが続いていて、3バックのチームと試合をやるときに必ず起きる現象はあると思っていました。今日のピッチコンディションと長野さんの攻め方を考えれば4-3-3であると判断をしました。

4-3-3でも途中から4-4-2にしてもやることは変わらないし、4-3-3の時はこれをやらなきゃいけない、4-4-2の時はこれをやられてはいけない、ということを選手も理解をしているので、そういう戦術的な柔軟性は本当についてきたと思っています。

2トップにした以上はどうしても点を取りたかったので、点が取れなかったということに関しては4-4-2にして成功だったかと言われると、結果から見ると成功したとは思いません。4-3-3で入ってボールを握り、相手陣地でサッカーをして、向こうの1トップ2シャドーへのパス、あるいはセカンドボールの拾い合い、そういうところに関してはすごくよくできたと思います。

――練習でもその形で準備していました。

練習でやったことがゲームで起きてるということは、成長しているということです。ボールがゴールに入るか入らないかは相手のGKもありますし、流れもありますし、運もあります。そこを「個人の力だよね」という解決にはしたくないので、僕らはチームとして攻撃の形を作って、たくさんチャンスを作って、それを2つ3つと決められるように練習するしかないと思っています。

――(信州)ダービーはもう一度(J2昇格プレーオフで)行われる可能性も残ってはいますが、リーグ戦では今季最後です。勝ち星がないというダービー全体の受け止めについていかがですか?

ダービーのことだけを考えれば、これだけの雰囲気を作ってもらった中で勝てなかったのは本当に悔しいです。この間のホームでも素晴らしい雰囲気でも最後に追い付かれてしまいました。勝たなければいけない試合は何をしてでも勝たなければいけなかったと反省するしかありません。

――前半入りは長いボールで裏返していましたが、後半は基本的に足元でした。ピッチコンディションを加味した上でも自分たちにはできるしそちらの方が確率が高いと判断した結果だとは思います。その部分の判断について聞かせてもらえますか?

「ピッチが難しいから今日は繋がなくていい」という指示は全くしておらず、ピッチコンディションに合ったプレーをしようという話をしていました。最初はひっくり返すことを相手が嫌がっていて、それがジャブとして効いて中盤にスペースができてきたときには足元で繋げるようになりました。

ファーストタッチに本当に苦労していましたけれども、それでもしっかりターンをする、あるいはちゃんと味方につける、そこは自信を持ってできるようになってきました。それを選手たちが自分たちで判断をしてこれは繋げる。これは前に向ける。これは短いパスでもいけるという判断を彼らがピッチの中でしてくれたので、それは本当に成長を感じます。

――「勝てなかった」という言い方もできますが、裏返せば後半長野にもかなりのチャンスがあって救われた部分も正直ありました。特にファーサイドで相手がフリーになってしまうシーンが気がかりでしたが、そこに対する考えはいかがでしょうか?

ウイングバックがフリーになってしまうことはシステムのかみ合わせ上仕方がないので、そこまでボールを持って行かせないことができているうちはピンチを作られなかったんですけれど、だんだん広がり、それもあって4-4-2にしたという理由もあります。

それでもシュートが入らなかった、あるいは枠に打たせなかった。サッカーの世界でピンチは必ずありますけど、それを失点に繋げないことが一番大事だと思っています。

もちろんポストに救われたシーンもありますけど、逆に言うと僕らもそういうシーンをちゃんと作れているので、ずっと守っていて運だけに頼って勝点1を取った試合ではないと思っています。それも含めて1失点、ずっと最少失点で続いていますが、複数失点をしない連続失点をしない、ゲームを壊さないということに関しては、ちゃんと集中力がついてきている証拠だと思っています。

――残り7試合、どう戦っていきますか?

勝点3を取る勝ち筋は見えていて、「どうしたら点を取れるんだろう」「どうしたら失点が減るんだろう」という時期はもう過ぎていると思います。いい試合をやりながら勝点3に結び付かないもどかしさはありますが、この間の奈良戦の勝点1とは今日は全く違うと思っています。

お互いにピンチがあったりチャンスがあったりしている中で、2点目を取られずにどうやって僕らが2点目を取りに行くか、そこだけです。選手にも言いましたが、本当に細かいことにこだわらなければいけないと思っています。それを突き詰めていけば必ず勝点3は転がってくると信じています。