【試合後コメント】第1節 奈良戦 ※無料配信

下川 陽太(MF)

――開幕戦を振り返っての印象はいかがですか?

開幕戦で勝てることは非常に大きいことです。しかもキャンプ地からそのまま(奈良に)来てという部分では、みんなフラストレーションなどが溜まった中での試合でした。でも積み上げてきたことをピッチで表現して、なおかつ勝って帰ることができるのは本当にすごくプラスだと思っています。

まず試合の入りは僕たちがやりたいことをやれました。途中で相手に2本連続で危ないシーンを作らせてしまったけど、それ以外のところはやらせていないし、CKも多分取らせていません。なおかつPKだけど点を取れたのはすごく良かったと思います。

ただ後半に入って、少し後ろに重たくなる時間がありました。やられはしなかったですけど、そこをもっと後ろからどんどん押し出してラインを上げていかないと。全部が全部取りには行けないので、取りに行くところと行かないところを判断して、もう少しうまく試合運びをできたのではないかと思います。

――前半から左サイドでクロスを入れたり、攻撃のポイントとなっていました。

ボランチがボールを持った時にどこが空くのかはわかっていたし、相手も(守備時は)4-4-2で、サイドにウイングがいない分だけスペースがあると思っていました。そこで僕がフリーになった分だけクロスを上げられたけど、2本GKにキャッチされてしまいました。読まれていたのか、僕のボールが悪かったのか。もう少し点で合わせていければいいと思います。

――練習通りの形が出たプレーもありました。

はい。でもやっぱり(榎本)樹をもう少しうまく生かしてあげて、相手の背後を取ってそこに流し込んで、樹がクロスを上げる形が今回はなかったです。そこをもうちょっと生かしてあげたいと思います。

――プレスの強度は非常に高かったのではないでしょうか?

相手も多分あれがすごく嫌だったと思います。奈良クラブさんもボールを繋いでくるチームだと聞いてたけど、多分僕たちがうまく繋がせているという言い方ができる試合だったんじゃないかと思います。すごくハマっていました。でも前半が良かったとしても後半にズレが生まれたりとかもあったので、やっぱりそこを修正したいです。

――欲を言えば、キャンプ終盤のようにもっとやりたいことを出したい思いもありましたか?

前半の入りが良かった分、後半になって少し押し込まれました。選手の入れ替えもあったけど、縦に蹴ってしまう場面もありました。やっぱりそこで前半同様に落ち着いて、狙うべきポイントを攻略できればいいと思います。僕自身も、前半と後半で上がる回数にも少し差が出てしまったと思っているので、そういう部分は改善したいです。


菊井 悠介(MF)

――開幕戦で勝利しました。振り返っていかがですか?

もう勝つことは最低条件だったので、きょうの試合でまず達成できたことはホッとしています。ただやっぱり内容の部分では、まだまだ自分たちが練習や練習試合でやってきたことを出せたかと言われたらそこまで多く出せなかったです。

もちろん出せたシーンも少なからずあったんですけど、特に後半はあまり自分たちがボールを動かす展開もなかったので、そこは改善していきたいです。

ただ、グラウンドもパスが繋がりにくい状態だったので、そこまできょうはまだ「良くなかったな」と感じるほどでもありません。切り替えて来週に向けてしっかり準備したいです。

――チームとしてシンプルに裏を使う場面もありました。ピッチ状態も含めての判断だったのでしょうか?

立ち上がりに少し動かしたんですけどボールが足につかなかったり、ターンしたときにボールが跳ねちゃったり。ワンテンポ、ツーテンポとどんどん遅れて結局ミスになって、ボールを失う…というシーンが結構あったので、もう少しシンプルに背後を狙ってもいいんじゃないかと思いました。

あとは相手のボランチが結構下がっていてなかなか縦パスを通すのは難しかった部分もあります。そういう相手もいるし、全部が全部刺し込むわけでもないので、ロングボールも多用しながらという感じにはなってしまいました。

――2点目は中盤でボールに奪い切ったのがカウンターに繋がりましたね。

正直に言うと右足がつっていたので最後のパワーを振り絞って「絶対にボールを取ってやる」という気持ちで行ったら、うまく(村越)凱光のところにこぼれました。あとはこぼれた瞬間に凱光がフリーだったので、もう「1人で行ってこい!」って言ったら本当に1人で行って決めてくれました。「マジか!」ってビックリしました(笑)。

――その前の時間帯から、周囲にプレスを促すようにしていたと思います。どんな狙いだったのでしょうか?

「キツいから下がる」というのは僕の中でなくて、行った方が絶対に楽なんです。行って前で奪った方が5m〜10mのダッシュでボールを奪えるチャンスがあります。グラウンドが良くない条件のは相手も一緒だから、相手もプレッシャーかけられたら絶対にビルドアップは嫌だと思っていました。

自分は行きたかったけど、やっぱりなかなか守備時の形の上でボランチの2人がかなりキツいと思うので、そこでかなりちょっと重くなってしまったんで試合中に話をして少しステイする判断もしました。

開幕戦で見えない疲労とかもあったと思います。やっぱり90分間守備を続けるのはなかなかキツい状況だったと思うし、後ろの声も聞いて下がることも勇気です。そこをしっかり判断した感じです。


小松 蓮(FW)

――開幕戦でゴールを取ることができました。いまの心境はいかがですか?

