【試合後コメント】霜田 正浩監督 第12節 相模原戦 ※無料配信
――まずは試合の総括をお願いします。
5点取ったのは素直に選手たちを褒めてあげたいと思います。そこから3点取られたのは、僕も含めていろんな意味で猛省をしなければいけないと思っています。
勝ち点3を取りました。得点も増えました。ただやはり同じような形でロングボールを蹴られ、パワープレーをされて、そこをしのぎきれない。5-0だったのでよかったですが、これが1-0だったらひっくり返されてるかもしれないということを考えると、まだまだやらなければいけないことはたくさんあります。
こういう終わり方だったので、満面の笑みで皆さんと話すことはできません。それでも確実に新たに起用した選手が頑張ってくれて、累積警告で入れない2人の穴をしっかり埋めてくれました。まだまだ盤石の戦力というわけにはいきませんが、出番をもらった選手たちが躍動して自分のストロングポイントを出してくれれば、これだけのことができるということは、次に繋がる試合だと思っています。
次の試合に向けて、いろんな修正をしなければいけません。もう1回気持ちの部分、戦い方の部分、ゲームの終わらせ方を選手たちと共有したいと思います。ホームでたくさん点が取れて勝てたことに関しては、非常によかったと思っています。
――前半は風下の中でやみくもにハイプレスに行かず、後半はいつものパターンで進めました。ボールを持たれてはいましたが、オフザボールのときに主導権をとることができていたのではないでしょうか?
今年の僕らはボールを奪いにいく守備をやりたいですが、ただやみくもに追いかけるのではなくて、チームとしてのスイッチを入れる。そこからチーム全員が連動して、相手にボールを蹴らせて回収をする。それは非常にうまくできていたと思っています。
きょうの試合に限らず、しっかりプレスがハマっているときは自分たちの意図した形で守備ができていて、相手のボールを奪ってマイボールにする過程はだいぶチームとしてもできてきていると思っています。ただそれをすると相手が蹴ってくるし、きょうみたいな強風の日は風下・風上で全く伸びが変わってきます。選手たちは大変だったと思いますが、セカンドボールの意識、頭の上を越えたらプレスバックする意識、そこは1週間練習してきたことを忠実にやってくれたと思います。
――きょうは滝選手がトップ下に入りました。彼にしかできなかったボールの受け方、前の向き方をしていたと思いますが、どう評価していますか?
やっとというか、もともとそのくらいできる選手だと思っていましたが、なかなか結果に繋がっていませんでした。いいプレーをしてもアシストや得点といった数字に表れる結果が出ずにいたのですが、それを一つ乗り越えてくれたと思います。2点目の(村越)凱光の得点のアシストも素晴らしかったし、チームのやり方と個人のストロングが本当にマッチした素晴らしいゴールだったと思います。自分のゴールは得意な形だったので、あの形を何回作れるか、何回足を振れるかが彼の課題だと思います。これで得点もアシストも残すことができたので、ここから彼がまた次のステップに行ってくれるといいなと思っています。
――オウンゴールを除く4得点はいずれもチームとしての狙いが出ていたと思います。特に2点目は自陣からボールを前進させて、最後はクロスから逆サイドの村越選手が決めるという形で、再現性のあるゴールだったと思います。流れの中でああいう形が出せたことは、大きかったのではないでしょうか?
今は小松の調子が非常が良くて得点を量産していますが、チームとしてどうやって点を取るかという形は、ずっとキャンプから積み上げてきたものがあります。それを例えば研究されたとしても、そこに走り込む、そこで止まって受ける、そこでボールを流し込む。そこに技術がマッチングすれば、きょうみたいな再現性のある攻撃ができると信じています。こういう形でたくさん点を取るというのが今年目指している戦い方の一つなので、攻撃に関しては4点とも素晴らしいゴールだったと思います。
――5-0になって以降、パスミスからの失点も含めて3失点しました。本来であれば今週意識付けをしてきた「判断」を機能させて防ぎたかったところではあると思いますが、2点、3点と取られてしまった要因はどう考えていますか?
全てを途中から入った選手のせいにはしたくないですが、入れたタイミング、交代する選手、僕の交代が本当に良かったのか悪かったかというのを内省しなければいけないと思っています。やはりスタメン11人で5-0になって、交代7選手で5-0で終わらせたかったというのが本音です。僕らは11人でサッカーをやっているわけではないし、きょうはずっとレギュラーで使ってきた2人を欠いているわけです。こういうときの全員の力で点を取り、全員の力で失点をゼロに抑えることができるのが一番の理想でした。ミスは仕方ありませんが、交代選手が入ってから3失点してしまったのは非常に悔しいし、まだまだ僕らがもっと上にいかなければいけないと言われているんだと思います。
――失点が重なったことも含めて、試合後に選手たちに共有したことを教えてください。
ベンチメンバーはゲームを締める人間だと思っているので、3人を送り出すときも「必ず(失点)ゼロで帰ってこい」という話をしました。彼ら3人だけの責任ではないので、彼ら3人が入ってチームに何が起きたのか。なぜああやってロングボール、パワープレーでやられてしまったのかというのは、もう1回修正をしなければいけないと思っています。相手はもう5点取られていますから、1点取って少し元気になって、1点でも多く取りたいということでなだれ込んできているので、その流れを僕らがしっかり止めなければいけませんでした。それは途中から入った3人だけの力で止めるのではなくて、中の11人でその流れを止めないといけないと思っているので、チーム全員、18人が反省をしなければいけません。
――主力選手をケガや出場停止で欠く中、連敗を止められたことの意義は何でしょうか?
内容にも結果にこだわろうという話をしているので、結果だけを見ればもう十分です。彼ら2人がいないけれども、周りの選手たちがしっかりと穴を埋めてくれた。攻撃的な姿勢でしっかりと5得点できた。結果だけを見れば素晴らしかったんですが、内容を見ればその後に3失点をしてしまう。交代選手も含めた18人での総合力、試合の締め方というところは、まだまだやらなければいけないことがあるなという総括です。
――守備においては、宮部選手の貢献度が高かったのではないでしょうか?
きょうの試合の一番活躍した選手を1人選べと言われれば、宮部だと思います。もともと守備が堅くて定評のある選手ですが、1対1でほぼ負けなかったし、クロスも上げさせなかった。攻撃でも良い繋ぎがありましたし、良いクロスもあって、攻守に渡って活躍をしてくれました。彼は先発するのが今年初めてなので、途中でケガもありましたが、巡ってきたチャンスを自分の手でつかんでくれたと思っています。
――次節以降に向けての意気込みを聞かせてください。
勝ったり負けたりしていますが、12試合やってきて僕らが積み上げてきたものは、確実に積み上がっていると思います。もちろん自分たちのミス、あるいはパワープレーやロングボールの跳ね返し、ゲームの締め方。課題はまだまだたくさんありますが、それでも僕らはシーズンの最初に決めた目標に向かって、一つずつ、一歩ずつ進んでいる実感があります。
きょう選手たちにも話しましたが、何かを達成するには一歩一歩、目の前の試合を丁寧に戦って、しっかり勝ち点3を取り続けていくことが大事だと思っています。「先のこと、次のこと、未来のこと」ではなくて、「明日のこと、週末のこと」。そこに集中して戦っていきたいし、そうやって勝ち星もポイントも積み上げていきたいと思っています。