【試合後コメント】霜田 正浩監督 第10節 奈良戦 ※無料配信

――試合の総括をお願いします。

非常に難しい1週間を過ごしてきて、選手たちはその中でもよく頑張ってくれたと思います。もちろん試合の入りと後半の入りに安い失点をしてしまったことは、まだまだ反省です。これからも反省をし続けて、絶対に入り方をしっかりとしなければいけないと思っています。

ただそれ以外にはあまりピンチを作られなかったし、3点目を取れるチャンスもありました。ここでひっくり返せるようなチームにこれからなっていきます。最後まで諦めない。0ー2になってもしんどくても、走り切って相手のゴールに向かって3点目を取りに行く。0-2からひっくり返すゲームができるようなチームになると信じています。この勝点1をポジティブに捉えて、これからも負けない、勝ちにいく試合をしたいと思っています。

――守備の方は特に前半、プレスがハマっていないように感じられました。ボールを奪うまでの設計はどのようにイメージしていましたか?

奪いどころを最初から決めているわけではありません。そこで奪えれば一番簡単なんですけど、どこでインターセプトするか、相手に蹴らせてどこで回収するかは決めていますが、いきなり試合の入りで距離が長いパスを追いかけることになってしまいました。試合の入りだったので僕らも気持ちが入っていたし、「前から行きたい」というのがあったんですけど、それがひっくり返ってしまいました。前から行けばひっくり返ってしまうこともあります。でもそこでたまたま斜めのボールが入ってしまったので、普段ではあり得ない失点でした。そこはまたもう一回修正をして、「前から行くとき」と「構えるとき」との使い分けが大事だと思っています。

――その使い分けについて、今日の試合に関してはどのような認識でしょうか?

「プレスがハマる」というのは前から行ってボールを取れることだけではなく、前から行ってGKに蹴らせて回収することもプレスがハマっているという認識です。相手ボールからマイボールにするポイントをいつも決められるわけではないので、GKに戻させてからロングボールを蹴って回収すれば僕らのプレスがハマっていることにもなるし、もちろん決定的なチャンスがあったようにGKにプレッシャーをかけて高い位置で取れれば、それもプレスがかかっていることになります。両方ともプレスをかけて「絶対に取れなかったらもう終わり」と決めているわけではないし、そこは選手たちもわかっていると思います。

――前節の大敗やそれ以前の経緯も踏まえれば、引き分けで良しとするのではなく、「勝てなかった」ということになるのではないでしょうか?

評価は他の人がしてくれればいいと思います。まだ試合が続きます。大敗した次の試合で1週間ありましたけれども、選手たちがどんなメンタリティで1週間を過ごしてきたかを考えれば、0-2になって心が折れてしまうのもやむを得ないかもしれない状況でしたけれども、そこでも心折れずに最後まで戦って2-2に追い付いたし、3点目を取るチャンスをたくさん作るところまで来ました。僕はこの勝点1を非常にポジティブに捉えています。

――前節の大敗などを受けて、それ以降の1週間はマインドや戦術面などいろいろな修正をしてきました。選手たちも当然気持ちが入ってないわけはなかったと思います。それでも前後半の入りでエアポケットのように隙ができてしまいました。特に1点ビハインドの後半は、警戒していたサイドからわかっていてやられてダメージも大きかったと思います。意識しても何をしても減らないその失点を今後なくしていくために、どのようなアプローチをしていくべきでしょうか?

普段練習でやってても試合でできなければしょうがないので、試合でなぜ自分がそこでついていかなかったか、相手にシュートを打たれてしまったか。その当事者はもう一回猛省をしてほしいと思っています。そういうことを繰り返せば試合に出られなくなる可能性もありますし、そこに対しては厳しく要求したい思っています。ただ、それで試合に負けたわけではないので、その当事者の選手だけの責任ではありません。3点目を取れなかったのもチームの責任。結果の責任を僕は取りますけれども、みんながプレーの責任を感じながら、一つ一つ階段を上がっていければいいと思っています。

――攻撃の部分は去年から引き続きやってきたことを積み上げているし基本設計はあると思うんですが、やってきたことがなかなか出せていないようにも映ります。今日に関しては個々は頑張っているけれども、ユニットや仕組みとして十分に機能しているのかどうなのか。そこについてはどのような認識でしょうか?

確実にボールを持てるようになってきているので、ボールを保持することに対してみんながストレスなくやれるようになってきています。ただその分だけ逆に、少し相手の(ペナルティ)ボックスに入るアクションが足りなくなっていると思っています。もちろん交代して選手の特徴が変わったり負けていたりといろんな状況がありますけれども、やはり僕らは「ポゼッション」ではなく「プログレッション」を目指してきたチーム。もっとボールを前につけたいし、相手の裏を狙いたい。ボールを失わないということに関してはだいぶできるようになってきたので、難しいところではありますけれども、相手陣地にもっと押し込んで、シュートチャンスをたくさん作るようにしたいです。

例えば2点目の追い付いたセットプレーになる前のクロスもそうです。(村越)凱光がボールホルダー(の菊井)を追い越していけばチャンスができるので、ああいう仕組みは今まで以上に迫力が出てきたと思っています。相手もあることなので毎回ビッグチャンスをたくさん作れるわけではないですけれども、それを得点に繋げられる、あるいはそれで取ったセットプレーで点が取れることを続けていければいいと思っています。

――後半は選手を入れ替えながら少しずつ自分たちのペースを取り戻せたようにも見えました。交代で投入した村越選手と滝選手を普段のサイドとは逆で起用したことも含め、狙いを聞かせてください。

0-2になった後にも早く1点を取りたかったんですけど、焦るのはやめようと。どれだけ僕らがボールを保持して相手陣地に入れるか、前向きなプレーが何回出せるか…にこだわって、相手ボールになったときに慌てて取りに行くのではなく、構えて相手を前に出させて、ハイプレスではなくプレッシャーをかけて我慢をしようと伝えました。途中から入った選手たちも含めて「必ずチャンスが来るので、落ち着いてボールを繋ぐ、裏を取れるときは積極的に取っていく」ということが功を奏して、試合のリズムをつかめて2点取れたと思います。もちろんそこからいきなりひっくり返せば一番理想的でしたし、3点目を取れなかったのが非常に悔しいですけれども、次に繋げたいと思っています。