
【一問一答】石﨑 信弘新監督 就任記者会見 ※無料配信
小澤 修一社長 本日は師走のお忙しい中、また足元の悪い中たくさんの方に足を運びいただきありがとうございます。まずは今シーズンの結果、地域の皆さんにご期待、ご支援いただいたものになかなか沿うことができなかったことは本当に申し訳なく思っております。
今シーズンの中でうまくいかなかった要因はしっかりと振り返り、結果については真摯に受け止めなければいけないということで、大きな変革が必要だと認識しております。その中で都丸(善隆)スポーツダイレクター(SD)を中心に強化本部とコミュニケーションを重ねて、ここは新監督をお迎えしてチームを作り直す必要がある。選手の入れ替えも含めて大きな決断をした形になります。
そして石﨑(信弘)新監督に今回就任していただきましたが、我々としては今の松本山雅にとってまさにベストな人選だったと確信をしています。石﨑監督の戦う集団を作る手腕と人間力に我々としては非常に魅力を感じていますし、期待をしております。その中、この地域にたくさん支援をいただいている松本山雅として、やはりトップチームの結果にこだわっていく必要があると思っています。
勝負の世界なので全ての試合に勝てるわけではありません。ただ、石﨑新監督のもと新しいチームに求めるものは勝利を求める姿はもちろん、残念ながら勝利に至らなかった試合でも人の心を動かす。そういった「このチームなら応援してあげたい」そう言って応援してもらえるようなチームを作ることを私たちの不退転の決意として、石﨑監督に来ていただきました。
石﨑監督のもと新しいスタートを切るわけですが、やはりいろんな困難があると思います。多くの応援していただいているステークホルダーの皆さんと一緒に乗り越えていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
都丸 善隆SD 本日はお忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。私からは石﨑監督に就任していただいた経緯についてお話させていただきます。まず前提として今シーズン15位という、松本山雅史上最低の成績でリーグ戦を終える形になってしまいました。攻撃、守備、走力、強度、どのデータを取っても低迷してしまい、強みを打ち出すことが全くできなかったシーズンでした。
このような現実を直視した時にこれまでの流れの継続ではなく、大きな変化が必要だと感じました。そして松本山雅のサポーターの方たちがチームに何を求めているのか。そして松本山雅の歴史の中で何が魅力で何を強みにしてきたのか。そういう話を関係者の方からたくさん聞きました。
そして私なりに考えてきて、その中で出した結論がハードに戦う、走り抜く、最後まで諦めない、そういう姿勢をもう一度高めて戦うという、それが大事だという考えに至りました。
そして今シーズン松本山雅が平均年齢23歳というスターティングメンバーで戦った試合もあります。今シーズン9得点と大きく飛躍しました田中想来選手を筆頭に、若い選手たちもたくさん在籍しています。そして先日発表されましたが、21歳以下の選手の出場時間に応じて報奨金がもらえる、そういう制度の中で松本山雅がJ3で唯一報奨金を受け取れる形になっています。
そのようなチームの現状を踏まえて監督の人選を進める時に、3つのポイントを重視して監督の人選を進めてきました。まず1つ目が昇格実績。そして2つ目、ハードに手堅く戦えるチーム作り。3つ目に選手の育成。この3つのポイントを重視して監督の人選を進める中で、石﨑監督に指揮を執っていただくことになりました。
石﨑監督はキャリアの中で800試合を越える指揮を執ってこられた実績があります。その中で5回の昇格を誇る昇格請負人です。そして今シーズンの八戸では1試合平均失点が0.6とJ3の歴史の中でも非常に高い、堅守を誇るチームとして昇格を達成されました。そしてフィジテクと呼ばれる、テクニック練習にフィジカルの要素をふんだんに盛り込んだトレーニング、そういうハードなトレーニングの中で選手たちを成長させてくれると期待しています。
