
【試合後コメント】早川 知伸監督 第22節 岐阜戦 ※無料配信
――本日の試合の総括をお願いします。
まず総括の前に、2点ほどお話をさせてほしいと思っています。
前節の信州ダービー後にサポーターと少し口論になってしまって、自分の不適切な発言により、不快な思いも含めてさせてしまったこと、サポーターに対して、本当に失礼なことをしたことを深くお詫び申し上げます。すみませんでした。
その後、一部のサポーターの方と直接お話をさせてもらって、サポーターの真意、そして自分の真意をまず伝えさせてもらって、お互い意見交換をさせてもらいました。
それがあって、今日の試合を迎える形になりました。すごく素晴らしい雰囲気の中で戦わせてもらったことに感謝しかありません。本当にありがとうございます。
そしてもう一つ、今日の試合が開催されるにあたって、雷など天候が難しい状況でした。開催されるかどうかというところではあったんですけれども、この試合を運営するボランティアも含めたたくさんの方々、そしてサポーターも含めてご尽力いただいたのに伴って試合が開催することができました。そして無事に終わることができました。
この試合にたくさんの方が手をかけていただいたこと、本当に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。
そして総括になりますけども、勝てたことは本当に良かったと思っています。選手たちがよく戦いよく走り、そして最後まで粘り強くできたところは本当に評価できる部分だと思います。その部分を求めて選手たちにもミーティングでも伝えたところでもありました。選手たちが気持ちの部分を出してくれて素晴らしい結果になったゲームだったと思っています。
今まではサポーターの「ために」勝利するということを選手に伝えていたんですが、先ほど言った一部サポーターとの話の中で、やはりサポーターもたくさん「一緒に」戦ってくれているというのも十分感じているところです。それを今日のミーティングで、サポーターの「ために」はもちろんですが、サポーターと「ともに」戦えるようにしよう、と選手に話をして送り出したところでした。
サポーターと「ともに」というところは今日の最後はアディショナル(タイム)を含めて守備をする時間が長くなるところもすごくサポーターが一体となって応援してくれて、本当にサポーターと「ともに」戦えた試合だったと思っています。それがあって今日の勝利があるというふうに思ってます。本当に感謝したいと思います。
12,000人弱という多くのサポーターが来てくれて、そしてこの(サンプロ)アルウィンで勝利を分かち合えたことを本当にうれしく思います。選手たちはなかなかうまくできない部分もありつつも、本当に守備の部分では、タスクを守りながら交代する選手も含めてよく守ってくれたと思っていますし、よく走ってくれたというのが率直な意見です。
ここで一度中断になります。ここから後半戦に向けて粘りのある守備、戦える気持ちと身体とを全員でやっていきたいと思っています。
――仰られるように非常に戦って走った試合ではあったかなと思うんですけども、特に後半のところで裏に流し込まれて危ないシーンもいくつか見られました。そこを含めて想定内のところがあったのか、もう少しやらせたくなかったのか、その部分はいかがでしょうか?
想定内といえば想定内です。押し込まれる形は出てくるだろうし、GKとディフェンスラインのところに流し込まれたクロスは、少し来る形というのもわかっている中ではありました。
それも含めてある程度は選手たちもわかっていたし、ハーフタイムでもそんな話をしている中で、よく粘り強くやってくれたと思っています。
――中断期間である程度のスパンがありますけれども、いろんなことを当然取り組んでいくとは思うんですが、優先順位を付ける中で、とりわけどんなところに力を注いでいきたいかなと考えていますでしょうか?
まずは自分たちが意図してボールをしっかり動かし、そして相手のラインを越えていくところは、攻撃の部分でやはり積み上げたりここからもう一つレベルを上げていかなければいけないと思っています。まずその部分は大事な部分です。
そしてもう一つは守備を含めた全般的なところですけども、ある程度いろんなデータが出てきている中で、自分たちのウィーク(ポイント)になってる部分。走りにしても球際にしても、まだまだ戦わなければいけない部分というのはより多くなってくると思っています。
その部分の質、そして量を増やしていかなければならないと感じています。その部分にフォーカスしてやっていきたいと考えています。
――PKを得たシーンも含め、全員が前を向いてプレーして最後は馬渡選手が獲得しました。その部分の評価はいかがですか?
