【試合後コメント】霜田 正浩監督 第5節 岩手戦 ※無料配信

――試合の総括をお願いします。

雪と雨の予報で本当に寒い中、これだけのサポーターに来ていただきました。感謝の気持ちを勝点3で表すことを毎試合僕らは望んでいるので、勝点3をちゃんと届けられたことをとてもうれしく思っています。

本当に勝たなければいけない試合でした。内容ももちろんそうですけど、自分たちがこの4試合でできたことは続けるし、できなかったことは今日絶対やろうという話をしてピッチに選手を送り出しました。具体的には球際のところで負けないこと、相手のゴールに向かっていくこと。ボールを持つけれども後ろに下がっていくだけではなく、相手のゴールに向かっていく姿勢をピッチで表してほしいという話をしました。

最少得点しか取れませんでしたけどもチャンスも作れたし、最後のパワープレーも含めて全員で勝ち取った勝点3だと思っています。特に今日は途中から出た選手たちがギアを上げ、エネルギーをチームに注入してくれました。ケガ人も出ましたが、それを補って余りあるほど気持ちあふれるプレーをしてくれました。この連戦は「みんなで勝とう」という話をしていて、実際にみんなの力で勝てて良かったです。

――前半は風下の中での戦いでした。どのようなゲームプランだったでしょうか?

向こうが先に風上を取って、前からプレッシャーをかけて僕らのビルドアップを抑えにきました。それをしっかりはがせれば良かったんですけど、想像以上に向かい風がありました。僕らはロングボールを蹴るチームではないんですが、ロングボールを蹴っても跳ね返される、あるいは風下から風上に向かって攻めるところで非常にやりづらさがあって、なかなか押し返せない前半でした。

それでも失点さえしなければいい。今年のテーマである「あまりうまくいかないときにどう我慢をしてゲームを作っていくか」ということが前半でできました。後半は風上に立てることもあったので、後半勝負だと思って前半の途中から我慢していました。

――今季初のクリーンシートでした。クロスの対応も含めて守備についての評価はいかがですか?

この4試合で僕らが喫した失点を分析すると、クロスの対応もそうですけど、やっぱり1対1の局面で簡単にかわされてしまったり簡単に飛び込んでしまったりということがありました。今日はできるだけ1対1の局面で粘り強く、デュエルで負けないようにしようと。クロス対応もこの間の試合からずっと言い続けてきて、中で必ず誰か人を捕まえることが今日の試合もできていました。高さがあってパワーを前面に押し出してくるチームに対しては、基本に忠実に粘り強く最後まで集中を切らさずプレーし続ければ、ちゃんと守れることがわかったゲームだったと思います。

――得点はCKからでした。相手が非常にサイズもある中でゾーンの外からうまく狙ってこぼれ球を押し込んだ形でした。相手のストロングポイントをかいくぐって取ったゴールの意義はどのように感じますか?

武石(康平)テクニカルコーチにセットプレーのアタックは全面的に任せています。彼が相手の分析をしながらどこがストロングでどこに隙があるのかを丁寧に分析した中で、今日は完全に相手に高さが分があって、そこで勝負してもなかなか難しいと。高さではなくて1つ外したプレーとかショートコーナーを多用するとか、オープンプレーに持っていくとか。そうやって崩していくのが一つのストロングポイントです。

今日はセットプレーが取れてもすぐクイックで始めたり、ショートコーナーをたくさん使ってオープンプレーに持っていったりした中で、ゴールのシーンは山本龍平がニアで競ってくれました。低くて速いボールであれば単純に高さ勝負ではなくて反応の速さで一瞬前に出てフリックできたりニアで触れたりする強みもあります。その前の佐相がボレーで決めてくれればよかったんですけども、ちゃんとこぼれ球のところに(安藤)翼が反応良く早く行ってくれました。たくさんチャンスがあってその前にもう1回決定的なチャンスを外してもいましたし、翼にはどうしても点を取らせてあげたかったところです。本当に良かったと思います。

――試合前コメントでも話していたように、相手の高さに対して機動力で勝負する構図でした。かといって相手の高さというストロングもあまり出させずに勝ったことも含め、非常にタイトな日程の中でゲームプランを遂行できた90分間でもあったのではないでしょうか?

この間の福島とは全く違うストロングポイントを持つチームでした。相手のストロングをどう消すかというところと、消しながら自分たちのストロングをなくさないようにしようというゲームプランはこの間も今日もすごくできたと思います。1点を取って点を取られなければ勝点3はきちんと手に入るので、まず守備からというところでゼロで抑える。前半は0-0でもOKだから、風下であまりボールを繋げずにうまくいかなくても、ゼロで抑えておけばいい。ゲームを壊さないようにして、勝負どころで点を取る。あるいは交代選手がギアを上げる、セットプレーで点を取る。そういう勝ち方をしていきたいと思っています。

――浅川選手のケガの具合はいかがでしょうか?

筋肉系のトラブルだと思います。どのぐらい時間がかかるかわかりませんが、すぐに治って良くなるようなケガではないと思っています。

――そうした状況ではありながら、再び中2日で5連戦のラストの試合を迎えます。

できることは回復しかないです。出場時間をうまくコントロールしながら、連戦でいろんな選手を最初から使ったり途中から使ったりという形でやってきました。次は連戦の最終戦なので、決勝のつもりで、誰が出ても戦う準備をして大阪に乗り込みたいと思います。