【試合後コメント】霜田 正浩監督 第7節 沼津戦 ※無料配信
――まずは試合の総括をお願いします。
たくさんのサポーターが来てくれて、ホームでなかなかいい結果を出せていなかったので、選手も気持ちも入っていましたし、絶対にきょうは勝ち点3をみんなに届けるという気持ちでした。その気持ちとプレーがなかなか一致せずに、いろいろなところでボールや判定、流れが相手のほうに行ってしまったと思っています。それをなんとか自力で引き戻そうとして何回もやりましたが、最後の最後のシュートがポストに当たったように、相手に流れが行って、きょうは沼津さんが非常に良い試合をしたと思います。そこはやはりサッカーの怖さ、奥深さだと思っていますので、ここでおごることなく、勝てるようなチームを作らなければいけないと思っています。点をたくさん取っても、たくさん取られてしまってはこういう結果になる。できるだけ多くの点を取りたいと思っていますが、やはり失点をしたくないし、シュートをあまり打たせたくありません。もう一回原点に戻って、守備の基本、やり方を修正したいと思います。
――守備ではセンターバックの前のスペースを使われたり、中締めができていなくて縦パスを通されたりしていました。それがずっと続いていたような印象もありますが、あのエリアをどう守っていきたかったですか?
そもそもあのスペースを作りたくないので、センターバックが相手の1トップをしっかりと置き去りにできれば、何も問題がなかったと思っています。センターバック2人には話をしますが、彼らが下がってしまうと、彼らの前にスペースができてしまう。我々は前からプレッシャーをかけに行ってるので、相手が適当に蹴ったボールでも、そこにこぼれてしまうと相手ボールになってしまう。意図的に繋がれるだけではなくて、意図的に蹴られてこぼれ球がそこに転がってしまうと、相手に先に拾われてしまう。そういう仕組みもあるので、できるだけ我々は前からプレッシャーに行ったときに、ディフェンスのラインを上げないといけません。それはずっとやってきましたが、きょうは(沼津の)両ウイングが開いていて、サイドバックも思い切って上がれませんでした。そういうところが後手に回った原因かなと思っています。
――82分に山本選手のゴールで逆転しましたが、試合を締めるためのプランというのはいかがでしたか?
だいぶ足をつっている選手が増えてきたので、戦術的な交代というよりは、コンディションの交代になってしまいました。最後は相手も高い選手を入れて(長いボールを)蹴ってきたりすることが予測されたので、ベタ引きするのではなくて、相手陣地でボールを動かしたかったです。セットプレーで初めて失点しましたが、1シーズンを通してセットプレーで失点を1点もしないチームはなかなかないと思っています。そのセットプレーでの失点がきょう初めて出てしまった。それがあの時間帯の3失点目に繋がってしまったということは、巡り合わせを踏まえて、きょうはそういう日だったと思います。
――前節・北九州戦後に「プレスに行かないとこうなる」というのは共有されていたと思います。なかなかハマらなかった原因はどう考えていますか?
我々が(プレスに)行くというのはどこのチームもわかっています。きょうは相手が比較的繋ぎたいチームだったにもかかわらず、やはり蹴ってきたところもあります。我々のプレスを嫌がって蹴ってくるチームはこれからも増えるだろうと予想しています。それを蹴らせないようにするのか、蹴ったボールのセカンドボールを拾えさえすればよかったですが、最終ラインが下がってしまいました。セカンドボールを拾うスペースが広くなって、それがたまたま相手に転がってしまって、なかなか我々のプレス、セカンドボールの奪取がうまくいかなかったと思っています。
やはりコンパクトにしてプレッシャーをかけて、蹴らせてこぼれ球を拾うというようないいサイクルができれば、(第5節)鳥取戦のよういい守備ができると思います。スペースがある中で、前は行く、後ろは上がってこない。中盤に大きなスペースがある。そこで相手に転がって拾われてしまうと、後手を踏んでしまう。そういうことがきょうはたくさん起きてしまったという実感があります。
――榎本選手は初めて右サイドに入って、アシストとゴールがありました。どのように評価していますか?
プレシーズンからレギュラーとして使ってきて、彼にはもう一皮むけてほしい、次のステージに行ってほしいとずっと思っていました。きょうは得意のヘディングから得点が取れて、ここでまた彼にスイッチが入ってくれるといいし、それでチームの層がまた厚くなればいいなと思っています。左も右も本人はあまり苦にしていません。右の作りを考えたときに、榎本が右ができるようになると、またプランは広がると思っています。
――試合後の円陣ではどのような話をしましたか?
これだけのサポーターが来てくれたホームの雰囲気の中で、82分で3-2に逆転して、そのままゲームを締められなかった悔しさ。もっと言うと前半からカウンターでチャンスがたくさんあったにもかかわらず、2対1をしっかりと決めきれない。そういうところが最後に最後に回ってくるのがサッカーの怖さであり、難しさでもあります。決めるところを決めないと最後にやられてしまうというのは、どこのチームでも、どこの世界でもサッカーの常識。そういう悔しい思いを1回ここでしたので、その思いを忘れないこと。決めるときにしっかりと決める。2対1ができたときにしっかりと2対1をうまく使う。そういうクオリティ、技術をもっと我々はやらないといけないと思っています。