【イベントレポート】新加入選手発表記者会見 ※無料配信
2023シーズンの新加入選手発表記者会見が7日、松本市内で開かれた。新加入選手11人と、一新したコーチングスタッフ5人が出席。新たなスタイルで捲土重来を目指す今季の山雅に、どんな思いを持ってやってきたのか。会見の要旨を記す。
神田文之社長 ここ数年、クラブとしてトップチームの結果に苦労している現状で、さまざまな課題を改善すべく、監督を含めたスタッフ、選手の編成について議論をしてきています。昨年末にも多くのファン・サポーターの方々に、そういった苦しんでいる課題であったり改善したい部分を示してきました。その中で今回は新しい選手、スタッフとご縁をいただき、その状況の中でクラブがどんなことを考えてどんなチームを作っていきたいか少しずつ伝わっていく形になればと思っています。
下條佳明SD 2023年度のシーズンは、昨年と一昨年を振り返った中で、より攻撃的で主体性のあるサッカーにチャレンジしたいと思っています。目標はもちろん昇格。その部分のところで、総勢6名の指導スタッフとなりました。たまたまでもあるし流れでもありますが、全員が新しい指導スタッフです。それぞれの機能をそれぞれの役割で果たしていってほしいと思います。それから選手の編成は総勢11人で、期限付き移籍から戻る選手も含めて新たに14人。フィールドプレーヤー30人、GKを含めて34人ということで大きな所帯にはなりますが、新たな目標に向かってチャレンジしてまいりたいと思っています。
#7 ルーカス ヒアン(FW)
「日本でのプレーは初めてとなります。チャンスメーカーでありゴールゲッターであるということで、期待されるブラジルの若手です」(下條SD)
自分の特徴はドリブルと得点力です。街の印象はとてもきれいで、素晴らしいと思いました。
――数字も含めた今季の目標を教えてください。
まずはケガをしないこと。背番号が7なので7ゴール7アシストを目標にしたいです。
――初めて挑戦するJ3への印象と、日本に知り合いの選手はいるかどうかを教えてください。
チームはそれぞれだけど「ポゼッション率が高いな」というのが第一印象です。サッカー自体の強度もみんなよく走ると思うので、早く慣れてチームの力になりたいです。あとは清水のカルリーニョスと仲がいいです。
――きょうこの会場へどんな思いを抱いて来て、今季どんなプレーをしたいか、改めて聞かせてください。
今はすごくワクワクしていて、早くシーズンが始まらないかなと思っています。明日もし試合だとしても臨めるくらいの気持ちです。きのう来たばかりだけど街が好きになったし、街のために頑張りたいです。目標はJ2に昇格することです。
#11 喜山 康平(MF)
「皆さんおなじみの選手です。岡山からの加入となります」(下條SD)
ファジアーノ岡山から来ました。松本山雅でプレーするのは7年ぶりです。またこうして松本の街で山雅のユニフォームを着て、(サンプロ)アルウィンで戦えることをすごくうれしく思っています。本当に山雅に関わる全ての人々と必ず昇格して喜び合えるシーズンにしたいです。
プレーの特徴は左利きなので左足のキックは見てほしいです。あとはプロ18年目になり、地域リーグから上のカテゴリまで色々な経験をしてきたので、それをこのチームに還元したいです。
久しぶりの松本の印象は…きょうは思ったより寒くないですね。あとはお昼にそばを食べましたけど、やっぱりおいしかったです。1年間よろしくお願いします。
――数字も含めた今季の目標を教えてください。
チームとしては必ず優勝。そのために自分の全てを出したいと思っています。
――ベテランと呼ばれる年齢でもあります。いちプレーヤーとしてだけでなく、培ってきた経験を伝えていく役割などについてはどのように考えていますか?
ピッチに立ったら年齢は関係ないと思います。高校生であろうが30代であろうが、ポジションを奪い合うライバルであり仲間。そこはまず、自分のポジションを奪うために日々全力を尽くしたいです。
ただ、気付いたことであったりチームにプラスになること、勝つために必要なことは要求し合える集団になれるように、これからみんなでやっていきたいと思います。
――2016年に山雅から離れていた期間、山雅に対して思っていたことはありますか。また、昨季限りで田中隼磨選手が引退となりました。「山雅の流儀」を知っている立場として何か思うところはありますか?