そして石﨑監督の温かくて厳しいお人柄、それを生かして選手に向き合ってくれると思いますし、そういう中で選手たちを内面から成長させてくれると期待しています。石﨑監督のお人柄、これまでの手腕、そういうものを生かして選手たちをタフに鍛え上げてくれる。そして戦えるチーム、勝てるチーム、昇格できるチームに成長させてくれると期待をしています。
そしてサポーターの方たちが求めているもの、サポーターの方たちの心にダイレクトに届くサッカー。そういうものを提供できるのではないかと確信しています。
石﨑 信弘監督 来シーズンより監督を務めます石﨑です。どうぞよろしくお願いします。
今、都丸SDの方からいろんなお褒めの言葉をいただいたのですが、それができるかどうかはやってみなければわからないですし、やるのは選手だと私は思っています。ただやらせるのは私自身の仕事だと思っています。
松本山雅はJ1にいた実績がありますし、私もかなりの回数対戦しているというところで、そういうところで監督ができるところは大変に光栄に思っています。
まずはチーム一丸となって戦えるチーム、ハードに走れるチーム、球際に強いチーム、そういうチームを目指してトレーニングの中から100%の力を出してトレーニングできるような雰囲気をしっかりと作っていきたいと思います。まだ選手も見ていないですし、新しく入ってくる選手も見ていないので一概には言えませんが、チーム一丸となってJ2昇格を目指していけるようなチームを作っていきたいと思います。
あとはサポーターの方々がここはすごく熱いところだと思いますし、サポーターの方々にも喜んでもらえるようなサッカーチームを作っていきたいと思います。どうかよろしくお願いします。
――松本山雅というクラブからオファーが届いた時、就任を決めた時に沸いてきた感情はどんなことでしたか?
石﨑 まずチームが昇格したところで、私自身も家庭の事情がありました。
それを考えて、そのまま八戸で指揮を執るのがいいのか、それよりもチームを変えていくのがいいのかというところで、都丸さんの方から話をいただきました。
歴史のあるこの山雅、対戦相手でずっとやってきましたが、サポーターの力がすごく強いと思います。
反町監督の時だったと思いますが、14年に一緒にJ1に昇格しています。反町監督の山雅は2位で昇格したのですが、私はその時山形で、6位でプレーオフで昇格しました。1年J1で戦ってまた一緒に落ちたというところで、3年間戦った時のサポーターの応援のすごさを身に沁みて感じています。
それを今度は自分がそのサポーターの方々を味方につけて戦えるところがすごくワクワクする気持ちになってきて、もう1回そういうチームでやってみたいという気持ちが強くなって山雅で監督を引き受けることにしました。
――就任に伴いクラブからのリリースのコメントに込められた思いを改めて教えてください。
石﨑 八戸を離れることに関して、Jリーグで監督をやるか、年齢も年齢だしもうやめてもう少し下のリーグで監督をやるかというところで話をいただいたところで、本当に悩んだ末に山雅でやることにしました。
今回、多分Jリーグで最後の監督のチームになるのではないかというところで、今まで自分がいろんなチームでやってきたこと、感じてきたことを最後の舞台で出していきたいです。
サッカーは戦わなければ勝てないスポーツですので、そこら辺を全面的に出せるようなチーム作りをやっていきたいというところでああいうコメントになりました。
――改めて目指すチーム像、作り上げたい松本山雅、理想のサッカーについて教えてください。
石﨑 まずは走る、戦う。チーム一丸になって戦う、一つの目標に向かって進んでいくところをチームに植え付けていかなければいけないと思います。
まずは強いチーム、強い集団を作り上げていけば最後には良い結果が求められると思います。
――大きな変革も求められている中ではありますが、まず一番に着手したいポイントはどのように整理、分析されていますか?
