【試合後コメント】霜田 正浩監督 第9節 讃岐戦 ※無料配信

――試合の総括をお願いします。

終盤に中断があって非常に難しいゲームになってしまったんですけども、スタッフのおかげで特に大きな混乱もなく始められて、最後は逃げ切れて勝点3を取れました。結果は良かったと思っています。内容はもちろんまだまだ反省すべきところがたくさんあります。ボールをどう運んでいくか、自分たちがずっと積み上げてきたものが特に前半は出せませんでした。それでも失点をせずゼロで抑えました。ダメな時やうまくいかない時にどうやって戦うかは僕らの今のテーマでもあるので、そういう意味では、追い付かれてももう一回突き放す。勝点3を取るためにいろんなことをして全力を尽くすことが今日はできました。勝ちながら反省したいと思っています。

――後半は右利きの滝選手と左利きの村越選手のサイドアタッカーを左右入れ替えて、そこから特に右サイドでは馬渡選手が内側を使っていい形を作ることができました。入れ替えた狙いと効果などはどう振り返りますか?

サイドアタッカーに順足を置くか逆足を置くかは戦術的にも一つのキーになるところです。僕らはどちらの(利き)足をどちらに置いたらどうするかがきちんと決まっていて、最初は順足がうまくいかなかったんですけど、逆足にしてやりたいことができてきたと思います。途中から(村越)凱光と(滝)裕太の判断もありますが、僕も替えていいという判断をしました。

――馬渡選手がハーフレーンを使う形から得点が生まれました。その前のサイドを崩す流れも含めて、狙いが出たゴールだったのではないでしょうか?

やはり僕らはサイドを攻略したい。サイドアタックが一つの武器なので、クロスでそのままは入りませんでしたけど、折り返しからキレイなゴールができました。シュートに繋がらないとシュート数は増えませんが、それ以外にも相手のゴールや(ペナルティ)ボックスに侵入する回数や(敵陣)30mに侵入する回数に繋がってくると思います。やっぱり相手陣地で押し込んだサッカーをできると得点するチャンスも増えると思っています。

――5試合ぶりの勝利で、前回からほぼ1カ月となりました。この勝利の意義などはどのように感じていますか?

金沢に大敗してから、僕らは「絶対に生まれ変わろう」という話をしてきました。チームの中の基準をさらに上げていく。メンタルもフィジカルもタクティクスもレベルを上げていこうと。(奈良戦は)0-2から2-2に追いついたり、(ルヴァンカップで)J1と120分戦って1-1だったり、そういう半歩前進が続きました。大喜びはできないですけども、チームの成長や選手の意識の変化を感じられて、何とかそこに結果がついてきてほしいと思っていました。今日はそういう意味では、内容に関しては反省しますが、勝点3を取れた結果についてはすごく次に繋がると思っています。

――先ほど話された通り、前半は低調でした。裏へのアクションに対してボールが出なかったり、出しても著しく精度を欠いたり、その前の段階でミスが出たりしました。それは相手守備に左右される要素というよりも、自分たちの要素が大きいように見えました。そもそもルヴァンカップの福岡戦を通じて自分たちの基準が定まり、「相手がどうであれ、自分たちのプレーの基準を示す」ということができなかったこともであるように映ります。

やはり技術は本当に大事で、どこに止めるか、止めた後は誰に繋ぐか。難しいことを要求しているわけではないんですが、ファーストタッチがぶれる、取った後の1本目のパスがズレる。そういうところの技術が、普段ならできる選手でも今日はミスが多かったと思います。やはり個人のミスが起こると、それをリカバリーするのにまたパワーを使わなければいけません。通るかどうかわからない一か八かのスルーパスであればある程度成功率は下がってもいいんですけど、成功率が絶対に80〜90%じゃなければいけないパスミスが起きてしまうと戦術うんぬんの話ではなくなってしまいます。そこは個人のクオリティを上げる努力を選手たちも続けてほしいと思っています。

――そういう意味では後半、非常に意識も変わって前の推進力が出ました。サイドハーフの順足と逆足を入れ替えだけではなく、意識的な部分にもかなり強くアプローチされたのではないかと推測しますが、どのような投げかけをされたのでしょうか?

相手に関係なく僕らの仕組みが機能するために、まずどこで起点を作るのかというところと、起点ができた後に誰がどこに走るかもう一回整理しました。それで例えば(滝)裕太から大外の(村越)凱光まで来て、そこに馬渡が絡んでいくような、ずっと練習でやってきているような形が出せてきました。きちんとボールが止まって顔が上がれば、僕らは自分たちがやってきたサッカーができると思います。でもファーストタッチが芝に絡まれたりうまくいかなくて顔が下がってしまって、相手のプレッシングに捕まるシーンが多かったと思います。もう一回ファーストタッチを丁寧にやる、顔を上げてサッカーをやることを突き詰めていきたいと思います。

――菊井選手はここまでアシストはありましたが、今シーズン初ゴールとなりました。彼に求める部分でいうと、まず一つ取れたことは大きかったでしょうか?

あのポジションはゴールに得点に絡むことを一番求めています。もちろんアシストもいいですけれども、彼自身のゴールが増えることがチームの助けになることはずっと彼にも伝えているし、彼も思っていたし、チームとしてもそれを待ち望んでいました。今日は前半に胸トラップがうまくいかなかったですけど、あのようにゴール前に入っていく、ディフェンスとディフェンスの間に入っていくことが増えると、彼自身の得点ももっと増えると思っています。今年はいろんな選手に点を取ってもらいたいと思ってますので、キク(菊井)だけじゃなくて(安藤)翼にも(村越)凱光にも(滝)裕太にもゴールがどんどん生まれるような、アグレッシブなサッカーをやりたいと思っています。

――勝ち越しゴール後に一時中断となりました。どのようなことを選手たちに投げかけましたか?

中断になることもいつ再開するかも、僕らの力ではコントロールできないことです。なので、再開した後にどうするかだけを意思統一しました。もちろん向こうは負けてるのでどんどん前がかりに来るだろうし、サイドに展開してクロスを入れてくるでしょう。それを受けて跳ね返すだけではなく前向きの守備をして、できれば3点目も取りに行く。そういうエネルギーを前に向けたサッカーをみんなでやろうと話をしました。

いくつかミスが起きて危ないシーンもありましたが、他の選手がカバーして失点をせず逃げ切りました。投入した若い選手は元気ではありますが、本当に仕掛けるのがいいのか、(ボールを相手に)当てて出してCKを取るのがいいのかとか、ゲームの進め方がまだまだ足りない部分もあります。勝ちましたけれども反省しないといけないと思っていますし、ああいう中断の後の8分間 +アディショナルタイムという限定された中で何をするかという意思統一だけでした。「絶対に守り切る」+「相手陣地にどんどん向かっていく」「ボールにも対してプレッシャーをかける」「ベタ引きはしない」ということだけ統一して行かせました。

――次節以降ホームでの試合が続きます。そこに向けての意気込みを聞かせてください。

ホームが続いてできるというのは非常に大きなメリットだと思っています。やはりここでは、リーグ戦だろうがカップ戦だろうが負けてはいけないと思っています。あくまでも勝点3を取りに行くことに全力を尽くすし、そのための準備をする。そして今日のように勝点3を取って、そこで喜ぶのではなくて、また次、その次と貪欲に勝点3を取りに行きたいと思っています。