離れている時の印象。去年に関してはJ3は何試合かしか見ていなくて、J3も難しいリーグだなと感じていました。一昨年(2021年に)対戦した時の印象だと、相手としては戦いやすい相手だなと感じながら試合をしていました。ただ、今年は選手も替わって監督も代わって、また新しいチームになります。どのチームからも「戦いづらいチームだ」と思われるようにみんなでしたいと思います。
(田中)隼磨くんに関してはここ何年かはケガで、チームに貢献したくてもできないもどかしさがあったと思います。このクラブに対する愛だったり想いだったり。(自分も)5年間在籍していてそれがあるので、自分なりのリーダーシップでこのチームを引っ張っていければと思います。
――きょうこの会場へどんな思いを抱いて来て、今季どんなプレーをしたいか、改めて聞かせてください。
岡山を退団して真っ先に思い浮かんだのが、またこのクラブでプレーしたいということでした。今ここにいられることをうれしく思っています。それと同時に、しっかりと恩返しをしなければいけないと思います。
#23 滝 裕太(MF)
「攻撃のチャンスメーカー、ゴールゲッター、FKのキッカーとして期待しています」(下條SD)
特徴はゴール前の仕掛けだったり、シュートだったり。そういうところを見てほしいです。1年間よろしくお願いします。
――数字も含めた今季の目標を教えてください。
ゴールとアシスト合わせて2桁です。あとは、シーズンを通して出続けることが目標です。
――きょうこの会場へどんな思いを抱いて来て、今季どんなプレーをしたいか、改めて聞かせてください。
「絶対にJ3で優勝してJ2に昇格する」という強い思いがあります。その中で自分のプレーを出せればいいなと思っています。
#28 藤本 裕也(DF)
「左利きのサイドバック、もしくはセンターバックとして期待しています」(下條SD)
関東学院大学から来ました。左利きでビルドアップが特徴。効果的なパスを数多く出してチャンスを作っていきたいです。松本はとてもきれいな街で住みやすいと思いました。
――数字も含めた今季の目標を教えてください。
自分はまず、試合に出続けて安定してプレーしたいと思っています。
――きょうこの会場へどんな思いを抱いて来て、今季どんなプレーをしたいか、改めて聞かせてください。
緊張して会場に来ました。「これからやっていかないといけない」という気持ちを強く思っています。エネルギーを出してチームを盛り上げていかなければいけないと思います。
#30 國分 龍司(MF)
「中盤のゲームメーカー的なアタッカー、ゲームメイクに関わるパスワークなどの特徴があります。大学ではキャプテンを務め、リーダーシップも期待されます」(下條SD)
たくさん走ってたくさんボールに関わって、攻撃を組み立てていければと思っています。松本はとても寒くてびっくりしていますが、松本山雅のファン・サポーターの方々はとても熱い応援をしてくれると思うので、その応援の中でプレーできることを楽しみにしています。
――数字も含めた今季の目標を教えてください。
攻撃的な選手なので、5ゴール5アシストを目指したいです。
――きょうこの会場へどんな思いを抱いて来て、今季どんなプレーをしたいか、改めて聞かせてください。
1年目ですが、そんなの関係なくがむしゃらに食らい付いて、一つでも多くの勝利に貢献したいと思います。
#33 新井 直登(FW)
「FWと1.5列目を器用にこなす選手です。シュート力にも期待されます」(下條SD)
自分の特徴はボールを持った時の推進力やシュートです。たくさん得点に絡んで、勝利や昇格に貢献したいです。松本には昨日から来ていますが、すごく景色や空気がきれいで、住みやすい環境だと感じました。
――数字も含めた今季の目標を教えてください。
攻撃の選手なので1点でも多く取りたいです。アシストでもいいので貢献したい
――きょうこの会場へどんな思いを抱いて来て、今季どんなプレーをしたいか、改めて聞かせてください。
1試合でも早く試合に出て得点とかアシストで貢献したいという強い気持ちを持っています。ファン・サポーターの方々に応援してもらえる選手になりたいです。
#37 志村 滉(DF)
「センターバックとしてのアプローチの速さ、コーチング、アグレッシブな守備を期待しています」(下條SD)
粘り強い守備が特徴です。体を張ったプレーで山雅を勝たせられるように頑張りたいと思います。松本は寒い地域ではあると思うんですが、東北出身(宮城)なのであまり寒さを感じずに過ごしやすいと思っています。