石﨑 サッカーというのは点を取るスポーツだと僕は思っています。
そこでまずは攻撃の目標、目的というのはまずシュート打っていこうと。シュートを打つためにはどういうことをしていかなければいけないかというところと、守備の部分はゴールを守るではなくボールを奪うところを目的と選手にいつも伝えています。
まずは相手ボールになった時にボールを奪う、攻守の切り替えを早くしていく、ボールを奪った後にチャンスがあればシュートまで行くところ。そういうところがサッカーで大事だと思っていますし、まずはそういうところを選手に植え付けていけたらと思っています。
そのためには90分間走れる力というのをつけていかなければいけないと思いますし、そのためにトレーニングの中から妥協しないで100%、120%の力を持って練習することが大事だと思います。
――ハーフシーズンが2月から開幕しますが、百年構想リーグの戦い方、今見据えているビジョンがあれば教えてください。
石﨑 新しいチームですし、新しい選手もいると思います。その中で(キャンプも含めた)6カ月間。J2のチームとも戦えるということでいろんなことにチャレンジできると思います。そういうところでメンバーもそうですし、戦い方もいろんなチャレンジができます。
一番大事なのは新シーズンになってからです。そこを戦えるように。ただ試合ですのでJ2だからといって負けていいという気持ちは毛頭ありませんので、どの試合も勝つために100%、120%の力をもって戦っていきたいと思います。
――改めて石﨑監督の感じている松本山雅の価値について教えてください。
石﨑 本当に素晴らしいサポーターがついていると思います。12番目の選手と言えるぐらいの力がサポーターにはあるのではないかと思っています。
過去の話になりますが、八戸に就任して1年目の時にアルウィンで3-0で負けたのですが、その時のウォーミングアップの時から山雅サポーターの方々の応援がすごくて選手がビビってしまったというところ。
試合が始まってからではなく、アップの時からあれだけ圧をかけられるサポーターはそうめったにはいないと思います。その力は素晴らしいと私は思います。
――最後のJクラブになるかもしれないというお話がありましたが、いくつかの選択肢の中から松本山雅を選んだという認識でよろしいですか?
石﨑 その通りです。
――Jリーグで858試合を指揮された経験がおありですが、一丸となって戦うために集団作りにおいて必要な要素とはどう感じていますか?
石﨑 練習の中からどれだけ真剣にできるか。練習だから手を抜いていいところは一つもないと思います。練習の中から激しく、真剣にやっていくことが大事だと思っています。
それがあるからこそ昨年の八戸はそんなに有名な選手はいないですが、試合でやったことをしっかりと反省して練習して改善していく方法でかなり選手も成長できたのではないかと思います。
――監督として、指導者として大事にしているものがあれば教えてください。
石﨑 まずはしっかりと一人一人の選手を見てあげるところです。
過去にもいろんな選手がいました。すごく真面目な選手もいますし、自分の思い通りにならなかったらひねくれてしまう我の強い選手もいました。ただ、そこをしっかり見てあげれば必ず良い方向に進んでいくと思います。
選手にはよく言いますが、性格は変わらなくても考え方を変えれば行動は変わってきます。まずは考え方のところをしっかりと良い方向に持っていけるようにしていきたいと思っています。
――松本山雅との対戦歴も多くあります。ここ数年、松本山雅というチームに対しての印象はいかがですか?
石﨑 すごく良い選手がたくさん揃っていて、今回もJ1やJ2に引き抜かれる選手が揃っている中でなかなか良い結果が出せていないイメージがあります。
それがどこに問題があるのかは外から見ていてはわからないですが、選手の能力はかなり高い選手がいるのではないかと思っています。
――監督から見て今のチームが抱える課題や懸念点はどう考えていますか?
石﨑 ほとんど見ていないですが、自分たちが対戦したのは2回ですし、その前にスカウティングするところがあって、僕から感じるのは失点が多いのではないかというところです。
今回、八戸はかなり失点が少なかったというところで、まずはその失点の部分をしっかり抑えていかなければ。大体どこのリーグも失点が少ないチームが上位になっています。まずはディフェンスのところを改善していかなければいけないのではないかと思っています。
――新監督コメントで気持ちの籠もったものがありましたが、心を震わせるとコメントされたのは何か意味が込められていましたか?
