【試合後コメント】霜田 正浩監督 第15節 今治戦 ※無料配信

――本日の試合の総括をお願いします。

負けてしまったのであまりポジティブなことは言いたくないし、言い訳もしたくありません。負けたことが全て。それを反省して、また次の週末に向けて、勝つための準備をしたいと思っています。もちろん勝つチャンス勝つための方法論、戦術、球際…いろんな部分でそんなに悪い試合だったとは思いませんけれども、結果がついてこなかったということに関しては非常に責任を感じています。やはりこういう試合をものにしなきゃいけないと思っています。

後半はほぼ相手陣地でサッカーができたのですが、2失点目のセットプレーのセカンドプレーが本当に痛かったです。相手はそれで入ってしまうけれども、うちはそれが入らなかった。今日はそういう日になってしまったと思います。それでも同点にするチャンス、あるいはひっくり返すチャンスがあったので、それを何とか決められるようにまた練習したいと思っています。

――システムを(4-3-3に)変えました。相手も同様に前節から変えてきましたが、そういう状況の中で勝敗を分けたのはどのような要素だと感じていますか?

勝敗を分けたのはシステムではないと思っています。システムを変えても僕らの基本的な概念は変わらないし、システムを変えたことによってメリットもたくさん出ていました。「これが完璧なシステム」というものはなく、そのシステムをやる以上は「やりたい理由」があります。今日は負けてしまったのでその話はしませんけれども、システムのせいで負けたとは思っていません。

内容はまたビデオを見て精査しようと思ってます。システムのメリットが出ているかどうか、それを続けるかどうか。もちろん勝てれば一番良かったんですけれども、勝ったとしてもそれはシステムのおかげではなくて、いろんなシステムをやりながら積み上げているもののおかげであって、変えたのが負けた原因ではないと思っています。

――球際であるとか1対1の部分などについてはどのように見ていましたか?

球際で全部勝つゲームはなかなかないんですが、そういう意味ではちゃんと戦っていたところはあると思っていたし、球際が全部負けているような試合ではなかったと思います。

――トレーニングの中から新しいことをトライしていて、うまくいっている部分とそうでない部分があって、それは十分に把握されていた上で臨んだと思います。その中で選手たち全員が不安なく、100%の自信を持ってピッチに立つことがこの試合においては非常に大事だったのではないかと思います。そういう意味で、最終的どんな言葉をかけてピッチに送り出したのでしょうか?

そのシステムにチャレンジすることが大切だと思っています。これは僕らの武器なので、その武器を使いこなせるかどうか。例えば3バックにして守り切るシステムにも試合の途中で変えたりしますし、今日は途中から2トップにもしました。

システムにフォーカスするのではなく、やはり「球際のところで負けない」あるいは「相手の個の力をどうみんなで防いでいくか」あるいは「どう相手のゴールに向かっていくか」は今までずっとやってきたこととは変わりません。もちろん今日結果が出れば一番スムーズだったと思いますけれども、だからといってチャレンジが失敗だったとは思っていないし、次の試合でどうするかわかりませんけれども、メリットとデメリット、できたところとできなかったところを検証して、次の準備をしたいと思っています。

――1失点目は警戒していたマルクスヴィニシウス選手に決められてしまいました。山本龍平選手は絞らざるを得ない状況でしたし、菊井選手が戻って対応するのも少し厳しいシチュエーションで、構造上難しい対応になった部分はあると思います。とはいえ警戒していた選手に仕事をさせてしまったところについては、どのように受け止めていますか?

終わってみると「こうすればよかった」ということはたくさんあるんですけど、そもそもあそこでクロスを上げられてしまう、一つ手前でボールを繋がれてしまう。それも相手のスローインからなので、そのスローインはどうやって相手に渡ってしまったのか。自分たちのボールで後ろで繋ぐ、あるいは後ろのGKに返してダイレクトでタッチを割ってしまう。

それで相手にスローインを渡してしまいました。失点するかどうかはその時点ではわかりませんけれども、やはり戦い方の姿勢の部分で「バックパスをしてGKがタッチに蹴って相手スローインになってしまう」ということは絶対に避けなければいけないと思っているし、それで失点をすると本当にショックです。それだったら、前線の深い位置まで蹴った方がいいと思っています。

僕らはボールを繋ぎたいチームですが、そこの「判断」が一番大事です。そういうところでまだまだ相手の矢印や風を感じて、そのときにベストの選択をすることができるようになってほしいと思っています。

今日の相手はなかなかビルドアップしてこなくてどんどん蹴ってきました。そういうチームと対戦してもこういうことができるということは十分把握しているので、相手がどんなことをしてきても、自分たちがやってはいけないことは絶対にやってはいけない。それで失点をしてしまうと非常にパワーを出して追いかけなければいけなくなります。結果論ですけど、そういう姿勢は僕の責任です。相手のプレスを感じたときはどうするか、もっと浸透させなければいけないと思っています。

――先ほど「言いたくない」という言葉がありましたが、とはいえポジティブな面も出たのでしょうか?

技術をもっと上げなければいけないんですけど、人と人の距離が近いので認知のスピードを上げて速く判断できるのがこのシステムの一番のメリットだと思っています。もう少し僕らはボールを相手陣地で持ちたかったんですけれども、相手陣地でスムーズにビルドアップする、運ぶということ。全部が全部できたわけではないですけど、きちんとした立ち位置に立てばボールを回してサイドからクロスを上げられるというシーンもいくつか作れたので、あとはそのクロスを味方に合わせていくこと。2点目を取るにはそれが絶対に大事だと思っています。