
【試合展望】第23節 琉球戦
生まれ変わった姿を示すべき一戦だ。
3週間の中断期間を経て、再びリーグ戦が始まる。この期間で何をどのように進化させたのか、そしてリーグ後半戦への希望を見い出すことができるのか――。あらゆる意味で試金石となる一戦だ。迎える相手は13位琉球。上り調子で乗り込んでくる相手を打ち破り、その成果を証明したい。
中断期間でブラッシュアップ
進化した姿をピッチで示せるか
22試合を終えて中断期間に入った段階で、早川監督らスタッフ陣からミーティングでデータが共有された。デュエル勝利数、High-Speed(19.8km/h〜23.9km/h)回数、急加速/減速回数がともにリーグ最下位。「そんなチームが昇格などできない」と指揮官は語気を強めた。

これらのデータが示すものは、「ボールに寄せ切れていない、デュエルも取れていない。しっかり走って止まれていない」と早川監督。まずはその部分に強く訴えかけながら中断期間のトレーニングを積んできた。田中は「本当にデータが今年の結果に直結している。やばいと思った」と焦りを募らせていた。

だからこそ、中断期間中は走り切ること、スプリントをかけることなどを意識。「それを90分間続けられる身体にしたい」と話す。FWとしてはさらなるゴールも求められ、「最後の質を上げること、それに尽きる」と力を込める。現在はチーム最多9得点で、現実的にリーグ得点王も狙える位置だ。

さらに、新戦力もチームの総合力を底上げしている。J2千葉から期限付き移籍してきた林誠道。FWの競争力がさらに高まることが期待され、中断期間中に新たな環境にも徐々にフィットしてきた。「自分が入って、いい意味で『変わったな』と言われるようにしたい」と意欲を口にする。

そうしたシチュエーションで迎える次節。琉球は前回対戦時から見違えるように右肩上がりとなっており、最大級の警戒が必要だろう。アウェイでは山雅が3-0と下したものの、以降の6試合は4勝1分1敗と復調。守備時は5バック、攻撃時は4バックと可変して安定感を増してきた。

輪をかけて、山雅をよく知るストライカーが並々ならぬ意気込みで乗り込んでくるだろう。琉球に完全移籍したFW浅川隼人だ。松本に強い愛着を持っていただけに、移籍直後の“恩返し”を虎視眈々と狙っているのは明らか。ゴール前で仕事をさせるシチュエーションに持ち込まないよう、細心の注意を払って迎撃したい。