――数字も含めた今季の目標を教えてください。
自分が出た試合は無失点で勝てるように頑張りたいです。
――きょうこの会場へどんな思いを抱いて来て、今季どんなプレーをしたいか、改めて聞かせてください。
まずは「これから始まるんだ」というワクワクした気持ちがあります。それと同時に早く緑のユニフォームに袖を通して戦いたいと思っています。
#38 濱名 真央(MF)
「すでに(昨季)特別指定選手として出場しています。攻撃の切り札として期待しています」(下條SD)
ゴール前の仕掛けやシュートが特徴。1日でも早く(サンプロ)アルウィンでプレーができるように頑張りたいと思っています。
――数字も含めた今季の目標を教えてください。
5点と5アシストを目標に頑張りたいです。
――きょうこの会場へどんな思いを抱いて来て、今季どんなプレーをしたいか、改めて聞かせてください。
とても緊張しつつワクワクした気持ちでいっぱいです。早くアルウィンでプレーできるように全力でプレーしていきたいです。
#42 田中 想来(FW)
「アカデミーからの昇格で、すでに(2種登録などの昨季に)試合出場もあります」(下條SD)
自分はユース出身で、このクラブにはたくさんお世話になりました。最大の目標である昇格に貢献して恩返しができるように頑張りたいです。
――数字も含めた今季の目標を教えてください。
FWなので1年目ということで、まず5点を目標としてチームに貢献したいです。
――きょうこの会場へどんな思いを抱いて来て、今季どんなプレーをしたいか、改めて聞かせてください。
「今年からプロになる」という自覚を持ってここに来ました。できるだけ長い時間ピッチに立って貢献できるように頑張りたいです。
#48 藤谷 壮(DF)
「右サイドバックとして、スピード感あるドリブルと攻撃参加が特徴です。チャンスメーカーとして大きな期待をしております」(下條SD)
スピードが特徴なので、それを生かしたプレーを見ていただけたら。松本の印象は去年対戦して、スタジアムの雰囲気がすごかったです。ファン・サポーターが熱狂的なんだと思っています。勝利に貢献できるように頑張っていきたいです。
――数字も含めた今季の目標を教えてください。
サイドバックなので、5アシスト。あとはケガなくプレーできるようにしたいです。
――きょうこの会場へどんな思いを抱いて来て、今季どんなプレーをしたいか、改めて聞かせてください。
「J2に昇格する」という覚悟を持ってここに来ました。
#49 渡邉 千真(FW)
「9番のポジションで、ベテランとしてのプレーにも大きな期待をしています」(下條SD)
特徴はゴールを決めることだったり前線で起点になることで、そういう部分で貢献していきたいと思っています。松本の街はまだきょう来たばかりなのでそこまで詳しくないですが、『寒い』というイメージと蕎麦がおいしいと聞いているので楽しみにしています。
――数字も含めた今季の目標を教えてください。
具体的な数字で言えば2桁以上ゴールをしたいと思いますし、チームの目標であるJ3優勝してJ2昇格できるよう戦いたいと思っています。
――ベテランと呼ばれる年齢でもあります。いちプレーヤーとしてだけでなく、培ってきた経験を伝えていく役割などについてはどのように考えていますか?
ここに来て最年長ということで、僕より若い選手がたくさんいます。相談されれば相談に乗るし、プレーも背中で引っ張っていったり、見本とされるような選手でいたいと思っています。
――きょうこの会場へどんな思いを抱いて来て、今季どんなプレーをしたいか、改めて聞かせてください。
このクラブに評価してもらい、必要としてもらえたのでここに来る決意をしました。来た以上はクラブのために、自分の持っているものを全て注いで全力で戦いたいです。
新加入選手の会見に先立って、新任コーチ5人の会見も行われた。概要は以下の通りとなっている。
早川 知伸コーチ
まず最初にこのクラブに来させていただいたことに非常に感謝しています。霜田監督をはじめ神田社長、下條SDのご尽力あってのことだと思います。まず私は20年間横浜FCに所属しており、選手としてもコーチとしても監督としても経験させていただいております。その経験を十分にこのクラブで出していきたいと思っていますし、本当に覚悟を持ってこのクラブに来る決断をしました。
――指導陣が一新して、フラットな状況から作っていくことになります。キャンプでボタンの掛け違いなどがあればシーズン全体に響いてしまう懸念もあります。その中でどのようにすり合わせていきたいでしょうか?
