【試合後コメント】霜田 正浩監督 第35節 宮崎戦 ※無料配信
――試合の総括をお願いします。
朝からずっと雨で、キックオフの時間が一番雨が強い予報でした。それにも関わらず8,500人のサポーターに来てもらえる。「そういうチームでサッカーができる幸せ喜び、感謝の気持ちをまず持たないといけない」という話を選手にはしました。
今日は試合前からずっと土砂降りの中、ずぶ濡れで、それでも試合を応援に来てくれるサポーターのために絶対に勝点3を取ろう、気持ちの部分で絶対に宮崎さんに負けないようにしよう――という試合でした。
宮崎さんも調子が良くてずっと負けていませんが、それを上回るのは今日のコンディションであれば技術や戦術ではなくて気持ちの部分だと思っていました。難しいゲームでサッカーにならなかったですけども、そういう意味では点を取って無失点で抑えて勝点3を取れて、選手たちは本当に頑張ってくれたと思います。
そんな選手たちを本当に応援してくれたサポーター。「これが松本山雅、これが(サンプロ)アルウィンだ」と思っています。これを最後の最後まで続けたいと思います。
――総括にもありましたが雨の予報通りで、蹴る展開になることは想定内だと思うんですけども、それも踏まえてゲーム前に(勝利への)確率を高める指示としてはどのような部分があったのでしょうか?
メンタル以外のところでは細部にこだわる、勝利にこだわる。「勝利にこだわる」ということはこういうピッチコンディションの中でどうやって勝つ確率を上げるか。それを全力で考えなさいと。考えるだけではなく、それを実行に移そうということです。
ボールが絶対に止まるし、ドリブルはできない。セカンドボールをどうやって拾うか…というゲームになる予測から、出足の部分だとか予測の部分だとか、そういう細かなところで絶対に相手を上回ろうと話をしました。
――こうした試合ではえてしてセットプレーが一つのカギになりますし、実際に一つ決めることができました。そこを実際にしっかりモノにできたことに対する受け止めはいかがですか?
セットプレーをまず与えたくないのがまず一つで、やはりこういうゲームはセットプレーが勝敗を分けます。セオリーとしてはセットプレーはあまり与えたくない。高さは向こうの方があることを考えると、セットプレーでやられない、セットプレーで点を取ることが、今日の試合の一番のポイントになると思いました。
練習通りセカンドプレーから、セットプレーで得点を取れたのはすごく良かったと思います。キク(菊井)のクロスの精度、野々村のヘディングの強さ。そういう部分は相手を上回っていたのかなと思います。
――野々村選手個人に関して。今シーズンはディフェンスリーダーになろうという意欲も見られますが、ここ一番の局面で決め切ったことも含めての評価はいかがですか?
樋口もそうですけどセットプレーで点を取れる選手は「絶対に自分のところにボールが来る」と思っています。自信を持っているから実際にあそこにボールが来るし、それを逃さず頭に当ててゴールにする技術もちゃんと持っています。やっぱり自信があって「点をどうしても取りたい」と思っている人にボールが転がってくると思います。
――昨シーズンは残り4試合から失速しました。今季はそれも踏まえてどのように戦いたいでしょうか?
去年の残り4試合と今年の残り4試合を比べることはしませんが、去年は残り4試合で勝点2しか取れなかったという事実があります。そこで菊井がケガしていなくなったという事実。それらを踏まえて今年は、この残り4試合のためにずっとやってきた訳ではないですけど、残り10試合くらいから「どうやって一つでも上に行くか、どうやって勝点を重ねていくか」という試行錯誤の中で、目の前の勝点をしっかり取っていこうと。
その時にできる最善の策を準備してきました。対戦相手が変わると戦い方も変わりますし、ピッチコンディションも変わればそれに適応した戦い方をしなければいけない。あらゆる引き出しを開けてチームを勝たせていくことが大事ですし、また次の試合は別の試合になると思います。今日から次の準備をしたいと思います。
――前節から3バックでスタートしました。2試合ともイレギュラーな試合にはなりましたが、無失点が2回続きました。そこに関しての評価と、リーグ戦残り3試合プラスアルファにどうつなげていきたいかをお聞かせください。
無失点で抑えたいというのは、システム関係なくいつも思っています。そのための努力は今までもしてきましたけども、より「先に失点をしない」戦い方が残りの試合では絶対に大事になってくると思っています。
「守備的に戦う」というのではなくて、先に失点をせずにゲームを作っていく。ゲームを壊さない。僕らは点を取れるチームだと思っているので、やはり(先に失点をせず)守備の集中力が高まれば、本当に最後の最後まで選手の集中力が切れないゲームをできます。
それは3枚にしたおかげだけではなくて、守備の集中力、守備のハードワークをしっかりやるということがあって、なおかつゴール前に屈強なセンターバックが3人残っている。それが失点を減らしていく、無失点の時間を長くしていく一つの有効な手段になり得るという実感はあります。
前節も今節もいわゆる普通のゲームではなかったので、すぐに「3バックが機能している」という評価はしないですけども、それでもやはり結果として3バックでチャレンジして、前節も今節も複数失点をしてるようだと手がなくなってしまいます。そういう意味では自分たちがやってきたことに自信を持って、得点が取れるチームなので、どうやって点が取られないのかを突き詰めて考えた時に、一つの方法として3バックは非常に有効だということになります。
――自分たちのスタイルをなかなか表現できずに勝点を落としてきた試合が多かった中で、今日しっかり勝点3を取りきれたことに対する受け止めはいかがですか?
「いい試合をやっているけど勝点を取れなかった」というのが大きかったので、調子が悪かろうがいい試合ができなかろうが自分たちの望んだ形がでなかろうが、一番大事なのは勝点3。それは変わっていません。なので前節も今節もなかなか自分たちのサッカーができていませんでしたけど、それでも勝点を積み上げることができました。
やはり「勝負強さ」。今まで足りなかった勝負強さをここから終盤戦のラストスパートに向けて獲得できるのが一番望ましい形だと思います。