【試合後コメント】霜田 正浩監督 第29節 讃岐戦 ※無料配信

――試合の総括をお願いします。

とても多くのサポーターが来てくれたので、1時間雷雨で遅れるアクシデントありましたが、それを感じさせないようなプレーができたと思っています。それは足を運んでくれたサポーターのおかげです。(試合の)再開が決まってサポーターの前で円陣を組んでスタートしたいと思っていました。そこで僕らは彼らと一緒に戦いたかったし、彼らもそういう横断幕を出してくれました。

(試合は)戦う姿勢をもう一回出さなければいけない。試合の中でシュートブロックもそうだし、相手のシュートに身体を投げ出す、スライディングする、ペナルティエリアの中で仕事をさせないところに本当にこだわりを持ってやってくれたと思います。

点を取る力は僕らは持っています。前節の反省から相手の(ペナルティ)ボックスにどんどんボールを入れていく、人もボールも入っていくことをテーマにして、「相手の5バックの背後を取る」という狙いをたくさん実践できたことはすごく良かったです。

ただ何回かケアしていたカウンターを食らっているし、シュートも打たれています。未然に防いでいるとはいえシュートを打たれるところまで持っていかれていました。守備はまだまだ勝ちながら反省していきたいと思いますけれども、もう残り試合がどんどん少なくなっていくので、こうして勝ちを繋げていきたいと思っています。

――菊井選手や浅川選手、安藤選手などが相手の3バック対して裏を取ろうとする意識が見えました。その狙いはどのような部分だったのでしょうか? 

最近は今治さんや大宮さんなど5バック、3バックのチームとの試合が続いていました。その中でチャンスをどこで作れているか、あるいは何でチャンスを作れていないかを分析したところ、やはり2トップで相手の3バックにプレッシャーをかけたいと思いました。今日はそうして相手の3枚の背中をどれだけ取れるか、誰がボールを持ったときにいつ走ればいつ取れるか…をずっと練習でも言ってきました。今日はそれが得点に繋がってよかったと思います。

――試合途中から4-3-3に切り替えました。そこの狙いを聞かせてください。

前半の途中からなかなかプレッシャーがかかっていませんでした。うちのサイドハーフも頑張って相手のウイングバックに対して帰ってきているんですけど、そうするとどうしてもうちの2トップが相手の3バック+2ボランチの(合計)5枚に対してボールが取れず、どんどん下げさせられていました。前半の途中でしたけれども(ピッチの)中から「3枚にしたい」という声が上がったので、後半の頭から(前線を)3枚でいこうとは思っていましたが、彼らが「すぐ3枚にしたい」ということだったので3枚に替えました。

4-3-3と4-4-2というシステムがどうこうではなく、そのシステムのメリットを選手たちがわかって使い分けることが大切です。最後は5枚にしましたけど、あんまりシステムは関係ないかなと思っています。

――中村選手の加入後初ゴールもそうですし、安藤選手も得点を取りました。馬渡選手の復帰なども含め、ラストスパートへのピースが揃ってきたのではないでしょうか?

僕らが勝っても他チームによって左右されることは絶対に出てきます。逆に言うと他力を考える前にまず自力で勝っていく、目の前の相手を倒していく。まず自力でしっかり勝点3を取り続ける。そういう意味では今日も点を取れましたし、取るチャンスもたくさん作れたので、攻撃的なサッカーをやりながら点をたくさん取って、無失点あるいは最少失点に抑えていく。ずっと去年から続けているサッカーを、これから残り試合も全部続けていきたいと思っています。

――アクシデントで安藤選手が途中から出て2ゴールを決めました。当然、出番が恵まれない中でもしっかりと積み上げてきた選手の一人でもあると思いますが、評価はいかがでしょうか。

今日の2点が彼のストロングだとずっと思っていました。それで声をかけて、来てもらった選手です。彼も彼でスタメンで出てもなかなか結果が出ない中、悩んだり下を向いたりする時期もあったんですけれども、それでもやはり性格的にストライカーです。負けず嫌いなところもありますが、本当に粘り強く続けて練習に打ち込んでくれていました。

今も先発でも途中から使ってもどちらでも良さを発揮できると思いますし、彼をスーパーサブと決めているわけでもありません。彼はポジション争いをチームメイトとやっているわけではなくて、彼のライバルは彼自身だと思っています。自分に負けなければこんなにいいプレーができる。与えられた時間の中で彼のストロングを全部出してくれると、よりラストスパートに向けて大きな武器になってくれると思っています。

――ピッチもかなり水を含んでいてボールが転がらない中、山雅の方が(ボールが)転がらないことを織り込んで、しっかり最後まで追って拾ったりスライディングのタイミングを合わせたりと対応できていたように感じました。その辺りは監督からの投げかけも含めてどう受け止めていますか?

今日はボールが転がらないのを覚悟して「蹴る、走る、(ボールを)拾う」というサッカーになるんじゃないかと覚悟していました。それでもスタメンを決めた後にアクシデントが起きたので、まず前半どういう入りをするか、ピッチ状況がどうなのかっていうところで先に2点を取れました。

あとはそのスコアを進めていく時間を作っていく。そして幸いにも1時間ずれたことでボールが転がる芝生になりました。ボールを動かしたいときに動かせるようになったのはすごくラッキーだったと思います。ただ、ボールを動かすことが目的ではなくて、やはり相手の背後を取ることが今日の目的でした。ピッチ状況が悪くてロングボールが多くなるか、あるいは繋げるならしっかり繋いで裏を取るかというだけの違い。そのグラデーションのところで、当初に思っていたよりもだいぶボールが繋げるようになってよかったと思います。