【試合後コメント】霜田 正浩監督 第29節 八戸戦 ※無料配信
――まずは試合の総括をお願いします。
最後の最後に(八戸まで)来てくれたサポーターと一緒に喜べて、彼らに勝点3を届けられたことが一番うれしくて、彼らの喜んでいる顔がうれしくて、最後まで身体を張ってくれた選手たちがとても頼もしく見えました。
難しいピッチコンディションの中で、いつもとは違うスタイルでも「自分たちは勝てる、自分たちはできる」ということをちゃんと証明したかったので、今日は選手たちが本当に戦ってくれました。普段の僕ならなかなか言わないような指示でも、ちゃんと選手たちは理解してくれて実践をして気持ちを込めて戦ってくれたので、最後のノノ(野々村)のゴールに繋がったと思います。今日は途中からでた選手も素晴らしい活躍をしてくれたし、(アウェイに帯同した)19番目の選手も含めて全員で戦った勝利だと思います。
――「普段なら言わないような指示」というのは具体的にどのような指示でしょうか?
FC大阪の時も似たようなピッチコンディションで、それでも僕らはボールをしっかり動かして相手のゴールに迫る試合はできていたので、前半はそれにトライをしましたが、難しいピッチで、相手がはっきりとしたプレーをやってくる以上、自分たちがやりたいことに固執するのではなくて結果を出さなければいけません。
そうすると、八戸さんがやっているようなことを僕らはやらなければいけない。後半は割り切ってロングボールを蹴ってこぼれ球を拾って、相手陣地に押し込んで相手陣地でサッカーをやる。相手のペナルティエリアの中にたくさん人やボールを送り込む。不格好ですけども、そういうサッカーをやってそれでも勝点3を取るんだという覚悟をハーフタイムに選手たちに伝えて、選手たちも勝ちたいので愚直にそれをやってくれたので、このような逆転劇に繋がったと思っています。
――途中出場の山口選手が走って、同点ゴールのシーンも潜ってボールを触ってゴールに絡みました。長らくケガで離れていた選手が結果を出したことについて、プレーの評価をお願いします。
夏の移籍で新しく加入した3人(山口、安永、野澤)はシーズン当初から僕らが積み上げたものはないので、それを短い時間でチームの一員になるべく、戦術的なところやサッカーIQのところ、味方とのコミュニケーションのところ、あるいは一緒に戦う気持ちを表現してくれています。
今日の山口一真は本当に走ってくれました。彼もきっと思ってくれたと思いますが、僕ら松本山雅に関わる全ての人が、彼が松本山雅の一員になってくれたと思っていますし、僕も心の底からそう思います。もともとクオリティのある選手なので1年以上もケガで戦列を離れていたのでトップコンディションに戻すのは大変だと思いますけども、こうやって出場時間を少しずつ伸ばしながら、彼がまだまだサッカーをやりたい、試合に出たい、活躍したい、そういう気持ちを持ってピッチに立ってくれたことを本当にうれしく思います。
――相手はオリオラサンデー選手が初先発でした。対応に苦慮した部分があったように感じましたが、その部分についてはいかがですか?
いつも言っていますが、J3で外国人の個の力を全面に出してくるチームはたくさんあるので、その力に対して僕らは1対1ではなくて1対2を作る。例えばドリブルされても最後のクロスは中で弾き返す。彼はとても良い選手で、ボールを持つと脅威を感じていました。それでも彼だけに集中するのではなくて、中で跳ね返すとか、今日は決定的な相手のシュートをゴールの中でかき出すシーンもありました。ああいうことを僕らは攻撃も守備も自然とできるようになってきています。そこに見ている人が感情を揺さぶられると思うので、見ている人を感動させるゲームをしたいし、それが自然とできるようになってきたのでチームの成長を感じています。
――前半は荒れた展開でもありました。その部分についてハーフタイムに投げかけはしましたか?
「このピッチコンディションにあったプレーをしよう」ということです。八戸さんがやっていることを僕らもやろうと。ハードワーク対ハードワーク、そこでクオリティで上回る。戦術的に優位性を出す。小松蓮がああやって決めてくれましたけども、そこにクロスを上げた菊井もそこにパスを出した山口一真も、そういうクオリティをこのピッチコンディションの中で最後の最後までワンプレーでも良いから出す。そこにボールを運ぶのに後ろから運ぶことができないのであれば、しっかりロングボールを蹴ってこぼれ玉を拾ってというサッカーをやろうということをハーフタイムに言ったので、後半は押し込めたシーンが多かったと思います。