【試合後コメント】霜田 正浩監督 第14節 讃岐戦 ※無料配信

――まずは試合の総括をお願いします。

前節の勝利をしっかりと自分たちの力にするためにも、この試合は絶対に落としてはいけないと思っていました。結果だけを見れば複数得点が取れて無失点に抑えたので、結果は本当に100点満点でしたが、まだまだ課題は続きます。次の試合に向けて僕らがやらなければいけないことはまだまだたくさんあるなというのが、選手も思っていると思いますが、本当にそれがいまの感想です。

もっと僕らはボールを動かしたいし、ボールを持ちたいし、ボールを持って休みたい。それができると、後半の最後のようにずっと守備一辺倒のような戦い方ではなくて、3点目を狙いながら時間を稼いでいく、時間を使っていくゲームコントロールができると思います。まだまだそこまでいっていないので、それは伸びしろ。そういうゲームができるようになるまで根気よく先に点を取って、それでも守り切れるように、無失点で終わらせられるように、勝ち点3をしっかりと取れるように。そこから軸足を外さずに、チームの成長を促していければと思っています。

――小松選手は(クラブ史上最長の)5試合連続ゴールとなりました。一見するとチャンスでもないようなシーンでしたが、菊井選手と小松選手にはゴールへの道筋が見えていたと思います。あのシーンと小松選手への評価を教えてください。

あのシーンの少し前から自分たちが相手陣地でボールを動かして、なかなか突破まではいけなかったですが、しっかり突破のタイミングを測る時間を作れていました。相手も飛び込んでこなかったので、そこに隙が生まれたと思っています。その隙を逃さなかった菊井と、オフザボールの動きがすごく成長した小松がしっかりとかみ合って、前節と角度は違いますが、ホットラインが繋がったと思っています。

20〜30本とパスが繋がらなくても、ゴール前で相手の隙を突く1本のパスが、ホットラインが繋がれば、こうやって点になると思っています。菊井のキックの精度、小松の動き出し、そしてヘディングの技術。そういうところはすごく成長を感じますし、まだまだ点がたくさん取れたシーンがあって、本人たちも貪欲に「次へ」という意識が高まってきています。あまり数字は関係ないですが、毎試合必ず彼には点を取れるチャンスが巡ってくると思っています。それを1つ2つ決めてくれると、こうやってチームの勝利に貢献してくれる選手になると思っています。

――きょうもハードワークを継続できていましたし、曖昧なプレーが少なかったと思います。それと同時にチームとやるべきことを失ってはいけないと思いますが、そこはどうアプローチして今後に向かっていきたいですか?

まず間違ってはいけないのは、ポゼッションを上げたいわけではないです。こうやってゴール前にたくさんボールを供給して、相手のペナルティエリアの中にたくさん入れて、惜しいシーンもたくさん作れたので、点を取るということに関しては非常によくなっていると思います。

ただ、時間を作る、マイボールの時間を長くするというところにおいては、まだまだ課題があると思っています。もっと僕らがボールを握る時間が長くなれば、さらに点が取れる確率は上がります。それをやりながら、いまは守備のハードワークを選手全員に求めています。

きょうもある程度は押し込まれていますが、決定的なシーンをそんなにたくさん作られたわけではないし、村山がビッグセーブで弾いてくれたシーンもそんなになかったと思います。こういう攻守のバランス。まだまだ守備の方が頑張っていて、攻撃のギアがまだ上がっていないですが、一挙に2つのことができるようになるまでにはまだまだ時間がかかると思っています。そこには時間をかけたいなと思っていますし、かけながらでもしっかりと勝ち点3を取る。複数得点を取る。無失点で終わらせる。そういう結果にこだわるサッカーをやりながら、内容も徐々にこだわっていきたいと思います。

――前節・今治戦で出た課題として、奪った後のボールをどうつけていくかということがありました。切るところは切る、繋ぐところは繋ぐというところはある程度できていたのではないでしょうか?

先ほどもお話したように、チームとしての方向性は絶対にブレないこと。無理をして繋いで、そこで取られて失点をして、追いかけなければいけなくて、勝ち点を落とすという高い授業料を払ってきたので、そういう意味ではまずチームとしての方向性として、失点をしないこと。それから得点を取ること。得点は取れていますが、失点をしないで得点を取るチャンスをもっと増やしたいという意味では、もっと僕らがボールを動かしたい、ボールを握りたい、ボールを持つ時間を長くしたい。そこだけがいま僕らの課題として見えているので、多くを望んで欲張りになってはいけないと思っています。

きょうのようなゲームで、しっかりと無失点で終わる、勝ち点3を取る、複数得点を取るということに関しては、僕らが狙っていたことがしっかりとできているので、それは素直に褒めてあげたいと思います。そうやって勝ちながらも常に課題が次の試合に残るというのは、勝ちながら強くなる、勝ちながら成長していくといういまの僕らのチームに絶対必要なことだと思っています。

5点取られても3点取られてしまうとか、2-0になったけど最後はずっと押し込まれてしまうとか、そういう課題をこれから僕らがどうやって解決していくか。それは勝ち点を取りながら、得点を取りながら、失点をしないようにしながら、それがチームの成長に繋がってくるというふうに確信しています。

――守備の意識を強調されてから、サイドアタッカーの2人を早めに交代させるケースが続いています。スプリントバックを含めて守備のエネルギーをより使う結果としてそうした状況になっているのでしょうか?

それともう一つは、途中から出る選手が本当に走る選手なので、安心してタスキを渡せられると思っています。(村越)凱光と(滝)裕太が頑張って、そこに途中から(榎本)樹が出てくる、あるいは(渡邉)千真が出てくる。きょうは起用できませんでしたが(鈴木)国友もそうです。そういうところで攻撃の起点になって、守備のハードワークをできる選手が、18人、20人と揃ってきつつあります。行けるところまで行って、そこからタスキを託す。託された人間はしっかりと攻撃のチャンスも作るし、守備のタスクもやる。そういう部分で、現状では良い結果が出ているなと思います。

――滝選手の先制点と彼自身に対する評価を聞かせてください。

小松もそうですが、(練習が)終わってシュート練習をやっている選手たちの中で、練習ですが点を取れます。やはり練習は嘘をつかないと思っています。滝も必ず終わってからシュート練習をするし、あの角度、あのコース、あのシュートのタイミングは彼が一番得意としてる武器です。その武器をなかなかいままで使えなかったので、そういう意味ではしっかりと結果が出ました。彼の武器としてあれがあるからこそ、今度は切り返しが効いてくるし、左足のクロスも効いてくると思います。

チームの中で勝利に貢献する選手たちに、自分たちの武器を増やしてほしいと思っています。待っていても武器が天から降りてくるわけではないので、その武器をしっかりと練習で獲得してくれるのが一番だと思っています。