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【キャンプレポート】仕上げのフェーズ 攻守のディティールを洗練 ※一部無料
第2次鹿児島キャンプ第12日は14日、鹿児島県立鴨池補助競技場で午前練習を行った。ビルドアップから相手のゴールに至るまで、一連の流れを改めて共有。セットプレーの守備も含め、初戦を9日後に控えた中で細部をより明確に描き出すことを狙った。
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この日の鹿児島は快晴で、気温も10℃弱。オフ以外では初めて、トレーニングに最適な温暖な環境となった。キャンプも終盤で、メディア公開もこの日が最後。選手たちは普段通り、フィジカルメニューから身体を起動させていく。
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守備陣と攻撃陣を2手に分け、それぞれボール保持時のトレーニング。攻撃陣は従来通り、サイドに人数をかけたコンパクトなゾーンを作って攻略するイメージだ。パス&ゴーを強く意識付け、ワンタッチも活用しながら突破していく。
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ディフェンスは置かなかったため比較的スムーズにボールは回ったものの、まだノッキングを起こすシーンも散見された。スイッチを共有するイメージを持ちながら、粘り強く続けていくのみ。中央で仕留める枚数や入り方なども突き詰めていく。
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その後はフルピッチで全体の流れを確認する実戦形式とし、最後はセットプレー。実戦を想定したメンバー分けで、2チームともまずは守備にフォーカスして取り組んだ。一発で決めさせないことはもちろん、セカンドプレーやこぼれ球に対する反応なども洗練した。
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残り2日間は完全非公開で行い、シーズン初戦に向けた総仕上げとする。早川監督と選手2人(安藤、小川)のコメントを紹介する。
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早川 知伸監督
――サイド攻撃の練習もありました。どのような考え方か、可能な範囲でご教示ください。
基本的にはパス&ムーブでどんどん動いている中で、ワンツーで入っていく選手もいるし、それで入らなくても3人目で入っていく選手もいる。
人数がかかっているので、どこで合図をかけられるかだと思っています。そこは合わせられればと思っているところなので、またやっていきます。
――どこかで時間を作らなければいけない。それはボールを収めるという個人の話だけでなく、サイドの局面で時間を作っているという考え方にもなるのでしょうか?
カウンターで速く攻めるのも一つありますけど、どこかで自分たちが相手を押し込むためにも、時間は作らないといけません。
その時間を作るために人をかけて、その間にできることがリスク管理だと思っています。それがネガティブトランジションの準備だったりするので、そこができないと行ったり来たりのゲームになってしまいます。
自分たちが安定して確実に勝点を取ることを考えた時に、敵陣に入って時間を作って、2次攻撃、3次攻撃とできれば、より自分たちのゴールから遠いし、リスク管理も含めて「行って来い」のサッカーにはならないと思います。
時間は大事で、それをチームで作るか、個人で作るか。去年はなかなか前で時間を作れないので、攻撃できなかったというのもありました。
――サイドでの局面は、低い位置から崩しにも適用されるのでしょうか?
そんなにこだわっているわけではないです。関わる人の距離感がしっかり縮まってこないとなかなか難しいと思っています。どうしてもスモールエリアになりがちなところはありますけど、こだわっているわけではないです。できれば距離をどんどん広げていきたいです。
――今季からベンチ入りが9人になりましたが、どのように活用していく考えでしょうか?
メリットのほうが多いと思います。当たり前ですけど選択肢が多くあったり、チョイスの中でもタイプを両方置くこともできます。攻撃的なのか、守備的なのか。いままでは攻撃も守備も両方できる選手とか、ポジションもポリバレントな選手がいいとかはありました。そこが変わってくるので、だいぶ選択肢があっていいと思います。
選手たちのモチベーションとしても、メンバーに入るか入らないかでは違ってくるし、そういう意味ではメリットは多いです。逆にこちらとしては悩まされるところもあるので、どのタイミングで誰をどう入れるかというのはあったりします。他の監督も悩んでいるのではないかと思います。