【試合後コメント】三浦 文丈コーチ 第18節 いわき戦 ※無料配信
――まずは試合の総括をお願いします。
いわきさんとは前回戦った時もこういう戦いになりました。十分いわきさんのストロングを理解した上でまず、そういう空中戦の競り合い、球際の戦い、セカンドボールの拾い合いというのを負けないようにという設定でゲームに入りました。そこに関しては十分気持ちも見せて戦ってくれたと思います。
その中で冷静になってみると、準備してきたようにもう少し幅を使ったりとか、当然前に圧力が強いいわきさんのディフェンスラインの背中にしっかりボールを送り込んでキープする、もしくはセンターバックの脇で時間を作るところをもう少しできたらよかったんですけれど、なかなか選手のコンディションを含めてそこが試合の中で出ませんでした。
選手に言ったのは、最低限の勝ち点1であるということ。一番強調としていた「戦う」という意味では戦ってくれたので感謝しています。反省することはいろいろあるんですが、1は取れたかなと思います。
――活動停止期間があって、久々のゲームの選手もいて、三浦コーチもおっしゃっていたようにコンディションの部分も不十分な選手がいたと思いますが、実際ゲームになってみてどの程度影響を与えたのか、自分たちがやりたかったことに対してコンディションが与えた影響はどうみていますか?
直接コンディションにつながるかどうかはわからないですが、たとえば前回対戦だったらスタメンで起用した横山と小松蓮がいい形でディフェンスの背後や脇で起点をつくって、その時間を作って全体を押し上げる攻撃が(サンプロ)アルウィンでできていました。そこに関しても今回イメージしていたんですが、なかなか横山がいつもより体が重そうな感じに見えたし、若干ブレーキになったのかなと。
あとは途中交代で入れた選手もちょっと若干コンディションの面で乗り切れてなかったのかなと感じます。ただ、それは結果的に使って分かったことなので、後悔はしていないです。
――いわきは無得点のゲームが今までに1試合しかありませんでした。そのいわきに対してあれだけ攻められましたが無失点。戦術面やゴール前での粘り強さなど、そういう部分での手応えはいかがでしょうか?
それは僕自身がコーチとして名波監督の下でずっとやってきた中で、守備の所に関してはコミュニケーションを取ってきました。名波監督が一番強調していたのはクロスがストロングなチームであれば絶対にクロス入れさせないで圧力をかけること、シュートをまず打たせないようにするところをまず徹底していました。もちろん脅かされたシーンはあるんですが、そういう部分が積み重なってきょうの無失点につながったと思います。
あとはやっぱり一人ひとりがサボらない。全体は中を締めてコンパクトにした中でちゃんとゴールから出ている。中のマークを絶対にずらさない、外さないということが徹底していたからこういう結果になったと思います。
――――先ほども言及がありましたが、サイドチェンジを含めた幅を使った攻撃の回数も限られましたし、そもそも横山選手が裏を狙う前の段階でなかなか横へ振ることもあまりできなかったようにも見えました。それはやっぱり出し手の問題であるのか、その辺の要因はどのようにご覧になりましたか。
これひとつ、とは挙げられないと思うんです。言い訳にするつもりはないですが、ピッチに水が撒いていなかったり、あとはいつもより硬いのでボールが弾んだり。いつも私たちがやっているアルウィンとかかりがねとかとはグラウンドコンディションが違ったので、そういう意味ではコントロールに手間取ったりしました。あとはいわきさんの圧も他のチームより速いので、空いているはずのところをそこまで見つけられなかったのもありました。何回かはサイドを使ってチャンスになりましたが、その数があまりにも少なかったように思います。
――ここで勝ち点1を積んで試合数も他チームと並びました。ここからまた遠方のアウェイが2試合続きますが、そこに向けて得られた収穫、次に繋げていきたい部分はいかがでしょうか?
監督が不在という中で、もちろんコミュニケ―ションを取りながらトレーニングをしてきたんですけれど、先ほどと重複してしまいますが、キワのところ。いわきさんのスタイルは間違いなく決まっているので、そこのところで絶対にひるまないようにしようという部分で、まずそれをやってくれたというところが次につながると思います。実際その勝ち点1をアウェイで最低限挙げられたということは、これが次の鹿児島もしくは北九州、もっと先のどこかで必ず生きてくると思っているし、そういう意味では本当に絶対につながると信じています。
――改めて試合を迎えるにあたって、名波監督とのやりとりは?
ほぼ毎日連絡を取り合って練習のメニューのことから話をしていました。「基本的には現場に出られないので、肌感覚だったりリアルなことは分からないからフミに任せるよ」と言ってくれていました。ただそうは言っても名波監督が作り上げたチームなので、そこは練習を含めて密に連絡を取って、もちろん映像も全部自宅でチェックしてアドバイスももらったし、そういった形でやりました。
もちろん前回の八戸、今回のいわき戦も「勝ったら首位になる」というチャンスが連続してきたので、ミーティングの時にもそのことはぜひ伝えてくれと言っていました。なかなか「2試合連続で勝ったら首位」というシチュエーションはないので、そこは選手に伝えました。ただそれで勝てなかったのは正直、悔しいです。