【試合後コメント】霜田 正浩監督 第32節 金沢戦 ※無料配信

――試合の総括をお願いします。

いつものごとく、(サンプロ)アルウィンでいい雰囲気を作っていただきました。その中で足りないのは勝点3だけでした。試合内容も、準備してきたことも、気持ちを込めて戦うこともできていた試合だと思いますが、「2点目が取れない」「無失点で終えられない」とか、ずっと同じ現象が3試合続いてるので、僕自身も非常にいろんなことを考えています。

2点目を取るサッカーに舵を切るのか、ゼロに抑えるサッカーに舵を切るのか。もちろん両方できるのに越したことはないので、相手のいいところを消しながら守備の機会を減らしながら攻撃でたくさんチャンスを作り、相手のゴールに向かっていき、シュートをたくさん打つ、決定的なチャンスをたくさん作る――というのは、これからもやり続けたいなと思います。

ただやっぱり、3試合同じような状況が続いてしまう。負けなしで簡単に負けないチームになってきたのはポジティブな面で、2点目を取られないことや2点目を取れないということよりもとても大きな価値だと思いますが、やっぱり勝点3が必要。2点目をどう取るか、あるいは失点ゼロで抑えるか。両方ちゃんとできるようなゲームにしていかなければいけない。

それは間違いなく僕の責任だと思いますので、監督として普段の練習、準備、ミーティング、トレーニングが全てにおいて2点目を取れるようなサッカーをする、あるいは無失点で抑えるようにサッカーをする。それをやり続けるしかないと思っています。

選手たちは本当に気持ちを込めて戦ってくれました。今日はちょっと普段よりミスが多かったですが、それでも相手のゴールに向かっていくし、やりたいサッカーはちゃんとできていました。あとはどうやってこれを結果に結びつけるか。また1週間かけて準備をしたいと思います。

――後半に得点が入ってすごくゲーム全体が動きましたが、その前の時間帯は相手のプレスを受けて少しミスが目立って前進に苦慮したようにも見えました。監督はどうご覧になりますか?

普段あのぐらいのプレッシャーであれば、空いているところをすぐに見つけて簡単にはがせますが、今日のセンターバック2人はなかなかそれができなかったと思います。いつもできていることが今日なぜできなかったのかは、彼らがちゃんと自分で反省をしてほしいですが、できない能力の選手ではないと思っています。きちんとボランチにつけられればもっとシンプルにプログレッションできたと思います。

――あと2点目のその可能性という部分で、高井選手が復帰しました。復帰についての受け止めと今後への期待を聞かせてください。

(全治)7カ月の大ケガですから、今日いきなりトップパフォーマンスになれると思ってはいません。ただ守備も自分から走ることによってゲームの体力を早く戻すことも必要だし、この雰囲気の中でゲームをやることも必要。間違いなく彼がゲームやチームに入ることによって得点のチャンスも増えていくので、彼がこの土壇場で戻ってきたことはポジティブに捉えたいです。

もちろんドクター、トレーナー、メディカルスタッフ、フィジカルコーチと、彼が復活するのに大きな力を与えてくれたスタッフに本当に感謝したいと思います。

ーー失点を減らすという部分で、向こうのマリソン選手のヘッドはすごく素晴らしかったと思うんですけども、今日はセットプレーが相手に与える場面が多くなりました。

大きくて強くて、空中戦が得意なブラジル人のFWを2人入れてきて、ストロングに放り込んでくるのはある程度、試合前から予想されていました。セットプレーで点を取られたことよりも、セットプレーを与えてしまったこと。それはファウルになるかならないかというジャッジも影響してきます。ファウルをせずセットプレーを与えないことが一番の理想なので、そこは理想に向けてセットプレーの数を少なくすることに関してはこれからもやっていかなければいけないと思っています。

――高井選手が準備している最中に点が動きました。そこで一回ガマンする選択肢も持っていたのでしょうか?

彼をピッチに送り込む理由は、点が取りたかったからです。送り込む直前に点が入ったからといって、1-0で終わるとは思ってませんし、先ほど言いましたように僕ら2点目を取ることが一番大事なこと。1点を取った瞬間に彼が入ることによってまたさらにチームのギアが上がり、1点を守り切るのではなくて2点目を取りに行くというメッセージにしたいと思ったので、躊躇なく彼を入れました。

――冒頭の総括で「舵を切る」という表現をされました。やはりこれだけ同じことが続いていて、何かを変えなければいけないという可能性が頭の中に浮上しているのでしょうか。「いろんなことを考えています」という言葉も含めて、いまどのようなことを考えていますか?

勝点3を取りたいが、勝点3を取るのが難しい。でも勝点0は絶対に避けたい。やはり勝点1、得失点差1の重みがこれからは絶対にかかってくるので、そういう意味では「勝点1を持ちながら、守りながら攻める」ということは基本的には変えないつもりです。

ただ2点目を取るときにどれだけリスクを冒さなければいけないのか、誰と誰を組み合わせて、システム含めて2点目を取るリスクも含めて、攻めにかかるパターンをさらに増やすべきなのか。例えばボランチを1枚にするとか後ろを2バックにするとか、昔はよくやっていましたけれど、本当に点が取りたいときにどうするか。

今日は2点目を取った方が勝つゲームでした。2点目は絶対に与えないというところと、どうやってバランスを取りながら2点目を取るのかというせめぎ合いでした。攻撃的な選手をどんどん入れましたが、基本的にはシステムを替えず後ろの枚数も変えていません。ただ残り試合を考え、そういう引き出しを開けなければいけないのかもしれない、と思っての発言です。

ーー今日は右サイドバックに藤谷選手が入りました。その狙いとパフォーマンスの評価はいかがでしょうか?

一つは非常に練習の調子が良かったからです。 練習試合を含めて4日間の準備期間がありますので、前節の試合が良かった悪かったはもちろん先発メンバーを決める一つの要因になりますけれども、今は調子のいい選手、戦える選手、走れる選手、いい顔で練習に取り組んでいる選手。そうやって旬な選手を毎週きちんと見極めて週末ピッチに送り出す作業をやっています。

その中で藤谷は今週はとても良かったので思い切って使いました。攻撃も守備も、前半は攻撃になかなか行けなくて、彼の得意なハイサイドでのクロスやカットインが出なかったんですけれど、必ず後半にスペースが空いてくると思っていました。前の(中村)仁郎になかなか今日はボールが収まらず時間が作れなかったので、(村越)凱光を(右に)持ってくれば藤谷もいけると思っていました。足がつるギリギリまで頑張ってくれました。決定的なシーンを味方に繋げてくれれば100点満点だったんですけど、これを味方に繋いでアシストができるようになってほしいと思います。