一番大事なのは一体感。選手、スタッフ、クラブと全てが一体感を持って目標にしっかり向かっていかなければいけません。自分たちがどうするべきか、何をするべきか。それを考えてそれぞれが役割を持ってできればいいと思います。
――横浜FCに在籍していた渡邉千真選手もこのたび、同じタイミングで山雅へ来ることになりました。このチームに還元してもらえそうなことなど、一緒にやっていたお立場から思うことはありますか?
やはり一番の特徴は、(ペナルティ)ボックス内で点を取る仕事に長けているということです。そこは自信を持って皆さんにお伝えできます。右も左も頭もなんでもできるし、実績もご存知の通りです。
クラブとしてもセンターフォワードとしてフォーカスして点を取らなければいけない時、十分な実績や経験、今できることも含めて戦える戦力ということで判断されたと思います。
ベテランではありますが、若手の見本になれる素晴らしい人間性の持ち主でもあります。そういった部分を期待していただければと思います。
――ベテランという観点からすると、長く在籍された横浜FCは、三浦知良さん、中村俊輔さんをはじめとしてベテランの選手が範を示すチームであったように思います。年長者の存在意義を大きく感じていたのではないかと思いますが、いかがでしょうか?
ベテランのチームの役割は、チームのことも考えながらやらなければいけないものです。選手同士への影響は非常に大きいものがあり、コーチ以上のところで相談できる仲でもあります。自分自身も監督の立場ではありましたが、三浦カズさんや中村俊輔に相談して決めることもありました。コミュニケーションを取れるしチームに必ず貢献してくれるのは間違いないと思います。
――「覚悟を持って」という言葉が冒頭にありました。長く在籍した横浜FCから外に出て、山雅に来るという選択にはどのような経緯と重みがありますでしょうか?
私自身は2021シーズン途中から監督をさせていただいて、J2に降格させてしまうという結果がありました。本来であればその時点でクラブを去らなければいけないという思いでいましたが、その中で横浜FCがクラブとして残してもらえるということに感謝する中で、やはり2022シーズンは必ず1年で昇格することが自分にとって立場は違えど恩返しであり、自分の役回りであると考えたシーズンでした。
本来であれば2021シーズンの時点で監督をやった瞬間から去らないといけないという考えでやっていました。その中で新たなクラブに行く際にまずお声をかけてくれた霜田監督の「一緒に仕事をしよう」という言葉から、一緒にやりたいという思いだけで今回の決断に至ったところです。
20年同じクラブで仕事をしていたので、自分の知っていることが横浜FCのことだけになっている部分もありますし、もっと成長して学ばなければいけないという中で決断に至りました。最終的にはこのクラブで結果を出すということ。昇格、その先のJ1へということも考えて経験を還元していければと思っています。
坪井 健太郎コーチ
昨シーズンは鹿島アントラーズのトップチーム、その前は東京ヴェルディの強化部で仕事をしていました。松本山雅とは2020年にJ2で対戦したのを覚えています。その時に印象的だったのはアウェイで、(12月開催で)大雪の中で試合をしたことです。あの試合はスタジアムに来ることはなかったですが、松本山雅のホームゲームというのは、対戦相手からするととてもやりづらいスタジアムだということを聞いています。私自身も楽しみにしています。このクラブでは街と多くのサポーターに強く支えられて戦いができると、いろんな方々から聞いています。そういった環境下で大きな目標に向かってチャレンジできるのは、非常に楽しみです。
役割は主に個人的な能力、パフォーマンスを高めるアプローチをしたり練習のメソッドの組み立てなどです。
――個々を伸ばしていくアプローチの中で、選手に求めたい姿勢やスタンスはなんでしょうか?
