【キャンプレポート】初戦まで1カ月 急ピッチで落とし込みが進む ※一部無料

第1次串本キャンプ第3日は24日、和歌山県串本町の串本総合運動公園サン・ナンタンランドで午前と午後の2部練習を行った。主なメニューは11対11の守備やプログレッションからのシュート、クロスディフェンス、セットプレー。盛りだくさんの要素をコンパクトに凝縮させた。

初戦まで1カ月。山雅は第1節が先送りになったため他チームより1週間の猶予があるとはいえ、今年はトレーニングキャンプが例年より短い。手早く完成度を高めていく必要性がある。

幸い昨季の主力がほとんど残留した上に早川監督もコーチからの昇格。「継続性」という観点からするとアドバンテージはある。攻撃やセットプレーなどはマイナーチェンジにとどめて効率良く進めることができる。

この日はまず11対11の守備。センターバックが持った時、サイドバック、サイドハーフが持った時ーーなど、状況に応じてこまめにフリーズしながら早川監督が手ほどきした。

昨季までの「ボールを中心とする攻守」の根幹は変えず、コンパクトさは継続。その上で、ボールホルダーの身体の向きに応じたスライド、リスク順に整理した優先順位などを確認した。

このほか、失点の大きな比率を占めるクロスの守備も練習。より細部を描き込むディフェンスの構築に力を入れていく。攻撃面は相手陣内に侵入してからのボールのルートなどを整理。昨季武器になっていたセットプレーも細部のブラッシュアップを図った。

25日にはJ3FC大阪とのトレーニングマッチを実施。45分×3本を行う予定となっており、進捗状況を踏まえた中での遂行度などを確認する。

この日のトレーニングなどについて、早川監督と選手2人(二ノ宮、樋口)のコメントをお届けする。


早川 知伸監督

――今日はセットプレーも含め、実戦を意識した練習だったように思います。

明日も試合があります。セットプレーに関しては昨年までの積み上げもあるものの、新しい選手も来ている中でリマインドも含めてしっかりやることに重きを置きました。

セットプレーは攻守においてすごく重要でもあるので、回数を多くやりながら確認できればと思っています。

――今日までに駆け足ながらも一通り全局面をやれたのではないでしょうか?

全体的に押さえておく部分、特に守備は押さえてきていると思います。細かく言えばハイプレスの局面だったりはもう少しありますけど、そこはある程度自分の中で計算できるものもあるし、選手たちも奪いに行きたいところはあると思います。

そこにはあまり重きを置いていないですけれど、全体的に守備は押さえられた部分があります。それがどれくらい出せるかというのはもちろん、選手たちを見定めていきます。

――攻撃面も駆け足でおさらいしてきましたが、新加入選手も含めてどのように目線を合わせていくイメージでしょうか?

もう少しポジションごととか、それこそタスクが変わってくる部分があるので、そこはまた追い追いにはなります。

とはいえ自分が考えているプレーモデルの大枠の中では、押さえられた部分はある程度あると思っています。選手たちにはミーティングもそうですが、グラウンド上でどう落とし込めるかが大事になってきます。

頭の理解はもちろんそうですけど、身体で覚える理解のほうが絶対に速いと思っています。そこでいかに「このように戦術行動を取る」とできればいいです。現状では十分できていると思います。

――セットプレーの考え方はどのようなものでしょうか?

基本的には「ボールを相手よりも先に触る」というのが第一優先。何をされようとも、まずは触らないと相手の思い通りにされてしまいます。

そこからはボール中心に出ていけるかどうか。足が止まる、頭が止まることでミスが起きると思うので、ニアでフリックされたときに止まっているのか、一歩動けているのか。

頭も動いていれば準備ができるので、そこが一番大事だと思います。

――そこも切り替えと同じで、日常からの意識付けですね。

攻守の切り替えでも、頭が動いているから身体が動くと思っています。それこそ笛を鳴らすと音で聴いて動くわけですが、それを自分の感覚とか視野の中で頭が働いていれば、すぐに動けると思います。

それはセットプレーにも繋がる部分にもなるので、大事だと思っています。やはり習慣です。

――明日のトレーニングマッチの位置付けはどのようなものになりますか?

同カテゴリーであるFC大阪なので、勝敗は大事にしていきたいと思っています。勝てないと自分たちの評価が上がらないのは大前提に持っておきたいし、勝つことの重要性を説かないといけないです。

その中で、やはりコンディション。和歌山に来てから強度がグッと上がっていて、疲労感がある中での試合にはなります。

そこで踏ん張りながらプレーできるかどうか。一人一人のコンディションも含めて見ていくところが一番の目的になります。

個々のクオリティも見定めないといけないと思っています。どの選手がどれくらいできるのか。チーム全体の大枠の話はしている中で、より個人のところでFC大阪が相手というのは良い指標になると思います。

――FC大阪はハードワークにクローズアップしているチームです。その相手に対して現状のコンディションでも局面で勝てるかどうか…という部分も重要視する部分でしょうか?

そこがちょうどいい指標になるとも考えています。局面局面で勝ち負けが出てきますが、「どうなの?」「できてる?」「できてない?」「やってる?」「やってない?」というジャッジをしなければいけないと思います。そこは目を見張らないといけないし、楽しみではあります。

――開幕まで1カ月を切った中で、時間は長く感じるのか、短く感じるのか。どちらでしょうか?

率直に短いと思っています。いきなり完璧にできるわけではないので、最低限自分がやらなければいけないところはある程度計算しています。

やりたいことはいっぱいあるし、やりたくなってしまう…というのはつくづく思いますが、いまのところは順調にきていると思います。

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