【試合後コメント】名波 浩監督 第41節 相模原戦

※会見は15:20ごろに実施したものです。

――まずは試合の総括をお願いします。

まずは2連勝しかないという状況で、我々にとってポジティブな結果だとしても、最終節は難しい状況になってしまいました。クラブに関わるすべての方、ファン・サポーターの皆様には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。シーズン最初からやろうが途中からやろうが、自分自身が持っている指導者としてのスキルと、選手とともにチームを築いていくという観点の中で、しっかりとした矢印を示し続けてきたつもりですが、直近5、6試合のゲーム内容が10試合、15試合前に始まらなければいけなかったと痛感しています。僕自身もプレッシャーとの戦いの中で、そういったものに押しつぶされるものかという気持ちを張っていましたが、どこかで不安がチーム全体に伝わってしまったのではないかという後悔は多少あります。

ゲームの中では90分間、前節の山口戦のようなプラン通りに行けたかと考えるとそうではなくて。相模原もそうかもしれないですが、我々も相当硬くなってしまって、その緊張がだいぶ手に取るようにわかっていました。最初のウォーターブレイクでもう少しリラックスすることと、前選択が背後だけになっていたので、セルジ(ーニョ)にしても2トップにしても、空いている時はどんどん刺していこうと。そのチャンスを逃しているがために、バックパスや横パスが多くなってしまっているという改善の中、途中からは相模原もだいぶ力が抜けていて、通常のゲームらしくなったのではないかと思います。

(後半開始から)2トップの片割れを変えて変化が起きるかと思いましたが、ゲーム自体が膠着していたことと、良い形でボールを握ったり奪ったりしても最終的に決定的なシーンにならなかったという意味で、最後は河合と(田中)パウロ、阪野を入れて2トップ2シャドー、それから佐藤の1アンカーにシステムを変更しました。ここからもセカンドボールを拾えてはいましたが、そのボールのファーストパスをミスしたり、見えている選手を使わずにこねて奪われたりの繰り返しで、リズムができそうで相手に行きかける。相手のミスもあったので、そこまで決定的なものにはならなかったですが、自分たちが意図する攻撃という意味では、その時間帯も最終的にはプラン通りに行かなかったと思います。そうこうしているうちに必要のないファウルからセットプレーで失点して、このゲーム自体を難しくしてしまったと思います。

――前節の山口戦に続いて、勝たなければいけないゲームで勝ちきれませんでした。その要因はどう捉えていますか?

先制したゲームは新潟戦も山口戦もそうですが、結局やられた形はセットプレーで、今回もセットプレー。就任して間もない時はセットプレーでそこまでやられていなくて、やり方も多少変えましたが、相手の分析が上回っているのか、自分たちが最後に球際のところでガツっといけないのか。集中力の欠如でやられたシーンもありましたし、やられ方がいつも繰り返し行っていると、選手たちのトーンダウンも見て取れるので、そこが一つの大きな原因です。裏腹かもしれないですが、自分たちのゲーム内容とゲームパフォーマンス、ゲームコンディションがついてきている中で、残留争いするクラブに対して3ポイントを取れなかったのは少し残念です。

群馬にしても、山口にしても、相模原にしても、直近何試合かのうちに1勝しているので、勝った印象があるまま我々に臨んできています。我々は勝ちゲームが少なすぎて、自信もそうですし、時間とともに不安が増幅してしまって、やられているシーンもあると思います。途中から入る選手が劇的にゲームを変えるかといえば、変える意識も選手たちは持ってくれていますし、非常に前向きに入ってくれるのは良いですが、鼻息が荒すぎて必要のないものや普段しないミスがあったのも事実だと思います。

――他会場の結果待ちではありますが、事実上J2に生き残るのは難しい状況になりました。その結果に対してはどう受け止めていますか?

クラブ、フロント、選手たちに責任は一切ないと思います。自分がやったゲーム数やトレーニングに携わった時間は関係なく、チームの現場の長として責任を強く感じます。もう少しああいうふうにあのタイミングでできたとか、ああいう感じのまま続けたほうがよかったかなとか、そういう後悔は小さいかもしれないですがたくさんあります。それが最終的に大きな結果に繋がったのは事実だと思います。

――状況次第で、長崎戦にどのように臨むかも変わってくるものはあると思います。

来シーズンうんぬんではなくて、今シーズンの現状出られるベストイレブンを出すというのは、最初から頭に入れていたことです。それに伴って、そういう練習をしていくつもりでいます。

――新しいスタイルを植え付けるという意識は就任直後からあったと思います。ただ、結果が伴わなかったという意味では、どのようにバランスを考えていたのでしょうか。

おっしゃることはよく分かります。番記者の皆さんにはお伝えしている通り、基本的にはモチベーターという中で、技術やチーム戦術を少しずつ落とし込んで、積み上げたところでのピッチ内のパフォーマンス、そして自分自身の90分間ゲームが生きている中での改善の仕方がどうだったのか。今はまだ終わったばかりですが、おぼろげながらに精査すると、決して良い方向ではなかったところが多々ありましたし、そういう日々が続いてしまったと思います。これは別に負け惜しみでもなくて、明らかに変わったところもありますし、変わった選手もたくさんいると思います。そういうものは財産として、来シーズンに活かせられれば良いと思います。

――少しずつ積み重なった後悔について、今思いつくことを教えていただけますか?

自分のサッカー仲間と話すときに必ず言うのは、サッカーを教えすぎたというところです。勝ち点だけに特化するのではなく、サッカーに特化した教えが多すぎましたが、そうではない戦術で勝ち点を積み上げるチームもいました。もう少し数字を追い求めながらやらなければいけない時期があったと思います。最後の5、6試合になると3ポイントへの執着心を持ってやらなければいけないというところに特化しすぎて、それでもしっかりとサッカーをやってほしいという中でトレーニングメニューも含めて構築していましたし、メンタリティもそういうふうに持っていきました。そこがうまくいかなかったというよりも、ゲームにハマらなかったと感じます。皆さんも見ていてこのゲームのこの時間帯、このゲームの全体と、内容が伴っているゲームというのはパッと思い浮かべてもあると思います。例えば町田戦の終盤20分や、山口戦のトータル、甲府戦の追いついた前など。ああいうシーンを思い起こすと、やってきたことにも価値があるのではないかと思いますが、結果的に数字には繋がっていないというのは、きょうのゲームも然りかもしれません。

――試合後にロッカールームで話したことを教えてください。

みんなの責任ではないというのがまず一つ。自分自身でシーズンを通して、しっかりと反省を踏まえようということ。ただ、今すぐに考える必要はないと。現実をしっかりと見据えながら、こういったビッグマッチを経験したことを活かさなければ、今日という日の意味がなくなるということは、試合前も含めて選手たちに伝えました。