【試合後コメント】名波 浩監督 第17節 福島戦 ※無料配信

――まずは試合の総括をお願いします。

立ち上がりで綺麗な先制点が取れたので、主導権を握れるかなというところ。それからカウンター自体も回数がなかったわけでもないので、ビッグチャンスになるかなというところ。そこがあまりうまくいかなかったと思います。特にハーフタイムに選手たちに伝えたのは、2トップの良い守備からの良い攻撃がほぼゼロだったというところ。(今週のトレーニングでの)フリーズゲームで我々が何をしてきたかというのをもう一回彼らに問いただして、(原因は)気持ちの部分だったのではないかと思います。お互いに点が取れていなくて、自分が決めたい、自分がシュートまで行きたい。そんな気持ちが悪い守備、悪い判断につながってしまって、単発感を作り出してしまったのは彼ら2人だったというふうに思います。試合中にも「前半のうちに交代するぞ」とプレッシャーをかけましたが、カウンター要員として(横山)歩夢は置いておかないといけないと思っていましたが、それでも普段よりは早く替えています。ルカオがあれくらいやれたのは大きな収穫ですし、彼は守備の規律を忠実にやってくれたと思うので、次節以降はまた期待できると思います。

勝ったゲームなのに暗い出だしになりましたが、連勝を4に伸ばせて、完封のゲームも続いていて、ホーム5連勝。お客さんも徐々に増えているような印象はありますし、次の八戸戦は1万人入っていただけると思うので、その期待に応えられるようにいわきで勝って帰ってきたいです。相当な覚悟で相手も戦ってくると思うので、前回対戦の悔しさをリベンジさせないように、という気持ちを持って挑まないといけないと思います。

――「追加点が取れれば…」という試合が続いています。後半戦ではそこが勝負の分かれ目になってくるかもしれないですが、残り試合に向けてはいかがですか?

我々はもう良い守備から良い攻撃というコンセプトは残り17試合も変えるつもりもないですし、1-0のゲームが続いたことをよしとするようなぬるいチームにはなってほしくないです。2点目を取り切らないといけないですし、きょうは決定的なピンチも2回くらいあって、自分たちの悪いところも一つあったので、細かいところもしっかりと対応しないといけないと思います。油断しない、90分間を通して集中を切らさないというところは徹底しないといけないです。この勝ち点はおそらく首位にいても良いような数字なのに、1位ではないというところで「まだまだ反省しろよ」といろいろな人から言ってくれていると思うので、そういった課題と反省に向き合いながらやりたいです。

――その中でも最後は無失点に抑えましたが、要因はどう考えていますか?

(終盤は)ピンチの温度が決して低い時間帯でもなかったですし、自分たちが腹を括らないといけない時間とか、クリアしないといけないという時間で変な色気を出さなかったです。昇格うんぬんがかかってくると一つのピンチ、一つのミスで勝ち点が積み上げられないというシチュエーションになる可能性もあります。昨年の悔しさ、90分の中での終盤の戦い方というところの反省は十分にできていますし、そこは口酸っぱく今後も言い続けたいと思っています。

――勝ち続けている中での課題もありながら、前向きに捉えられる部分もあるのではないでしょうか?

座右の銘ではないですが、自分のサッカー人生だけではない人生の中で、満足という言葉は辞書にはないです。満足していたら人はどんどん落ちていくだけだと考えていますし、僕自身は監督をやって7年近く経ちますが、満足という言葉は一度も使ったことがないです。現役時代で何回も連勝したり、アジアで勝ったりしても満足という言葉は使ったことがないです。勝った中でも学ぶことがたくさんありますし、対戦相手からもありますし、自分の今の立場で言えば選手たちからもあります。そういう心を忘れたら絶対に人間は進歩がないので、ざっくり言えばそういうゲームを続けてほしいです。サッカー選手として、アスリートとして、一局面一局面に向き合ってほしいですし、それで勝ちを積み上げていく、目標を達成していくというグループにしたいと常日頃から思っています。個別で選手を捕まえたときにも、そういうことは話しています。(4連勝にも)喜びはみじんもないです。

――前節・富山戦でメンバー外だった住田選手が先制点を決めました。どう評価していますか?

ゴール前に飛び込んで行こうというところ、シュートに絡もう、ボールに絡もうというところでは、きょうはボールタッチ数が多かったです。足がつってしまっての交代で、パウリーニョも脚に違和感があっての交代となって、中心部にいる選手を変えましたが、出ている時間帯は十分にやりきったと思います。徐々に相手が嫌がる守備ができるようになって、軽さがなくなってきたと感じます。100%でのアプローチとか、一か八かで取りにいくようなタイプの選手ではないので、連続して追いかけたり、奪った後に連続して前に出て行ったりということの繰り返し。どうしても体力が削ぎ落とされますが、走れるという自信が彼を動かしていると思います。立ち上がりにリスクを負いたくない中でも、住田が縦パスを出した後に、(横山)歩夢のスピードには全然ついていけないと思いますが、よくゴール前まで入っていったと思います。練習で良くやっている面で捉えるというところも実践してくれました。