石﨑 先程から言っていますが、サポーターの力です。ウォーミングアップの時からあれだけ応援をする、相手の選手をビビらせるぐらいの応援があるというところです。
山雅のチームというよりも僕はサポーターに感激しています。昨年、何回か対戦している中で初めて2-1で勝ちました。今年は引き分けでしたが、ここ数年はサポーターの力が弱くなっていると感じます。そこでもう1回サポーターの力を借りて、相手チームをビビらせるような、あるいは山雅の選手を奮い立たせるようなサポーターの力をすごく感じて山雅で監督をやりたいと決断しました。サポーターの力が心を震わせてくれるのではないかと思います。
――応援している子どもたちもいます。小さい子にもわかる、「こういったチームを作る」というわかりやすいコメントをいただけますか?
石﨑 まずは相手よりもたくさん走る、戦う。それでわかるかどうかわかりませんが、そういうところをぜひ子どもたちにも見てもらいたいと思います。
技術の部分でも、どういう選手がいるのかはこれから見ていかなければいけないですが、そういう技術もしっかり発揮できるようなサッカーをやっていきたいと思っていますし、そういうところも見てもらえたらと思っています。
――外から見たものも重要かと思います。「こんなところをこんなふうに変えたい」という変化のポイントはどこになりますか?
石﨑 試合はほとんど見ていないですが、私が思うにはチームが一体となって最後まで戦うというところ。
どうしてもうまく行かない時にチームとしてはバラバラになりがちですが、最後まで一体となって戦っていく、協力していくことが大事だと思います。
――都丸SDに話を伺った時に、新しい監督の意見も聞きながらチームの編成を考えたいとお話がありましたが、石﨑監督の方から要望しているものもありますか?
石﨑 あまり僕はよそのチームを知らないので都丸さんに任せています。戦えないとか走れないとかはトレーニングでどうにかなります。ほとんど都丸さんに任せています。
――松本での生活はどのようなことに期待したいですか?
石﨑 一人ですので時間があれば、昨日は松本城に行ったのですが、上高地もありますし、いろんなところがあると思いますので、できればそういうところに足を伸ばせる余裕ができてくればいいと思っています。
――石﨑監督はサポーターの皆さんから呼ばれたい愛称はありますか?
石﨑 「ノブリン」です(笑)。うそです。「イシさん」で。だいたいどこでも熱狂的なサポーターの方々は「ノブリン」と呼びます。愛着を持って接していただければ、1時間でも2時間でも付き合います(笑)。
――強いチームを作るために大事にしていることを改めて伺えますか?
石﨑 練習の中でどれだけ自分と向き合ってトレーニングしていくか。ゲームで多分いろんな問題が出てくると思いますが、それを踏まえて次のトレーニングでどう改善して次のゲームでどう表現していくかというところです。
よくある形だと思いますが、まずはしっかりトレーニングをやっていってもらいたいと思います。
――トレーニング面で特にこだわりを持ちたいのはどんなところですか?
石﨑 僕の練習がキツいと言って僕がすごく走らせているイメージがあると思いますが、僕は走らせないです。それはフィジカルコーチの仕事です。
フィジテクはキツいことはキツいですが、それがメインではありません。課題を改善していくためのゲーム形式の中でフィジカルを上げていくか、問題を改善していくかというところに僕のトレーニングの目的はあります。
ただ漠然とゲームをやっていたら何を目的にこのゲームがあるのかというのがわからないと思いますが、「これはここを改善するためにこういうトレーニングをしている」というところです。
ゲーム形式ですから手を抜こうと思えばいくらでも手を抜けますが、その中で一生懸命やっていく人は走行距離も伸びていきますし、戦うところ、球際も強くなってきます。あとはテクニックも伸びてきます。
皆さん、走らせるとかそういうイメージがあるかも知れませんが、そういうトレーニングはほとんどなくて、ほとんどボールを使った中でのトレーニングです。その中で目的を持ってやっていかないといけないと思います。
――そこをクリアするためにメンタル面で特に求めたいことはどんなことでしょうか?