僕自身、開幕戦でスタートから出るのはプロになって初めてでした。シーズンを通して(ゴールを)量産することを考えると、開幕戦からゴールというのが必須になってきます。(渡邉)千真さんからも「最初にポンと取れるとボールも自然と集まってくるし、自信を持ってプレーできるようになるから、最初に取れるのは大きい」と聞いていました。とにかくゴールを取りたいと思っていて、1点で終わってしまったのは少し悔しいですが、まだまだ取っていきたいです。

――守備のタスクも求められていたと思いますが、そのあたりはどんな意識を持ってやっていましたか?

シモさん(霜田監督)と山口でやっているときから、前線からのプレッシャー、スイッチを入れるところは評価してもらっていました。そこは変わらずベースとしてやって、最後に点を取るということを貪欲にやるように言われていました。そこは変わらずやっていきたいです。

――周囲とのコンビネーションについてはいかがですか?

きょうも(滝)裕太のクロスだったり、(藤谷)壮くんのクロスが前でカットされたり、シモくん(下川)からもそうですし、何回かクロスがありました。裕太のクロスは自分がもう少し早く入っていれば届いていたし、壮くんのクロスも(相手に)当たらなければゴールになっていたと思います。そういうところはイメージしている通りだったので、あとは少しの調整でもっと早く入ったり、もっと早く上げてもらったり、もっと正確に上げてもらったり…。きょうも前半は(相手が)どういう対応をしてくるかというところで、いろいろ会話はできていたので、全然問題ないと思います。

――クロスに対して小松選手だけでなく、複数人が入っていくシーンが多く見られます。

そこがいまのチームの良いところです。ゴール前に複数人入ることによって、きょうは特に(相手の)センターバック2人が見ている状態だったので、ほかの選手が自然と空いてきます。自分がおとりになることも時には必要だと思いますが、基本は自分が決めるというふうに思って入っていくことが重要で、それによって相手が食い付くのが重要です。

――PKを獲得したシーンを振り返ってください。

相手がクロスのときはボールを見ずに、人を囲んでくるのは分析でわかっていました。そこはチャンスだと思って、クロスで常に(相手を)外すというよりは、人に向かって走って動き直せば手で止めるしかなくなります。それは前半からずっとやっていて、レフェリーも「しっかり見ておくから」と言ってくれていたので、狙い通りと言えば狙い通りでした。

――その後のPKのキッカーは志願したのでしょうか?

そうですね。いままで外してきたこともありましたが、きのうもPK練習で1本打って気持ちよく決められました。入るかなと思っていたので、入ってよかったです。きょうはあそこに蹴ると決めていて、それで止められたら仕方ないと思っていました。そんなに考えずに蹴りました。

――山口時代に霜田監督は「センターフォワードは20点くらいに絡めたらいい」と仰っていました。

このサッカーをやっていれば、そのくらいの数字はいけると思います。自分の感覚ではシーズンを通してもっと取れると思うので、アシストも大事かもしれないですが、まずはゴール。1試合に何点も取れるようなストライカーになることと、安定してコンスタントに取れるようなメンタル的な準備だったり、相手の分析を怠らないようにしていきたいです。


野々村 鷹人(DF)

――開幕戦となりましたが、試合前の心境はいかがでしたか?

今まで練習でやってきたことをきょうの試合で出したいというのがありました。(トレーニングマッチの)札幌戦とか熊本戦で良いサッカーができた中で、それが本番でできないと意味がないと霜田さんが言っていました。100%ではないですが、自分たちがやろうとしているサッカーを表現できたと思います。

――守備の中心として、周囲の選手にどんな声かけを意識していますか?

前半の勢いのあるときは前の選手主導で前にいけますが、苦しくなってくる時間は後ろからしっかりラインを上げないと、前の選手もいけなくて間延びしてしまう部分があると思います。そういうときこそ後ろの選手が声をかけて、しっかり押し上げることによってコンパクトにするのが大事です。

――きょうのご自身のプレーを振り返っていかがですか?

常田選手、藤谷選手、シモくん(下川)を含めてラインを押し上げることは大事で、コンパクトにできたときは相手のロングボールを誘うことができたと思います。そこをしっかりやりつつ、もう少しマイボールにできればチームとして自分たちの時間ができます。そこは引き続きやっていきたいです。

――きょうは約1,500人のサポーターが駆けつけました。メッセージをお願いします。

今年のスタートを切るということで、たくさんのサポーターが来てくれました。絶対に勝利が欲しい中で、「今年はどういうサッカーをするのか」というのをみんな楽しみにしていたと思いますし、攻撃で2点を取って、守備で(失点)ゼロに抑えられたことはすごく大きかったです。これを継続しないとたくさんのサポーターには来ていただけないと思うので、良いサッカーをして勝利できるように頑張りたいと思います。