【試合後コメント】名波 浩監督 第3節 鹿児島戦 ※無料配信

――まずは試合の総括を。

風の影響をもろに受けて、前半はビルドアップがうまくいきませんでした。そのストレスと、捨てボールが増えた分だけ自分たちの前がかりの守備という意味でも連続性が生まれなかったというところが、リズムに乗れなかった一つのポイントかなと思います。3バックでスタートしましたが、その理由は大きくではないとしても外山がシュートを打ったように、それから(前)貴之がミドルシュートを打ったように、相手のワイドが戻ってこないので十分にチャンスがあるかなというところでした。それから戻ってこないワイドにピン留めされている中で、サイドバックへのアプローチがこのゲームのポイントだったと思います。そこまでそのエリアで破綻することはないなという中で、1失点目がそこで生まれてしまいました。単純な受け渡しのコミュニケーションで済んだ話が、崩された失点という印象付けが前半の悪い内容を生み出してしまったと。印象の悪いまま45分が終わってしまったと思います。

後半は4バックにして、背後にリスクを持たせました。結果は向かい風になってしまって、戻るボールがより強くなったことと、セカンドボールからもう少し一差し入れてからワイドにと言っていましたが、受け手と出し手でタイミングが合わなかったり、差さずにそのままサイドに出してしまったり。差さずにサイドに出すのであれば、誰かがクロスオーバーをかけてほしかったですが、そういうシチュエーションもなくて、練習でやったシーンというのが少なかったと思います。選手たちにはスコアこそ1-2ですが、昨季は失点が多かった我々としては、3試合で4失点は全く満足できるものではないです。慢心も油断ももちろんなかったですが、決して絶好調で2連勝したわけではないと目が覚めたと思います。このゲームは完敗だと位置づけして、一からやり直そうと伝えました。8,000人弱のお客さまが待ち遠しくしていたホーム開幕戦でしたが、良い結果を出せなくて申し訳ないです。まだ始まったばかりとはいえ、こんなに早くホームで敗れる姿を見せてしまって残念だなと思います。昨年の9月からホームで勝てていないので、3ポイントへの執着心というのをさらに持たなければいけないと感じます。

――前半は印象が悪いまま終えてしまったとのことですが、主導権も握られているという意識はあったのでしょうか?

主導権という意味では、先ほど言ったように捨てボールで連続してボールを奪いに行くチャンスがなかったので、そこからもう一回セットして、(鹿児島が)最終ラインから入っていく中で、ボランチをうまく経由しながらポゼッションをされたなと。そういう意味では後手に回るような守備があったのと、2列目の菊井と佐藤のところで守備のスイッチが入るシーンが少なかったです。縦ずれ、スライドが出てきていた(前)貴之、宮部、外山、下川の流れをもう1個前の段階でコースを限定しながら、プレスバックして挟みに行くような形というのを期待していました。相手の受けるタイミングなどが良くて、少しはめずらい感じはありました。とはいえ4バックにしてはまったかと言うとそうでもなかったと思います。守備をしない両ワイドを気にしすぎると、後ろに重くてなかなか出ていけない。先制していれば少し違ったかもしれないですが、先制されたので余計に(鹿児島の)ピン留めの効果はあったと思います。

――後半から横山選手を入れた狙いと評価はいかがでしょうか?

相手もそうでしたが、背後へのボールが風で止まるような形になるので、パワーとスピードで持っていくような形作り。あとは2トップにして(小松)蓮の動く労力を減らしてあげるのと、ボックス内に必ず入っていくシチュエーションにしたかったので投入しました。

――次の試合で一番取り組んでいきたい部分を教えてください。

連敗しないことがまず一つですし、(次節で対戦する)相模原も負けた後に勝って気分良くホームゲームと思うので、我々としては相変わらずの挑戦者の気持ちを持ってやりたいです。今日負けたことを次に生かさないと意味がないと思うので、メンタル的なところもタクティクス的なところももう一回締め直したいと思います。

――連勝中にもかかわらず先発を5人替えましたが、どのような狙いがありましたか?

年間を通して考えた場合、アタマでゲームコンディションという意味で作り上げていくのは難しいですが、そこで(キャンプのトレーニングマッチが)3試合飛んでしまったのが大きな要因だと思っています。

――大野選手を先発で起用しましたが、その狙いと評価はいかがでしょうか?

後ろに余らないアプローチという意味では、ほとんど行けていましたし、8割以上奪えていたと思います。スピードというのは、このチームでの一番の能力だと思っています。送り出す時に、我々の課題は失点していることなので、ゼロで終わらせようという話をしました。そこがまたチームにとっても彼にとっても課題が生まれたと思うので、パフォーマンス自体は良かったですが、次節へのモチベーションとしてそこに特化してもいいと思います。