【試合後コメント】名波 浩監督 第8節 北九州戦 ※無料配信

――まずは試合の総括を。

1万人近いサポーターが来場してくれて、この天気の良さでサッカー日和というには少し暑かったかもしれませんが、その中で良い内容のゲームを見せたかったです。結果にこだわるという意味では3ポイントを取れなくて残念だったというのが率直な感想です。3試合連続無得点中の相手とはいえ、前線の選手の個のクオリティは高かったと思いますし、収まった後だったりコンビネーションでスピードが乗りそうな時は危険な匂いを漂わせていました。

ただ、我々も守備の構築、準備というものが非常によかったので、225分無失点継続中という、ゼロの時間を長くすることを遂行できました。攻撃のところでイージーなロストとボールホルダーの判断ミス、判断の遅さがあって、スムーズな攻撃に繋がりませんでした。立ち上がりに菊井がミドルシュートを打ったシーンのような、テンポも早くてゴールに直結するようなボール回しと動き出しを90分を通してやりたかったです。途中から入った選手も含めて、イージーなロストと状況判断の遅さが目に余るゲームになってしまったと思います。ただ、守備の準備と切り替えの速さがよくて勝ち点1を取れたので、良しとするしかないのではないかと思います。

――前節・沼津戦の課題だった奪った後の質を求めすぎるあまり、簡単にボールを下げてしまう印象がありましたが、いかがでしょうか?

そのままです。ハーフタイムにも言いましたが、クロッサーが上げるタイミングで、中が身長の低い2トップとはいえ、人数と迫力、スピード感があれば十分にチャンスになると思います。上げたことによってセカンドボールを拾って、厚みのある攻撃ができるということにも繋がるかもしれないです。たらればかもしれないですが、トレーニングでやっているコントロールしてクロス、ワンタッチでクロスというのをもう少し全うしないと、相手が人数をそろえてきたり、余裕があればカウンターの準備までしてきたりということに繋がってしまいます。そこは大いに反省点だと思います。

――メンバーを入れ替えて臨みましたが、手応えはいかがですか?

小松、(前)貴之はこの次は行けるかなと思いますが難しい状況でしたし、下川も体調不良で欠場しました。コロナで大変なクラブもありますし、我々も苦しい思いをしていました。ボードに大きく書いたのは、「総合力が試される時だ」ということ。これは春先だろうが終盤だろうが関係なく自分たちが総合力を出す時ですし、初スタメン、スタメン復帰といった選手たちがどういうモチベーションでトライできるか。そして対戦相手が我々に対して、一番上にいるクラブということでものすごい圧で来るのではないか。そういったものを計算しながらやらないといけないゲームだったと思います。なので、勝ち点1でしたが御の字で良いのではないかと感じています。

――横山選手と村越選手のスピードを生かす場面が少なかった要因は?

(北九州は)直近何試合かを見ても、(相手の)アタッカーにボールが入った時の帰陣のスピードがさほど速くなかったです。ただこのゲームに関しては、特に(横山)歩夢に入った時はものすごい帰陣の速さとコース取りで、歩夢の特長を消すという意識が強かったのではないかと。研究されていますし、怖がられているというところは本人も大きく感じたと思います。スピードを使うという意味では、それをおとりにシンプルにボールを動かして、ワイドでクロスオーバーして2対1で仕掛けるというシーンが2、3回はあったかもしれないですが、回数的にはまだまだ足りなかったです。あとは松本独特の気温で、昨日の夜も寒かったですし、(今日は)なかなかアジャストするのに難しい暑さで、選手は少し苦しそうだと感じました。ポジティブ要素で言えば、被シュート3というのと、足をつる選手がいなかったという意味では水分がうまく取れたと思うので、そういうところは継続してほしいです。

――来週から天皇杯県決勝とリーグ戦で、長野との信州ダービー2連戦を迎えますが。

このゲームに通ずるものとして、総合力が試されるゲームになると思います。2試合で180分ということは考えずに、大会自体も違うので1試合ごとにしっかり全力でやりたいです。パルセイロは今節負けて、手綱を締め直すようなメンタリティで来ると思います。自分たちはそれを受けずに、挑戦者の気持ちを持ってやりたいです。大会は違いますが、リーグ戦にしっかりと繋げられるように努力していきたいと思います。私自身はいろいろなところでダービーを経験していますが、静岡ダービーよりも日韓戦をイメージしているので、負ける気どころか勝つ気しかないというメンタルを選手たちに植え付けたいと思います。