チームスポーツとしてやっている中で、個人が何を考えてプレーするかが非常に大きな影響を持っていると思っています。特に今シーズンはこのチームにおいて頭によぎるのは昇格という言葉。昇格をするチーム、その中でプレーする個人において重要なのは、「強いかどうか」ではなく「昇格にふさわしいか」だと私は考えています。
なので個人的な心持ちであったり、選手が「自分たちは昇格にふさわしいチームの一員になった」という気持ちを持つことがとても重要だと思っています。そういう振る舞い、トレーニングに対する準備、取り組み、ケア、オフザピッチの過ごし方。それぞれが相応しい考え、取り組みができれば自ずと大きな目標である昇格に近付くと私は考えています。
武石 康平コーチ
まずはこのクラブに来させていただいた感謝の思いがあります。強い覚悟を持って取り組みますし、松本山雅に来たからには何を求められているのかは重々承知しています。
役割としては霜田監督とは山口時代にずっと仕事をさせていただいていて、その時から一番理解しているつもりです。それを選手に浸透させて躍動してもらえるように心がけて指導したいです。
霜田さんが山口に来て一番最初に言ったのが「圧倒的な準備をしなさい」ということ。「これで大丈夫」という基準を捨てるということで、準備のところは本当に自分も大事にしています。日常全てを松本山雅の勝利のために尽力したいです。
――「圧倒的な準備」はやればやるほどキリがないものでもあると思います。霜田監督のもとでどのように向き合って来たのか…ということと、近くでご覧になっていた霜田監督の仕事へのスタンスというのはいかがですか?
常に自分が臆病であること。「これを伝えたら選手が迷うかな」とか、伝えようとしたことに対して限界まで突き詰めて、納得したことを共有します。それには当然限界があって、2018年に大学卒業して1年目に映像を見直すと質的には今の方が高いし、日々成長していくことが大切。選手と一緒に成長していければと思っています。
霜田監督のスタンスに関しては、ロマンチストかリアリストで言ったらリアリスト。理想とするサッカーの中で再現性のある攻撃を落とし込もうとしてプロセスにこだわりますけど、やはり結果です。しっかりサポートしていきたいと思います。
國保 塁フィジカルコーチ
歴史ある街、歴史あるクラブでやらせていただくことに感謝しています。実はフィジカルの要素はとても広い領域で、フィジカル自体が勝利に直結するものではないのかもしれません。ただ今はこれだけサッカーのインテンシティが可視化される状況になってきた中では、切っても切り離せない状況になってきました。
昨年末のワールドカップのように1カ月の短期決戦ではなく、8週間の準備で10カ月のリーグ戦を戦わなければいけないので、コンディションに波があってはいけません。10カ月、いい状態を保って生活しなければいけません。そういう部分で非常に重要な役割です。また、私自身も学ばなければいけないことがたくさんありますが、これまでに得てきた経験と必要な知識を最大限に発揮して、チームのために選手のために監督のために尽力したいです。
――指導陣が一新して、フラットな状況から作っていくことになります。キャンプでボタンの掛け違いなどがあればシーズン全体に響いてしまう懸念もあります。その中でどのようにすり合わせていきたいでしょうか?
具体的な話になりますが、まだミーティングを重ねている最中です。今シーズンは例年よりも2〜3週間オフが長い。おっしゃる通りで負荷の設定を間違えるとプレシーズンのところでケガ人が出るリスクがあります。その点に関しては十分に留意しなければいけないので、プランニングを進めているところです。
また、みなさんご存知とは思いますが、サッカーの世界にはテクノロジーがたくさん入ってきていて、選手も情報をたくさん持っています。動画でメソッドも簡単に手に入るので、そういう部分もうまく利用しながら開幕戦に向かって準備をしていきたいです。
キャンプが長いメリットは一体感が持てること。食事や睡眠の管理をしやすいこともあります。どうしても自宅から通うとコロナの感染が出たりもしますので、そういった部分の管理もきっちりすればいい状態で開幕に向かって準備ができるのではないでしょうか。
吉本 哲朗GKコーチ
これまでに培ってきた経験を覚悟を持って、昇格という目標を達成できるように、全員で勝利を分かち合えるように、スタジアムにたくさん来ていただけるサポーターの皆さんともたくさん分かち合えるようにしたいです。昇格のために、GKは重要なポジション。セットプレーも含めて全力で選手をサポートしていきたいです。
――同じ長野県のAC長野から来ることになりました。その点については何か思うところはありますか?
さまざまなことを正直、考えました。昨年まで長野にいたけど信州ダービーに対してそれぞれの想いがあって、僕自身も去年は負けたくない気持ちがありました。
ただ、今はそういうことではなくて、この松本山雅が一戦必勝で戦うこと。昇格という目標を達成できるようにすること。その思いが強いし、毎日取り組んでいきたいと思っています。近いチームではあるかもしれないですが、そういう部分はリセットした中で今回は決断しました。
構成/大枝 令