【キャンプレポート】3ゴール挙げて勝利も 攻守の改善点は多々 ※一部無料
第2次鹿児島キャンプ第5日は12日、一般非公開のトレーニングマッチ(45分×2本)を行い、2-2と1-0の合計3-2で勝利した。トレーニングしてきた通りのイメージ共有からネットを揺らすなど計3ゴール。その半面、攻守とも課題があぶり出される一戦となった。
前日と同様に、対戦相手は非公開。ブロックを形成して縦に鋭く攻めてくるスタイルだった。山雅はこの日もセンターバックとボランチを軸に攻撃を試みる。そして11分。高い位置でパスカットして攻撃に転じると、菊井が中央右寄りから斜めに深いボールを入れる。左サイドバックが追い付いて折り返し、ルーカスヒアンが合わせた。
J1神戸とのトレーニングマッチでは、自ら得たPKを外していた若きブラジル人ストライカー。この一撃で肩の重荷が下りたといい、29分にも再びゴールをたたき込む。この得点は、チームとしての狙いを実戦で再現するものだった。
ボールを前に運び、敵陣右サイドで村越と宮部がテンポよくパスを繋ぐ。タイミングを合わせて菊井が裏を取り、そこに絶妙なスルーパス。右から折り返すと、最後は逆サイドからゴール前に侵入していたルーカスヒアンが仕上げた。
3点目も、同様に流れの中から奪った。2本目の29分。中央から右サイドに広げ、細かく繋ぎながら國分が折り返す。これを田中が詰めてネットを揺らした。田中は直後にも米原のパスに反応して裏を取り、タイミングぴたりのシュート。これは惜しくも相手GKの好セーブに阻まれた。
前日に2失点したカウンターのケアも意識。相手の推進力に手を焼いて背走しながらのアプローチもあったものの、水際で食い止めて事なきを得た。村越、菊井、鈴木らはロストしてからの切り替えも早く、連動しながら速やかに寄せて即時奪回するシーンもあった。
ただ、チャンスに至った数自体は、攻撃の試行回数を考えると少ない。原因の一つはセンターバックとボランチからの縦パス。特に後半は、刺し込む回数が前日より格段に減少した。サイドバックを使って遊びのパスを入れたり前線がパスコースに顔を出したりと、相手の配置に応じて工夫があってもよかった。
1本目の2失点はカウンターではなかったが、個の強さに押されるなどで対処し切れなかった側面も。2本目は失点こそなかったものの、最終ラインの2人がかわされても相手のシュートが外れたり、ピンチを招いてもGK神田の連続セーブで難を逃れたりと、冷や汗をかかされるシーンが見られた。
2日間のトレーニングマッチで、成功も失敗も体験した。これら全てを糧に、チームは再びブラッシュアップに取り組んでいく。この日の90分間で得られたものと課題は何か。霜田監督のほか、選手2人に話を聞いた。