【キャンプレポート】カギは「切り替え」 高強度のメニューを消化 ※一部無料
第1次串本キャンプ第2日の23日、和歌山県串本町の串本総合運動公園サン・ナンタンランドで午前と午後の2部練習を行った。本格的なトレーニングの初日、今季強調している「切り替え」にフォーカスしながら、高強度のメニューに取り組んだ。
前日に早川監督が選手たちに予告していた通り、この日からはフルスロットル。午前、午後ともしっかり身体を温めて筋肉に刺激を与えてから、メインのセッションに向かった。
午前はコンパクトなフィールドでの切り替え。2対2と3対3をともにハイテンポに、プレーの連続性を強調しながら進めていく。同時に守備のグループ戦術浸透の狙いもあり、ボールホルダーにアプローチする距離や、後方の味方の声かけなどについても指示が飛んだ。
午後は逆に、ほぼフルコートの広さで3対3のカウンター。長い距離をスプリントバックしたり、逆に出て行ったり。そこからゴール前の攻防にもつなげており、「練習にリアリティを持たせたい」という早川監督の意図もにじんだ。
ともに共通するのは、一連のプレーが終わった最後に方向転換してスプリントをかけること。指揮官のホイッスルが合図となっており、反射的な習慣化を目指して意識をすり込んでいく狙いだ。相手より一歩でも早い切り替えを実現するため、今後も続けていくという。
そして午前練習の最後には、ピッチ外周のクレートラックを使ってラントレーニング。インターバルを置いて250m×6本とし、選手たちは歯を食いしばりながら疾走していた。
この日のトレーニングなどについて、早川監督と選手2人(石山、前田)のコメントをお届けする。
早川 知伸監督
――午前、午後ともに切り替えを強調していました。まずは意識付けから始まっていると思いますが、いかがでしょうか?
習慣化すれば何も言わずに、止まらずにできると思います。これはとことんやっておかないといけないこと。逆に言うと、それができなかったら試合に出られないと思っているくらいです。
――選手たちも「やるしかない」と感じているように思います。
選手たちが求めている「勝つこと」に、どう繋げていくかです。一番腹落ちがいいのは、「これをやったら勝てる」「これをやったら取り返せる」というところ。ベースに去年の悔しさがあることは常々言っていかないといけないし、それが絶対にあることは言い続けて、やらせないといけないと思います。
当たり前ですけど、緩む時もあるでしょう。その時に「それでいいの?」「あんなに悔しい思いをしたよね?」というのをもう一回言ってやらせることは、ずっと続けていきたいと思っています。
こちらの言うこととやることの整合性がないと、納得してもらえない部分もあります。そこは続けてやっていければと思っています。
――現状は意識づけのところに重点を置いている印象があります。今後は仕組みのところも含めて、どのように進めていくイメージでしょうか?
甲府との練習試合で、意識的に切り替えをやらせた中でのポジティブな要素と、それに付随してもう少しできた要素があります。「こうすれば、より自分たちが取れる」というものを合わせてフィードバックできそうな素材もあります。「こういう形で切り替えて奪う仕組みを持っている」というところまで、意識的にできると思います。
――午前、午後ともに時間自体はコンパクトですが、その中でインテンシティを上げているところはあるのでしょうか?
國保さん(國保塁フィジカルコーチ)とも合わせながらですけど、強度を上げる時間軸は少し縮めないといけないです。
「どうしてもここの強度を絶対に上げないといけない」という部分にフォーカスしていますし、そこがないと自分たちがやりたいこともできないという認識です。いかに強度を上げていくか。J1でもJ2でもそこは必要になってくると感じています。
――想定したインテンシティと比べて、今日の成果はいかがでしたか?
想定内で、選手たちの反応もすごくよかったし、プレーの質もここから上げていけるイメージができました。また続けてやっていきたいですし、ポジティブな印象です。