石﨑 今の自分に満足するのではなく、今J3ですので、その上にはJ2があるしJ1があるし、代表もありますし海外もあります。常に上を目指してトレーニングをやって成長していかなければいけないと思います。
――一からチームを作るのはサポーターにとっても耐える時間が必要かと思います。現時点で目標に対してどれだけのビジョンをお持ちか聞かせてください。
石﨑 過去にJ1に上げたチームで柏レイソルの時は1年目で上げていますし、札幌の時は3年目かかりました。山形の時は1年で上げているということで、やはりチャンスがあれば1年目でJ2に昇格する。ただJ2に昇格してもすぐに落ちてくるチームではいけないと思います。
そのためにもまずは強い集団、強いチームを作っていかなければいけません。その先にそういう強い集団になればJ2にも昇格できると思います。大きく「J2に昇格します」とかではなく、私としてはまずは強いチームを作っていきたい、その先にあるのが昇格だと思っています。まずは強い集団、強いチーム、強い選手を作っていきたいと思っています。
――松本のサポーターのみなさんに監督から求めるものはありますか?
石﨑 サッカーなので勝つことがあれば負けることもあります。
ただその勝ち方、負け方があると思います。そういうところで本当にだらしない、試合を諦めてしまって負けてしまった時はそういう批判をされてもいいと思います。
選手が一生懸命戦っても勝てないゲームもあると思います。そういう時には自分たちの代表ですのでぜひサポートに回ってあげてもらいたいと思います。
――昇格を期待されているところもあってプレッシャーも感じていますか?
石﨑 すいません、感じていません(笑)。まだ始まっていないからです。
心臓は弱いですがプレッシャーは感じない方です。
先程も言いましたが、どれだけ良いチームを作れるかだと思って、その結果が昇格できるチームになれるかどうかで、私の仕事としては強い集団を作っていく、そしてチーム全体で同じ方向を向いて戦っていくところが大事だと思いますし、それが次にも繋がるのではないかと思います。
――今までさまざまなカテゴリーで戦ってこられましたが、J3ならではの難しさを感じる部分はありますか?
石﨑 J2もJ3もそうですが、遠征の移動が各地にあるというところです。この前は八戸でしたが、八戸から沖縄の方に行ったりと移動距離があってコンディションを保つのが難しい部分があると思います。
J3もいろんなチームがあると思います。プロでずっと働かなくても給料をいただいてサッカーだけに集中できるチーム。八戸なんかは働いて他から給料をいただいてサッカーをやっているところもまだまだあります。
山雅の選手ではそういう選手はいないと思いますので、そういうところに集中してやっていくことが大事だと思います。
――百年構想リーグがありますが、若い選手を育成していく方向性と結果を求めるところの両立についての考え方はいかがですか?
石﨑 見てみないとわからない部分もありますが、Jリーグの試合にまだまだ届かないような選手は試合に出るのは難しいと思います。
若い選手は経験していけば伸びてくる選手もいます。それは練習の中から見てやっていかなければいけません。
ゲームですので、試合に負けるということはやりたくないので、まずはしっかりとトレーニングを積んだ中でゲームに出ていく。百年構想リーグだから若い選手を使うのではなく、トレーニングをして頑張った選手が試合に出ていく、そういうチーム作りをしていくことが大事なのではないかと思っています。
――石﨑監督が試合に出場する選手を選ぶ一番の基準はどこにありますか?
石﨑 トレーニングの中でどれだけしっかりやっていくか。トレーニングを見ながら起用していくところだと思います。
――キャンプではどのような準備をしていきますか?
