【試合後コメント】霜田 正浩監督 プレシーズンマッチ 神戸戦 ※無料配信

――まずは試合の総括をお願いします。

お疲れさまでした。遠い松本から大勢のサポーターが来てくれて、シーズン前とはいえ実戦の準備がしっかりとできたという意味では、このプレシーズンマッチを神戸さんが企画して、松本を相手に選んでいただいて本当に感謝しています。すごくいい機会になりました。

試合の方はもちろん、日本を代表するような選手たちが相手にいるので、その中で我々が今どこまでできるのか、練習を始めてからどのくらい頭と身体が連動して動くのか、というのがテーマでした。できたシーンもあるし、全然できなかったシーンもありました。選手にも言いましたが、これをスタンダードにして、この相手にもできるようなサッカーをやりたいと思います。この中でできるような選手になれば、おのずと我々の目標が手に入るのではないかと思います。そういう意味では、いろいろな選手にこの基準を体感させてあげられたことがきょうの一番の収穫です。その中でもチャレンジをしている、挑戦するということが最大の収穫だったと思います。

――できたシーンとできなかったシーンについて、それぞれ具体的に教えていただけますか?

我々はまず「どう相手のボールを奪うか」ということと「奪ったボールをどう相手のゴールに運ぶか」をセットにしてキャンプから練習してきました。もちろん技術やクオリティの高い相手には簡単にボールは取れないですが、その中でも前線から連動したプレスで相手にボールを蹴らせて回収をする部分は意外にできたかなと思っています。

ただ取ったボールをまた取られてしまったり、それをシュートまで繋げられなかったということが大きな課題。そこはこれから突き詰めていきたいと思っています。ゴールキックから、下からボールを大事にして運んでいくことに関しては、まだまだ道の途中です。もう少し上から見た俯瞰図が選手の頭の中に描けるようになれば、しっかりとした立ち位置で、しっかりとしたパススピードで、しっかりとしたファーストタッチでボールがもっともっと回るようになります。そのクオリティを上げるための画のデザインを頭の中で理解する作業を、これから1カ月かけてやりたいと思っています。

――前半30分過ぎからボールを前進させられる機会増えてきた印象はありますが、後半に6人を替えて以降、質や回数、強度も減ってきてしまったように感じます。属人的になってはいけない部分もあると思いますが、そのあたりの評価はいかがでしょうか?

なぜきょうこのメンバーがスタートのイレブンだったのかが証明されてしまったゲームかなと思います。ただ先ほども言ったように、この基準を体感してほしいと思ったので、6人替えられるならできるだけ6人を替えたい。ケガ人が出ても10人でやればいいと思っていたので、1人でも多くの選手に神戸さんのプレッシャーの速さ、ボール回しのうまさを体感してもらって、ここを基準にしてこれから先のトレーニングをしたいと思っていました。選手が替わってチームとしてのクオリティが下がってしまうことに関しては、あまり問題視していません。

――後半は裏にボールを流されて、2センターバックが剥き出しになってしまうような現象が見られました。そのあたりの要因や対策はどう考えていますか?

基本は後ろのセンターバック2枚で、相手が2トップでも同数で守れるようになってほしいです。その後ろにはGKがいるので、ハーフウェイライン50メートルを2対2でそのままぶっちぎられるということはなかなかないと思っています。きょうは後ろが同数になったとしても、勇気をもって前からはめにいく、前から取りにいく。その結果相手が攻め残りしていたり、人数が残っていたり。そういうところで逆にカウンターを食らうシーンがありましたが、それを怖がって下がっていてはなかなか前からボールを奪えません。きょうはそこで思い切ってやられてもいいので、リスクをかけようという話をしていました。

――スタメン11人の起用の意図と、格上が相手の中でどんなプランを落とし込みましたか?

かなり和歌山で追い込んできていましたし、90分やるのがきょう初めての選手もいる中でした。ただ、こういう良い機会を単なるコンディション調整のためのゲームにしたくなかったので、現時点で一番戦える選手を11人に入れました。

ただそのメンバーで90分戦おうとは全く思っていなかったので、18人の中で選手にプレータイムを与えて何ができるかという見極めの時間でもありました。相手がこういう格上なので、引いてブロックを作って0―0の時間を長くして、ワンチャンスにかけるというようなことが公式戦だったらあり得ると思いますけど、それだとキャンプで準備してきたことと全く変わってしまいます。キャンプでやってきたことを一つでも神戸さん相手に出せるかというチャレンジがきょうの試合のテーマだったので、それを先発メンバー、あるいは2試合目の(トレーニングマッチの)メンバーも、自分のできる範囲のプレーをトライしてくれたと思っています。