【試合後コメント】名波 浩監督 第1節 讃岐戦

――まずは試合の総括を。

昨年の9月の北九州戦からずっと勝てなくて、成功体験がない中で自信をなくしていきました。それから和歌山キャンプで何人も怪我をして、コロナの選手も出て、チーム作りとしては非常に難しい立ち上がりでした。最終的には全員が戻ってこられましたし、その中で不安要素と言えばゲームコンディション。今日のゲームで言うと、常田、佐藤、米原、横山の4人以外はこれまで90分やっていないので、ゲームコンディションの難しさと、練習試合が3試合飛んだツケは最終的に来るのかなと思っていました。体力的なところでは和歌山キャンプで相当走ったので、最後まで足もつらずに全員が持ったというのが一つ。それからパウリーニョの存在が大きくて、彼が劣勢の時に声を出してくれましたし、対人のところでもしっかりと見本となってくれたと思います。

ゲーム内容としては立ち上がりから相手に押し込まれて、自分たちのリズムになりかけたところで失点をしてしまうというのは昨季にもあったことです。失点のシーンはビクトルが弾いたボールの不運もありましたが、もう少しやりようはあったと思います。後半の45分は躍動していたと思いますし、前選択も多くて、奪った後の質もリズムも非常に良かったです。速さとアイデアが生まれた時は、フィニッシュまで行けていたと思います。

ただ、昨季からずっと言っているように枠内シュートが少なかったので、そのあたりはまだまだ改善点です。ひっくり返せたという意味では素晴らしい結果だったかもしれないですが、セットプレーでの2点なので、流れの中からもっと決定的なチャンスを生み出せるようにしたいと思います。最後にもう少し両ワイドが高い位置を取るために、残り何分かで3バックをやりましたが、昨季からやっていることなのでスムーズに意向できました。我々は常に挑戦者ですし、圧倒的に力があるわけではないので、カメレオン戦法ではないですが、いろいろと駆使して選手の特徴を出しながら今後もやっていきたいと思います。

――鹿児島キャンプではセットプレーの練習もしていました。セットプレーで2点奪えたことは、自信になりましたか?

(セットプレーの練習は)4回くらいやって、シーズン中もまたやっていくと思います。とにかくキッカーが命なので、カズ(佐藤)のボールが良かったですし、トキ(常田)の入り方もよかったです。(横山)歩夢は先週あたりからヘディングシュートを徹底的にやっていた中で、初戦で成果が出たのは本人の自信になりますし、誕生日が9日前だったので良いプレゼントになったのではないかと。(外山)凌のシュートも、コースを狙った良いシュートだったと思います。

――厳しいコンディションの中でも、キャンプで積み上げてきたことを出せた部分はあったのでは?

コンディションが悪いのではなくて、ゲームコンディションが悪いというのは誰もが認めるところだと思います。そういった中で特に後半45分は自分たちの時間を増やせましたし、押し込める時間が多かったです。相手を二分化できたという意味では次節に繋がると思いますし、変化を起こそうといろいろなアイデアと運動量を駆使して、特に人数が揃った時の左サイドは迫力があって面白かったと思います。

――4バックでスタートして山本選手と米原選手を起用しましたが、その狙いは?

両者ともボールワークが非常に良くて、トレーニングから積極的に取り組んでくれているという当たり前のことと、和歌山ではだいぶきつく言って彼らの奮起を促しました。今日はそれに見事に答えてくれたと思います。

――後半は背後への球出しやアプローチの強度など、やろうとしていたことが明確に出ていた印象があります。それは前半からやらなければいけなかった部分もありますか?

前半は相手の2トップが思いのほか体が強かったり、ボールが入っていく回数が多くて、少し面を食らったところがありました。あとはピッチがドライで長かったので、ボールワークが難しかったところも何回かあって、なかなか主導権を握れませんでした。あとは前半のノートに書いたのが、セカンドボールを拾えていないこと。後半はセカンドボールをよく拾っていたので、そのあたりの差はあったと思います。