石﨑 今回、かなり準備期間が短いです。今までこういう短いシーズンは初めてなので、私自身もどうやっていくかはフィジカルコーチと相談しながらやっていかなければいけないと思います。
まずは最初の大宮戦に照準を合わせていくところ。ただ、そこで100%でできる準備はできないと思います。
そういうところを合宿の中でしっかりと、特に自分のやりたいサッカーを選手に伝えていくところをやっていきたいと思います。なかなか練習ゲームもできないので、トレーニングの中でしっかりやっていきたいと思います。
――PKも大事になってくると思いますが、練習することもありますか?
石﨑 昔、Jリーグの最初の頃はPKもありましたし、その頃を思い出して。今回は90分でPKですが、PKのトレーニング、GKも蹴る方もやっていかなければいけないと思っています。
――(監督就任のオファーは)複数の選択肢の中からというお話でした。
石﨑 代理人や直接私の方に話があったのは確かです。(選択肢は)3つぐらいです。
――うまく行かない時に監督として立ち返るべき原点はどこに設定したいですか?
石﨑 私の場合はディフェンスです。もしチームがうまくいかなくてもディフェンスのところにベースを作っていけば失点することはないですし、失点しなければ負けることもないというところです。
まずはディフェンス作りからしっかりやっていきたいですし、立ち返るところはそこだと思っています。
――来季の目標を含めて熱いメッセージをお願いします。
石﨑 強い集団を作っていくことが昇格に向かっていく大事な道だと思っています。
まずは強い集団を作っていくところを目標にやっていきます。
サッカーというのはチームだけでは戦えません。そういう中でファン、サポーターの皆さんの応援が必ずや力になると思っていますし、そうならなければいけないと思っています。
そういう中でぜひ私たちと共に戦っていただければと思っています。
頑張りましょう。
――ここまでの編成の手応えはどう感じていますか?
都丸 編成に関してはまだ完成していません。
ただ内定、山雅を選んでくれた選手たちも増えてきています。もう一息という状況ですが、各ポジションでしっかりと競争ができる選手たちが加入してきてくれていると手応えを感じています。
2025シーズンに関してはゲームの中で自ら崩れてしまう弱さを露呈してしまったところもありましたので、選手たちのメンタリティをとても重視して編成を進めています。
キャプテンを経験しているとか、人から聞いても取り組みが素晴らしいとか人間性が素晴らしいとか、そういうことをベースに選手を選んでいます。
そういう選手たちがいるとよりまとまれると思いますし、苦しい時でも踏ん張りが効く、戦い抜ける、そういう集団になっていくと思います。パーソナリティ、メンタリティ、その辺りも重視しながら編成を進めている中で、あともう一息という状況です。
――社長として石﨑監督からどんなことを学んでいきたいですか?
小澤 お話を聞いている中でも非常に強いリーダーシップとマネジメント力を感じていますので、そういったところを人生の先輩として教えていただくことは多いと思います。
ただ私なりにも自分で考えているリーダー像やマネジメント論はあるので、そういったところは少し見させていただきながら勉強していきたいと思っています。
――大きな変革というお言葉もありました。今回の石﨑監督が就任された意義、近年のクラブ史を踏まえた中でトップチームが作り出すサッカーについての意義を改めて説明していただけますか?
小澤 フットボールの部分は都丸SDを中心に非常に分析と振り返りをしていただいています。その中でクラブとして大事にしなければいけないのは、やはり応援していただけるクラブ、チーム、そういったところが大事だと思います。
その中でどういうクラブが、チームが応援に値するのかというところを考えた時に、やはり山雅のもともと大事にしているもの、そういったものを改めて大事にする必要があるというところで石﨑監督に就任していただいた部分もあります。
ただ時計の針を戻すという言い方はあまり好きではないですし、昔のサッカーを踏襲してやろうということはあまり考えていません。石﨑監督なりの新しい山雅を作っていただいて、過去の山雅を越えていく。これを必ず実現したいと思います。


