【試合後コメント】霜田 正浩監督 第19節 八戸戦 ※無料配信
――まずは試合の総括をお願いします。
これだけ多くのサポーターが来てくれました。J3でこういう観客数はなかなかあることではないと思っていて、これが当たり前ではなくて、こういうサポーターにふさわしいサッカーをやらなければいけない。今日は勝ち負けもそうだけれど、「これだけのサポーターをちゃんと感動させられるような試合をやろう」と言って試合に入りました。
先に点を取れましたが、最近ずっと先に点を取ってからが課題でもありました。今日はそういう意味では攻守にわたって僕らがやりたいことをちゃんとピッチの中で選手が具現化してくれて、戦ってくれて、走ってくれて、終わってみればちゃんと3点を取り、複数得点を取り、無失点で終えるゲームができました。こういう力を僕らは持っているので、それを毎試合引き出せるように普段の練習から取り組んでいきたいと思います。
――連敗中の2試合とは異なり、先制してからもギアが落ちませんでした。しっかり相手の狙いを封じながら、新たに入った安永選手も含めてボールを動かせたのは大きかったのではないでしょうか?
攻撃自体は毎週ちゃんとチャンスも作っていて点も取れているので、そんなに大きな心配はしていません。ただやっぱり守備はハマらない、あるいはプレッシングがかからない…ということが何試合か続いていました。今日は前半にほとんどボールを持たれることがなく、元々(八戸は)そういうチームではありますけれども、カウンターケア、ロングボール対策、セカンドボールという僕らがケアをしていた部分は、ダブルボランチを中心にセカンドボールを拾ってしっかり相手のボールを奪って、(滝)裕太のゴールにも繋げられました。そういう意味では攻守がちゃんと噛み合いました。その原動力としてやっぱり僕らはダブルボランチが攻守に渡ってうちのチームのエンジンになることが必要だと改めて思いましたし、そういう意味では、安永選手が来て3日ですけどもすぐチームにフィットしてくれました。持っている潜在能力を今日は全部出せたわけはないですけど、非常に良いパフォーマンスを出してくれたなと思ってます。
――ダブルボランチが機能した影響もあると思いますが、菊井選手や國分選手が良いポジションにいてボールを引き出していて、好循環を生み出していたのではないでしょうか?
ずっとそういうことを練習してきました。相手を見て立ち位置を決める。相手がどこでプレッシャーをかけてくるか、誰が出てくるかというのは、ある程度スカウティングでわかっていたので、相手が付いてくるか、どこまで下がれば誰が付いてくるか。八戸さんは本当にプレッシングがすごくて、鹿児島さんも愛媛さんもみんな苦労しているんですけど、それを僕らが立ち位置でちゃんと無力化できてセンターバックに余裕を与えることができて、スポットにいる菊井や滝裕太、國分にちゃんと(縦パスを)刺すことができました。そういう意味では縦パスが効果的に入ったのが大きかったと思います。
――鈴木選手が9試合ぶりに先発して、最後はゴールを決めました。渡邉千真選手も、岩手戦で外してしまったようなチャンスを今度は加入後初ゴールを決めました。小松選手が不在の中で1トップの位置の選手が結果を出したり、決め切るべきところで決めたりして攻守とも手応えのある完勝だったことは、チームにとっての意義も大きいのではないでしょうか?
ずっと点を取り続けるセンターフォワードがいると、なかなかその代わりのセンターフォワードを出すタイミングとかチャンスとかがないんですけれども、今日の試合で彼らが点を取れるという能力を見せてくれました。なかなかクニ(鈴木)もチャンスを決められないで苦労して、自分の中で悩んで葛藤があり、そういう中でずっと練習からよく走っていてボールを触るし、練習の中でもシュートを決めていました。本当に心の底からクニと渡邊千真に得点を取ってほしくて送り込んだので、その2人が点を取ってくれたのは本当にうれしいです。もしかしたら、勝ったこと以上にそのことがうれしいです。
(小松)蓮の成長、彼の能力で取った点もたくさんありますけど、それは全てチームの中で誰が出ても点を取れる仕組みをずっと構築してきたからであって、代わりに出た国友や千真も、形は違いますけど「やっぱり誰が出てもうちの3トップは点を取れる」というふうにしたいです。滝裕太もエンジンがかかってきましたし、國分も点が取れるようなチャンスもありました。やっぱり前線の選手が前向きにサッカーをする、相手のゴールに向かって矢印を出していく、というのが今年の僕らが目指しているサッカー。そういう意味では、誰が出ても複数得点を取れるチームにしていきたいと思っています。
――これまで1トップに定着していた小松選手が不在でした。要因を言える範囲でお願いします。
ちょっとコンディション不良です。大きなケガではないですけど、今日のピッチに立たせるべきではないと判断をしたので、ベンチからも外しました。
――攻守ともにやりたいことが具現化できて、内容が伴った快勝でした。前半戦の最後に連敗を止めて自信が持てる勝利を得られたという意味は大きいのではないでしょうか?
新しいことをキャンプから取り組んできていています。そんなにサッカーは簡単ではないので、去年と同じメンバーで全然違うことをやっているので、時間はかかると思っていましたけど、その中でちゃんと勝点を拾っていかなければいけないと思っていました。自分の予想よりは勝点は低かったですが、選手にも言いましたけど、この半年で彼らが成長して獲得したものはとても大きなものがあって、そういう可能性を考えると残りの後半戦も僕らはまだまだうまくなれるし、強くなれる。希望を捨てる必要はないし、諦める必要もありません。
でもそれを僕らが中で言っているだけではなくて、外の人々にも伝えなければいけない。それにはちゃんとした内容と結果が伴わなければいけない。そういう意味では今日の試合は、本当に八戸さんのプレッシングとか走力とか、石﨑(信弘)さんが作っている本当に素晴らしいチームに対して、ちゃんと怖がらずにボールを回せて得点を取れた。ちゃんとゼロに抑えた。それはとても大きな自信になると思っています。この勢いを毎週続けることが今年の僕らのテーマであり、次の愛媛戦に向けて1週間ちゃんと準備をしなければいけないと思っています。