馬渡の走り出したタイミングも含めて、そこでだいぶ優位になれていました。スタートを切ってもボールが出てこなかった場面もありましたけれども、よく走ってあそこで優位を作っていったところは評価できる部分だと思っております。もちろんボールを保持したりコントロールしたりという部分も含めてよくやってくれたと思います。
ただ、ショートカウンターで自分たちが奪った時にいい形でゴールまで向かえるという計算があった部分が、少し出ていなかったところは反省というか、もう少しクオリティを上げていかなければいけないと思います。
縦パス1本だけではなかなか通らないので、1回預けたところから、2人、3人と追い越すようなところを作れればより良かったのではないかと思っています。
――前節からスタメンを3人入れ替えましたが、狙いはいかがですか。
少し守備のタスクがある中で特にボランチの川上航立がチームに加入してからある程度時間が経ち、連係も含めて良くなってきた部分を表現してもらいたいというところで起用しました。
宮部のところも当たり前ですけれど真面目に一生懸命やる選手で、安定感だったり、前向きにボールを持てる、前で守備もできる前向きな姿勢があります。このタイミングで起用することで、チームに良い活性化ができるんじゃないかというところで入れました。本当によく声も出していたし、得意の球際だったり守備の安定というところはすごくやってくれた部分で、本当に良かったと思ってます。
サイドの馬渡も本当にボールを持つことも含めてしっかりと相手を見ながらできていましたし、PKを獲得したシーンも含めて攻撃の部分は良さが多く出た試合ではあったと思います。
替わって入った3人も本当に気持ちを出してやってくれたと思っています。
――馬渡選手は左サイドから右サイドに流れて受けるシーンも見られました。そこは個人の裁量の範囲内でのプレーだったのか、チームとしての狙いだったのか、いかがでしょうか?
基本的には本人の判断ではあるんですけれど、そこはこちらにも伝えてくれていたところです。自分が入っていく形というのは必要であればしていきたいと。ただエリアとか場所は少し考慮してやっていくように、ということは伝えているところです。
あくまでも敵陣で入ってきてもいいですし、それによって周りが連係してそこを補うことが必要ですが、こちらの許容範囲でやってくれているというところになります。
――前節の会見の中で、「前を向ける選手を中心に次節に挑んでいく」という話がありました。今日の11人に込めた思いを改めて聞かせてください。
11人だけじゃないですけれども、前向きな姿勢を出せる選手をチョイスして今日の試合に挑みました。やはり信州ダービーでの敗戦は大きなダメージになっていましたし、メンタル的にもダウンしてる中で本当に跳ね返ってきて、よく戦ってくれたと思っています。
チョイスする中で、やっぱりパワーを出せる選手、特に今日は前向きにパワーを出せる選手という意味で、活性化するために使ったような形にはなっています。本当に応えてくれた部分が多くあると思っています。
先発の11人だけじゃなくて、途中から出た安永にしても松村にしても、佐相にしても(滝)裕太にしても樋口にしても、本当に前向きにプレーしてくれて、すごくアグレッシブに激しいチャージからボール奪取まで続けてやってくれました。すごく良かった部分だと思います。
途中から5―3―2にしましたけれども、そういうのも意図的な形でできたと思っています。
――先ほどサポーターの「ために」ではなく、「ともに」という話がありました。それは2人称が1人称に変わったという意味合いで捉えたんですけれども、その意味合いでよろしいのか。あるいはその変化に伴って早川監督の中に何かしら変化も生まれたのでしょうか?
そこは僕の中の変化として伝えさせてもらったところではありますので、あくまでも選手たちがどのように捉えたのかはそれぞれかなと思っています。
ただ2人称であった部分が1人称になったというだけではなくて、やはり自分たちが背負いすぎている部分も感じているし、それを選手たちが背負いながらやっていく中で、でもやっぱりサポーターがいることで、たくさん支えてもらって、一緒にやれているというところは、より多く感じることができる部分だと思っています。それも含めてそのような使い方であります。