【キャンプレポート】本州最南端の地で いざキャンプイン
山雅の第1次串本キャンプが22日、スタートした。霜田監督のスタイルの導入部はすでに松本で落とし込まれており、串本ではより細部にわたってプレーモデルなどを浸透させていきたい考え。2月4日のプレシーズンマッチ・神戸戦を一つのターゲットとし、13日間のキャンプでチームの土台を構築する。
和歌山県串本町。紀伊半島の突端に位置するこの地は、本州最南端にふさわしい温暖な気候で出迎えてくれた。初日からトレーニングは2部練習。9時30分にスタートした午前練習では、ピッチ外周を走るミドルパワーを2セット消化したあと、ボールを使ったメニューに取り組んだ。
コンパクトなフィールドでの7対4からスタートし、11対11を2種類。サイドバックを効果的に使うボールの運び方や動かし方を確認することに加えて、守備側には複数で素早く囲むプレスも落とし込まれていた。
國保塁フィジカルコーチが主導するフィジカルの要素をボールトレーニングの間に挟む。ボールトレーニングの中で走りながらも、要所でこうしたメニューを交えて強度を確保。技術、戦術、身体作りが渾然一体となった「コンプレックス(複合的な)トレーニング」で全てのファクターを引き上げていく。
15時30分スタートの午後練習も同様に、ボールを使ったトレーニング。少数の守備側がタイミングを合わせてスライドすることなど、プレスのかけ方やボールの奪い方などを確認した。相手のプレーの質を下げさせ、ロングボールに逃げさせるよう連動した動きをすることがポイントとなる。
17時。夕陽が太平洋の向こう側に沈み始めた頃、全体練習が終了した。
串本キャンプでは1月28日に大阪体育大、29日にはアルテリーヴォ和歌山とのトレーニングマッチが組まれており、それまでの6日間は全て2部練習の予定。トレーニングマッチも含めて全て一般公開となっている。サッカーに打ち込める恵まれた環境で、霜田監督の描く新たなスタイルをみっちり浸透させていく。
霜田監督と、取材に応じた選手4人のコメントは以下の通り。
霜田 正浩監督
ーー松本でのトレーニングの振り返りと、串本でのイメージについて教えてください。
松本では誰がどのくらいできるのか、誰がどのポジションをできるのかも含めて、あまりポジションとかシステムとかは決めずに、とにかく今年のチームのプレーモデルの大枠をきちんと理解させるようなトレーニングが多かったです。ある程度そこで「誰がどのくらいできそうだ」「どのポシジョンが合いそうだ」「誰と誰が合いそうだ」などはだんだん分かってきました。ここ串本のキャンプでは(2月4日のプレシーズンマッチ)神戸戦までしっかりチームでのプレーモデルをみんなで理解して、トライするというキャンプにしたいと思っています。
ーーグループ戦術、チーム戦術も松本の段階からある程度進めていたイメージもありました。
松本はあまり具体的に言っていないですが、プレーの概念をちゃんと理解してもらいたいと思っていました。そこからだんだんディテールに入ってくるというか、チームとしての骨格をこれから作っていきたいと思っています。時間がたくさんあるので、今回は全体像からみんな理解をして、だんだん部分のところに落とし込んでいきたいと思っています。
ーーまずは概念を理解すれば、具体的にどうすれば良いのかはおのずと答えが出るようなアプローチになるのでしょうか?
僕らが意図的にボールを動かせば、相手がどうやってくるかというのはある程度予測できるところもあります。プレーの概念はちゃんとみんなで理解して、理解した人同士が共有して、共有している人数を2人から11人まで増やせるプロセスをこのキャンプでやっていきたいと思っています。